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感想・レビュー・書評
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下巻では、意外と田中角栄の存在感が薄かった気がする。
多くの部分が児玉誉士夫に割かれていたような気がするし、たぶんそれ以上に昭和の政治史だったのだろう。
印象に残って、ラインを引いたのは次の下り。
「日本の体制の本流といいますか、財界の面においても政界の面においても、本当のエスタブリッシュメントには今回も傷がつかないし、むしろエスタブリッシュメントの外辺の、つまり政治の分野でいえば田中角栄氏的な存在、それから財界でいえば小佐野氏的存在というものを今回の事件は切り捨てて体制全体が生き延びようとしているんだと思います。」
「いったん組織全体が危機にさらされて、その危機にさらされる原因はこれだ、ということになれば、組織はそこを切り捨てて生き延びようとします。」
田中角栄にしろ、児玉誉士夫にしろ、勢力が強いうちはみんな従う。でも、ちょっと旗色が悪くなると、組織と言うのは切り離しにかかる。
ちょっと前に観た映画、『She said』でも、ワレンシュタインという辣腕プロデューサーが、そうやって切り捨てられていったのを思い出した。
田中角栄というと、面倒見がいいとか、多くの子分に銀シャリをくわせることができたなんて、気前の良さで語られがちだけどさ。でも、回収するときは、これほどの大物がそこまでむしりとるか、ということを抵抗なくできていた、なんて話もあった。
それは、崇め奉られた人間が、引きずり降ろされる恐怖を知っているからこそ、なのだろうな。
そこ(てっぺん)にいることが当然ではない人間は、その正当性を常に主張しつづける努力が求められる。その正当性を金で贖うことは、常に金をだしつづけなければならないんだね。
しんどそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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