知性の核心は知覚にある DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文 [Kindle]

著者 :
制作 : DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 
  • ダイヤモンド社
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感想・レビュー・書評

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  • 安宅氏による論文。
    ai時代における本質的な内容がとらえられており、素晴らしい本。 

    メモ
    ・イシューを見極めとは 答えを出すことにインパクトがあり、、答えが出せ、明確かつ心強く人に伝えうる問を立てるということ。、
    ・aiやデータが得意とするのは、情報の識別や予測、暗黙知の取り組みも含めた実行過程の自動化。
    ・知覚とは対象の意味を理解すること。自分の周りの環境理解のために知覚情報を統合し、解釈すること。
    ・認知の広さ、明晰さ、深さは、その人の知的経験の深さ、人的な経験の深さ、思索の深さそのものを表している。
    ・地頭の三要素
    異質なものを切り分け、同類のものをグルーピングする力
    構造的にモノを見、複数の次元、階層に分けて多層的、立体的に考える力
    多面的な情報を感じ、意味合いを突き詰める力
    ・人の頭に何かを覚えてもらうにはただ言葉を繰り返すのではなく、既知の何かと関係しているという理解の経験を繰り返す必要がある。
    ・aiの時代に学ぶべきもの
    知的体系の理解
    正しい問を正しいタイミングで投げ込むこと、体系的な知識
    過去の課題に対する問いと答えのコンテキスト

    ・知覚を鍛えるマインドセット
    ハンズオンの経験を大切にする
    言葉数値になっていない世界が大半であることを受け入れること

    ・具体事象に向かうコツ
    1 現象対象を全体として受け止める訓練をする。
    全体の理解、パターン特徴に注目する
    2 複雑な現象の背後にあるルールを構造的に見る訓練をする。
    3 知覚した内容を表現する。表現する過程で知覚と気づきを凝縮する力が高まる。
    4 意図的に多面的に見る訓練をする。一段レベルが上下の構造視点で考えてみる、自分なりの見方のある人違う視点の人の考えをきいてみるなど。
    5 so whatを追求すること。

  • 人生の指針にしたいと思うほど感激した。こういう興奮は久々。

    ●知覚とは
    対象の意味を認識し、理解すること。自分の周りの環境を理解するために知覚情報を統合し、解釈すること。

    ●理解とは
    マイクロレベルでは神経間のつなぎに由来する。つまり、既知の情報と新情報がつなかることが理解。

    ●知覚はなぜ重要か
    「意義のある問を立てる」=「イシューを見極める」ために必須。見極めができるかどうかは、問題の性質と置かれた文脈から問題を正しく理解する深い知覚の力が必要だから。
    イシューを見極めるのがそもそも重要なのは、それこそが人間にしか出せないバリューにつながるものだから。

  • 石川さんとの対談記事をtwitter経由で読んだら紹介されていたので読んだ。

    イシューから始めよ、を補完する内容としてこれも読むべきだと思う。
    マネージャーから口酸っぱく仕事とは問題解決である、と言われる中で疑問だった2点①問題意識はどこから生まれるのか②イシューを分解する力はどうつければいいのかに対する安宅さんの答えがこの論文で出てくる「知覚」ということになるのかなと思った。

    弊社といえば「イノベーションは現場から」が有名だが、ただ現場に行くだけではだめ、そこで何を知覚するのかが核心であると理解した。

  • 知覚という聞き慣れない、かつ抽象概念に感じられる言葉を見事に言語化されており、腑に落ちた。

  • 安宅さん文科省有識者会議資料に掲載されていた記事。

    > AI×データ時代、これまで知的作業といわれてきた多くのものが機械に置き代わる。では、人間がなすべき仕事とは何か。

    まさになテーマ。具体の経験とメタ認知を行き来することがより大切になっていくなあ。

  • 色々と考えを整理できた。

  • 感覚(本書では知覚)と論理(本書では知性)、真逆にすら思われた2つのかなり密接な関係。

    繊細な感性は知性にも繋がるものだと説得力を持って教えてもらったことで、自信を持って、今後も自分の感性を磨いていこうと思えた本でした。

    電子書籍で購入したら短くて驚きました。

  • 知性と知覚を言語化した名著だと思います。

  • AI x データの時代、知的作業の多くが機械に置き代わる。では人間のなすべき仕事とは何か。そもそも知性とは何か、知的作業とは何か。人の思考は情報を処理するだけにとどまらず、そもそも何を「知覚」するかこそ、知性の核心である。知覚とはインプットとも感覚とも異なる概念であり、知覚の質こそが、課題解決の質を決める。豊かな知覚を持ち、課題解決を行うためには、できるだけ多くのファーストハンドな経験を積むべきと説く。

    安宅さんと言えば、経産省の「"シン・ニホン" AIxデータ時代における日本の再生と人材育成」という提言のプレゼンテーションに衝撃を受けた。

    そして、その仕事の進め方について記したベストセラー『イシューからはじめよ』で、ロジカル思考というだけでなく、アウトプットの「絵コンテ」を作るというビジュアルなアプローチが新鮮だった。この論文は『イシューからはじめよ』の続編にも位置づけられよう。

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著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部教授。ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。2016年春より慶応義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。2018年9月より現職。内閣府 総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員、官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) AI技術領域 運営委員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会 副座長なども務める。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版、2010)

「2020年 『シン・ニホン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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