6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2017年11月1日発売)
本棚登録 : 21人
感想 : 2件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・電子書籍 (304ページ)
感想・レビュー・書評
-
4人の高校生たちの出会いと別れを描いた群像劇。
全員一見普通の高校生ながら、内面や家庭の事情に歪な部分を抱えた登場人物たち。大人であれば割り切れる、もしくは諦めてしまうような繊細な感情が、高校生らしい語りで綴られている。
もともと文章のテンポに関してはずば抜けた作家さんだが、今作はテーマにこの上なく合致しており、冒頭からぐいぐい引きこまれた。
高校時代などもはや遠いお空の星と変わらぬ彼方にあるが、登場人物たちの歪なピースは自分の中にもまだ残っており、懐かしさと一滴の苦さを思い起こさせた。
レーベル的にラノベではあるが、年齢問わずお薦めできる。
小数点までありなら★3.5。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020/8/9 松本に行く機会があったので再読
思いは言葉にしなければ伝わらない
「好きでもない映画でも猫が死ぬと涙が出るとか、みんなが試験嫌だなあって雰囲気になってると、実はそうでもないのに、そんな気がしてきたりとか、風が気持ちい放課後の教室では、センチメンタルな気分になっちゃうとか、そういう、自分のことなのに自分の意志でコントロールできない気持ちって、本当に自分の気持ちなのかなぁって」
「家はクソだし教室もクソだ。姦しく騒ぐ女子たちの声も、端に身を寄せ合って漫画やゲームの話に興じる芋臭い男どものボソボソした声も、教室の真ん中でことさらに大きな声を出し冗談を飛ばしてクラス中の視線を集めようと必死なお調子者も、部活で活躍するエース級の連中の鼻持ちならない華やいだ雰囲気も、すべてが俺をイラつかせた。
といっても、別にそいつらになにか非があるってわけじゃなく、高校生ってのは基本そういうものだし、それにイラつくのはきっと俺のほうの問題だってそんなことは分かってはいるけれど、問題が分かれば簡単に解消できるのかっていえばそんなこともなく、学校にも家にも居たくない俺は必然的になんか街中のそのへんで時間をつぶすことになる。」
誰もが思うことも思うだけでは消えていく
言葉として並べることで
自分が何を思っているのか何を思っていたのか
それってどういうことなのかだったのか
少しでもわかる
自分でしなくともひとの書いたものでも
良くできたそれはそうだったを思い出させてくれる
青春小説とはそれだ
ひとりでも多くの中高生がこのように優れた作品に触れ
自分を見てからまわりを見てそれを言葉にし
すこしでも悔いのない青春を送ってくれることを
願ってやまない
2019/2/3
4人の高校生の視点から
それぞれのすれ違いや友情と
3年間の成長を描いた青春もの
過剰に冗舌でなく
要点をしぼった描写を上手くつなぎあわせた手腕が光る
松本や安曇野で同じ風景をみたくなる
印象深い作品
大澤めぐみの作品
