- Amazon.co.jp ・電子書籍 (178ページ)
感想・レビュー・書評
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コメ一筋の女子、あきたこまち。秋田県の高校生で、米食堂こまちを切り盛りしている。なぜか、スカートが短い。コメ食堂のお品書きは、米の銘柄が書いてある。コメに合わせて料理が提供される。コメとおかずのマリアージュ。
サッカー部員の特待生1年生で金髪、イケメンの西宮虎次郎。おなかが空いたので、コメ食堂に入る。ガッツリしたものを注文すると、こまちは「コメそのものを楽しんでもらいたいから、そのコメにあう料理しか出さない」と言ったので、西宮は「コメなんてどれも同じだろう」という。そこで、こまちが「何にもわかってねぇなぁ。コメは全部で280種類もある。味や見栄え、やわらかさ、粘り方や香り、そのすべてが違う。たとえ同じ品種でも地域や産地が変われば全て変わる」「日本人なのにどうしてこだあわらないのだ」というのだ。
まぁ。コメのこだわり食堂なんですね。ラーメン屋では、あるけど、コメ食堂というのが新鮮だ。
西宮に出した料理が「南魚沼産コシヒカリご飯といぶりがっこ」。確かにコメは立っていてつぶつぶなのだが、合わない。そして、「あきたこまちご飯といぶりがっこ」
こまちは「コシヒカリは強い甘味と香りと粘りが特徴で、いぶりがっこのような臭いの臭いものとは喧嘩してしまう。あきたこまちは、コシヒカリを親に持ち旨味や甘味はしっかり引き継ぎつつ、粘りは少なく、香りも程よく、のどこしが良い。同じ秋田で育ったいぶりがっこと相性がとてもいい」という。これが秋田の風土と歴史が作った食文化だという。
虎次郎は、ご飯に目覚め、自分で炊こうとするがうまくできない。
あきたこまちが教える「正しい保存、研ぎ方、炊き方、ほぐし方、を揃えて初めてコメの個性が光るという。そこで、コメの炊き方を虎次郎に教える。
虎次郎がサッカーの練習で疲れてコメ食堂にきた時は、秋田産の「つぶぞろい」を勧める。あっさり系なのだ。コシヒカリはもっちり系。
寅次郎のみこ姉さんが、学校にやってきて、こまちと対面。みこ姉は、糖質制限していてご飯を食べない。こまちは、ご飯の食べ方で、太らないという。みこ姉には、こまちは「かぜさやか」を食べさせて、実感させる。ご飯は美味しいのだ。「かぜさやか」は噛めば噛むほど美味しいコメだ。噛む回数を増やして、満腹度を満たす。そうすれば、コメを食べる量を減らせる。コメは栄養バランスがいいのだ。
虎次郎は「つぶぞろい」をたいていた。こまちはご飯に塩鮭とイクラのせ、三つ葉、白胡麻、ノリを散らし出汁をかけて、食べさせる。
こまちは子供の頃にパンを食べたいと言ったら、お爺は、米パンを作った。
監修者の西島豊造が出てきて、イチオシの「ふくまる」をすすめる。茨城県で「食卓に福と笑顔を」で売り出された早熟系コメ、大粒、ふっくらした炊き上がり、冷めても美味しい。おにぎりにも適している。味の濃いおかずに合っている。コメの蘊蓄があっていいね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全巻一気読み。とにかくお米が食べたくなる。
ヒロインの「毎日食うのにどうしてこだわらねぇんだべ?」が突き刺さりました。
美味しいお米の炊き方、おかずとの相性で選ぶお米の品種など、いろいろ勉強になります。
米農家のうちは、自分で作ってる「ヒノヒカリ」という品種を毎日食べてますが、いろんな品種を食べ比べしてみようと思います。