米中戦争前夜――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ [Kindle]

  • ダイヤモンド社 (2017年11月1日発売)
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みんなの感想まとめ

国際関係における米中の緊張をテーマにした本書は、歴史的視点から現代の大国間の力の変化を探求しています。特に「トゥキディデスの罠」に触れ、アメリカと中国の関係がどのように進展しているのかを冷静に分析して...

感想・レビュー・書評

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  •  著者の国際政治学者グレアム・アリソンによる「トゥキディデスの罠」の研究を詳細にまとめてある。この500年間で該当する16例のうち12例が戦争に至ったとのこと。
     覇権国と新興国の「思惑」がぶつかり合う時、緊張状態のなか偶発的な出来事も重なり、戦争が回避不能となる。

     「思惑のぶつかり合い」は「文明の衝突」であり、192頁に比較されている米国と中国の例のように、双方の自己認識や価値観から外交姿勢など双方の相違を理解する必要がある。
     日本人もそろそろ一般レベルで学習する機会を増やす必要があると思う。
     今の時勢を考えるすばらしい一冊だ。

  • ・トゥキディデスの罠は恥ずかしながら知りませんでした。
    ・コロナショックもあり、中国GDPの伸びはさらに予想以上なのではないでしょうか。
    ・ヒラリーさんの「中国が支配する世界で暮らす」は現実的かもですね。
    ・習はジャックマーも支援していたとは。アリババ株様様で含み益中です。
    ・エリックリーのTEDトークをyoutubeで見ました。聡明さが際立ちます。
    ・南シナ海をチェストと囲碁になぞらえた戦略、中国の長期プランを感じさせます。

  • この本も勿論衝撃的だったが、この本の中で紹介されていたEric LeeのTED talks が衝撃的だった。我々も民主主義が最も優れた政治体制がだと勝手に思い込んでいるだけなのか?少なくとも中国共産党政権は日欧米を遥かに凌駕する経済的、軍事的拡大を成功させてきた。間違いなくパワーバランスのシフトと共に世界地図が塗り変わる光景を目の当たりにすることになる。

  • 筆者は特定の対中国戦略には与しない、と言っているが、実質的にはトゥキディデスの罠を通じたメッセージは明白である
    それは「覇権国アメリカは新興国中国にすでに追い抜かれつつある。自国の利益を冷徹に認め、中国と共存し戦争を避ける道を探し続けよ」

    それはつまり中国の主張する、南シナ海、東シナ海にアメリカが影響力を及ぼすな、口を出すな、という主張を認めることでもある。両国の文化は根本的に異なり、中国が民主主義になることはあり得ない。

    本書は右翼にも左翼にもとても厳しい本である。一見すると、大国同士の避けがたいリアリズムを描き、平和主義にしがみついているだけで国益は守れない、と言っているように見える。実際その通りに書いているのだが、しかしこれはアメリカから見た現状分析である。その冷徹な視点において、日本が果たす役割は0どころかマイナスだと評価されている。右翼の「日米安保堅守、自衛隊を軍隊化して国土を守れ」といった主張は、むしろ筆者にとって無益な戦争に巻き込まれる無能な同盟相手、と捉えられている。

    今後の対中国戦争が勃発する場合のケースファイルには、中国の台湾侵略、あるいは尖閣諸島をめぐって日本の過激保守派が中国を刺激する、といったシナリオが含まれている。そのシナリオは筆者が最も避けるべきと考えるものである。


    中国の成長は続かない。
    これは数十年間言われ続けており、現実は真逆に推移している。妥当性の高い推測としては、中国はこれからも成長を続け、一帯一路を推進していく。そして経済成長が続く限り、内部から崩壊することはありえない。

    経済成長がいつか頓挫するときがくるかもしれない。でもそれは10年後か、50年後か、100年後か、だれも知ることはできない。

    そして中国の求めていることも一貫している。中国に敬意を払い、口出しをするな。トゥキディデスの罠を回避しようとするならば、アメリカはこれからも妥協を続けることになる。その結果は、南シナ海や東シナ海での中国の影響力拡大だ。

    さて、この確度の高い近未来において、日本の立ち位置はどこにあるのだろうか…

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著者プロフィール

一九四〇~。ハーバード大学ケネディ行政大学院教授。政治学者。専門は政策決定論、核戦略論。ハーバード大学卒業後、オックスフォード大学で修士号、ハーバード大学で博士号取得。一九七二年から現職。クリントン政権時代に国防総省スタッフとしてウクライナ、ベラルーシなどの核兵器廃棄政策に関与。一九七一年に刊行した『決定の本質』は政策決定論の必読文献。他に『核テロ』、『日・米・ロ新時代へのシナリオ』(共著)。

「2016年 『決定の本質 キューバ・ミサイル危機の分析 第2版(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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