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- / ISBN・EAN: 4548967353297
感想・レビュー・書評
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なんかスゴいらしいぞ、という前評判を聞いて(読んで)鑑賞。噂にたがわぬ作品でした。
人、人、人。
戦場にいる兵士達の数に圧倒された。
海岸線での爆撃シーンはリアルで人々は逃げ惑うでもなくやり過ごしてる感じ。これが「日常」になってるんだ、というこちら側から見た「異常」。そんななかいくつかの「ストーリー」がそれぞれに緊張感をもって描写されていく。やたら不安を煽るBGM が彼らの「生」と「死」を盛り上げる。主演クラスに無名の役者と名のある役者が半分ずつくらい(私が知らなかっただけかもですが)。どうせなら無名の役者さんばかりにすればよかったのに、と思った。
それと知名度の高い監督のはじめての戦争映画、「戦場から逃げる(逃がす)」ストーリーというところからスティーブン・スピルバーグの「プライベート・ライアン」を思い出した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダンケルク撤退戦を描いた戦争映画。
救助を防波堤で待つ兵士たちの「1週間」。民間船で救助に向かう親子の「1日」。敵と闘うイギリス空軍の飛行士の「1時間」。
三層構成で異なる時間を描き、ラストで収斂するというストーリー構造は実にお見事。さすがノーラン監督。
時間の三層構成は「インセプション」を思い浮かべるし、時間のみでいうと「インターステラー」を思い出す。
各所にノーラン監督らしさが滲みでた戦争映画でした。映画としても抜群の出来。映画館でもDVDでも観終えたあとは、しばし映像体験の余韻に浸れる。 -
撤退のみで全編が進行する戦争映画は初めて観た。英国では有名な作戦だったのだろうか。戦史上どういった位置付けなのか知識があればさらに理解ができるのかもしれない。
ナチスに対して旗色は悪く、全編に渡ってネガティブな空気に満ちている。
蹴落としあい、疑いあい生にしがみつく兵士たちの姿が生々しい。
何より印象的だったのは、極限の状況を生き抜き祖国に帰りついた兵士が、撤退したことで自国民になじられるのではないかと怯えているシーンだった。
兵士にとって戦地とは違った地獄がその後の日常にはあるのだろう。
他の戦争映画とは違った観点で戦争の恐ろしさを描いている作品。 -
フランスの海岸ダンケルクからの英国軍撤退を、陸海空の3つの視点から、1週間、1日、1時間と3つのタイムスパンで同時に描いていくというC・ノーラン監督らしい意欲作。それぞれに分断された視点と時間を、観客は俯瞰から把握することができるのだが、これだけ混乱を極める戦場に投げ出された個々人は戦況すら知る術もなく、目前の状況に善処するしかない中で命を落としたりもする。できるだけCGを排除し、実物の戦闘機や船、6千人のエキストラ、65mmIMAXで撮影することで戦争をリアルに伝えようとしているようだが、反面、ストーリーがいまいちなく、ラストの戦意高揚っぽい演出には違和感をおぼえずにはいられなかった。☆3
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説明的なナレーションやセリフが排除され、音楽も無機質な電子音が殆ど。戦争映画なのに非常に静寂な映画。でも、それがなんともいえない恐怖を醸し出すのですね。
海上へ脱出しようとする無名の兵士たち、空から敵を追撃しようとする空軍パイロット、兵士たちを救出しようと船を出す民間人の親子、それぞれの姿が並行して描かれるのですが、その3者がついに交錯するラストは、劇的なものではなく、静かな感動を呼ぶのです。
それにしてもトム・ハーディはいいとこ持ってくなぁ。 -
DUNKIRK
2017年 アメリカ 106分
監督:クリストファー・ノーラン
出演:フィオン・ホワイトヘッド/アナイリン・バーナード/ハリー・スタイルズ/ジャック・ロウデン/トム・ハーディ/マーク・ライランス/トム・グリン=カーニー/バリー・コーガン/ケネス・ブラナー/キリアン・マーフィー
http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/
フランスのダンケルクという港町に追いつめられて取り残された英仏連合軍40万人の兵士を、対岸のイギリスから民間船まで動員して救出しようとした大規模な撤退戦。というザックリした予備知識だけで観ました。
序盤はなかなか状況把握が難しい。民間人は避難したのか空っぽになった町を一人で逃げ惑う兵士トミー(フィオン・ホワイトヘッド)、なんとか辿り着いた砂浜に整列している大勢の兵士たちの光景などはある意味シュール。まるで『インセプション』の夢の中の光景みたいだ。でもこれは現実。
一方対岸のイギリス側からほぼ自主的に救助にむかった民間船のドーソン(マーク・ライランス)、息子のピーター(トム・グリン=カーニー)、友達のジョージ(バリー・コーガン)だが、途中で救助した謎の英国兵士(キリアン・マーフィー)がご乱心でジョージが怪我を負ってしまう。
陸、海、と来てあとは空、英国空軍は救援の船を守るべく敵機と空中戦を繰り広げる。映画館で観たので、単純に映像と音響の迫力には圧倒された。スピットファイアの空中戦には手に汗握るし、先に墜落してドーソンの船に救出されたコリンズ(ジャック・ロウデン)が「撃ち落とせ!ファリア!」と船から応援する場面では、そうやいったれ、マッドマックス!(中の人がトム・ハーディ)と私も心の中で拳を握った。
救援の船が続々到着して兵士たちが手を振る場面はもちろん感動的だし、トミーと偽名ギブソン(アナイリン・バーナード)の友情もいい。ジョージの死を隠すピーターの大人の対応など、少年の成長ドラマの部分も良かった。最初はフランス兵は助けなくていいって言ってたのに、最期に港に残るボルトン海軍中佐(ケネス・ブラナー)もかっこよかった。
だがしかし。これをただの美談で終わらせていいのか、という不安が実は終始自分の中にあって、もちろん感動的な実話だ、でも全員が助かったわけではない、そもそも戦争そのものは美談ではない。日本の映画でも特攻隊ものなどでわりとおぼえる違和感。一人一人の心意気は美しくても、やっぱり戦争はあかんのよ。だから美談で片づけたらあかんのよ。
ラスト、列車で帰還した兵士たち、罵倒されると思っていたら歓迎されて素直に喜ぶ兵士アレックス(ハリー・スタイルズ)と対照的に、新聞に載ったチャーチルの言葉を読み上げるトミーの表情は、けして明るくないように私には見えた。新聞社にジョージのことを記事にしてもらいに行っておきながら、その新聞記事をみつめるピーターの表情もやはり満足そうには見えない。私の気持ちがそうだったからそう思ったのかもしれないけれど、監督はそう描いてくれたのだと個人的には信じたい。この映画の一番素晴らしいところは、ラストでトミーもピーターもけして心の底からハッピーそうではなかったところだと私は思います。 -
「戦闘」ではなく、「撤退」を壮大なスケールで描いている点がまず何より良い。
また、どことなくほのぼのとした空気の下で攻撃がなされ、船が沈没していく場面がリアルだった。そして、たまたま爆撃を受けたいくばくかの兵隊たちが、ほんとうに、死んでいくのだ。 -
ノーラン監督作品 ダンケルク 史実に基づいた作品で
かなり 臨場感ある映像だったのに その歴史的な事を
ほぼ、知らずに観たので内容が最初入ってこなかった
戦争映画と聞いてたから…でも改めて こんな視点から事実を知る 若者たちが似ていて判断つきにくいけど、それが本物なのかも…何とか イギリスの方に帰還する「おかえり」と声をかけられ ジャムトーストや紅茶を振る舞うあたりは イギリスらしく「何もせずに ただ逃げて生きて帰って来ただけだ」と言う青年に「生きて帰って来ただけで十分」と言う目の不自由な老人の言葉に胸を打たれた
闘う兵士 ダンケルクに取り残され 救いを待つ者 何のために闘うのか?ただ、仲間を想う気持ち故郷を想う気持ち 戦争によって歪められた歴史が そこにあった -
ノーラン監督の新作。
.....あぁ、映画館で見ればよかった.....
映像・劇中音楽・シナリオと全て高水準な秀作映画でした!
ちょっと視聴中に登場人物がわからなくなったりしましたが(これは戦争映画によくあるw)、陸・海・空の3つの物語を異なった時間軸でスタートさせ劇中の最後でリンクさせるという展開にはもう胸熱です。
監督は基本CGを使わないで本作を撮影したらしいですが.....いくらかかったんだコレ?
4DXの映画はいくつか視聴したのですが全部「いらない!4DX!」という感想でした。
でもこの映画は....imaxで見たかったなぁ
.....どこかでまだやってないかなぁ.....