政治的に正しい警察小説 (小学館文庫) [Kindle]

著者 :
  • 小学館
3.43
  • (2)
  • (4)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (266ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 隙間時間を埋めるには良かったかも知れません。

  • 短編6編。ブラックユーモアミステリーとあるが、若干世界観が歪んだお話。

    秘密の海ー虐待されていた男の記憶の中にある、和やかな頃の家族の想い出の海に向かう。
    神を殺した男ー神と崇められた棋士を殺害し、その場で命を絶った男の本当の理由とは。
    推定冤罪ー友人の漫画家が「作品に似ている」という理由で少女殺害の容疑で強要された自供のもと起訴。不起訴になった。
    リビング・ウィルー突然植物状態になった祖父は尊厳死を望んでいたか。
    カレーの女神様ーひっそりとオープンしたカレー屋で男が幼い頃に失踪した母の最後のカレーと同じ味に出会う。その隠し味の正体とは。
    政治的に正しい警察小説ーあらゆる差別を排した警察小説の依頼を受けた意識高い系小説家が書いた小説は…

    読み進むうちに世界がぐにゃりと歪む感じは正直、あまり好みではなかった。
    ブラックユーモアとホラーの境界な感じ。

  • 2020.06.08

    最初の方はまだ面白かったけど標題の「政治的に正しい警察小説」は正直馬鹿にされてる?コメディ?と思ってしまった。
    もっと読み応えのある短編を期待してたから、わりと肩透かしな感じ。
    長編はハズレなしだったので残念。
    次はコクーンを読んでみます。

  • 葉真中顕作品、さっそく2本目。
    全6編から成る短編集で、どれもテイストの違うバラエ
    ティに富んだ内容。ハードボイルドあり、ミステリーあ
    り、ヒューマンドラマあり、と、読むのが楽しい作品。

    完全にツボだったのが後半の2本、「カレーの女神様」
    とタイトルロールの「政治的に正しい警察小説」。分類
    するならどちらもブラックユーモアなのだが、双方が全
    く違うアプローチ。「カレー」は次々変わる語り部でミ
    スリードを誘う巧妙なモノで、「警察小説」に関しては
    小難しい概念を痛烈に皮肉ったハチャメチャな展開をハ
    チャメチャなまま納める、という力技を魅せている。
    共通するのは、読み終わった後にかなりゾッとする、と
    いうところだろうか。

    いやぁ、この作家、思った以上に凄いかも。
    ハードな「絶叫」を読んだ後だから、この本のシニカル
    さがやたら際立つ。葉真中顕の引き出し、もう少しいろ
    んな場所を開いてみたい気がする。

    これは万人にオススメ。短編集らしい短編集をお求めの
    方、ぜひ!

  • しぶい

  • 短編集6編
    どの短編も違った面白さながら,じわっと忍び寄る不安感や不気味さ居心地の悪さが共通していると思った.「リビング・ウィル」の尊厳死を扱ったこのケース,自分だったらと考えさせられました.

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

葉真中顕

1976年東京都生まれ。2013年『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。2019年『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞、第72回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。

「2022年 『ロング・アフタヌーン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

葉真中顕の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×