- 早川書房 (1998年1月31日発売)
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感想 : 4件
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感想・レビュー・書評
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短篇集。
可愛いタイトルだな〜と読みはじめた表題作がシンプルに怖かった…油断した…
収録作の中では「春の滅び」と「朱の檻」、「水の館」が好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
幻想小説の作品集を選ぶのはとても難しい。ぼくの場合いわゆるファンタジーというやつはどうも苦手で、どちらかというと恐怖小説のテイストをもった作家のものを好む傾向にあるようだ。そういう意味ではこの作品集は大ヒットである。妖しい現実の狭間に見え隠れする異界の物語。女性の静かな妄執を語った「をぐり」には男なら誰でもぞっとするだろうし、「春の滅び」に登場する雛人形たちのイメージには、あの日本家屋に染み付いた何か不可思議な業が妙にすっと納得できる。また「骨董屋」は時間という業を見事に描き出した逸品であると感じられた。そして何といってもぼくが気に入ったのは座敷牢をテーマにこの業というものを描いた「朱の檻」である。この物語を読むと幻想小説とはただただ怖いだけではだめなのだということがよく判る。なぜなら、人が恐怖という感情をもっとも強く感じるのは、じつは自分がその異界に魅かれているのだということをほんとうに不意に理解する瞬間だからである。その異界の妖しさゆえ、美しさゆえにそこに足を踏み入れる瞬間にこそ、ほんとうの恐怖がぼくたちのもとに去来するからなのである。
著者プロフィール
皆川博子の作品
