アフター・ビットコイン―仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者― [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 日銀出身の決済システムの第一人者である中島真志氏が、ビットコインとブロックチェーンの仕組みと展望について書いた本です。ビットコインを賞賛する側の人たちからしたら、既存の中央銀行側の人間が悪口言ってると感じるかもしれません。
    既に仮想通貨をあまり理解せずに保有している人、仮想通貨に興味はあるけど良くわからないという人はとくに読んでおいた方がいいかと考えます。また、国内外の銀行・証券会社に勤務あるいは投資をしている人も将来何が起こるかを把握する上でも必読の書だと思います。

  • 20210515追記:
    読書を通じて実害を被ることはそうそうないが,この本はそれを引き起こした数くない本.
    ビットコインの周りで起きたビットコインそのものに起因しないネガティブなイベントをビットコインそのもののせいにする印象操作に近いかきっぷり
    そして構造上エンドユーザを搾取する仕組みになっているXRPを支持するようなことを書いている.

    当時無知で無思考だった私はこの本によりビットコインの価値をスルーしXRPという虚無に飛びついてしまった.これは私自身猛省すべきであり,そういう人を生み出さないようにするために追記しようと思った次第.害悪でしかなく焚書にすべき


    ====================================
    評価し直し.

    支離滅裂で論理展開が破綻,ゴリ押し.
    XRP上げ,ビットコイン下げ

    ビットコインそのものと,ビットコインを悪用する人がいることを混合して,ビットコインは悪いと言っている,
    包丁があったら人をさせるからと言って使うなというのか?
    何を言っているか自分の頭で考えないと痛い目にあうなあと学ばせてくれる本


    =========================-
    2017年に一度読んでいるが2度目

    ・ビットコインは落ち目,ブロックチェーンこそ希望
    ・各国のデジタル通貨発行の動き

    というのが主な内容だけど筋が通っているとは思えず無理矢理感がある.
    自分の主張を支持する意見を安易に取り入れているようにもみえフェアさを感じない

    中央銀行や企業のようなアドミニストレータがわざわざブロックチェーンを使う理由ってなんなんだろう.ましてやクローズドブロークチェーンを使うメリットは...?
    中央管理者を置きたいのに”分散型"台帳...?

    だったらクラスター分散で可用性を確保したDBを使えばいいじゃんと思ってしまった

    デジタル法定通貨のメリットってなんだろう.
    ー発行,管理,保管が楽,
    ー(技術的対策を万全に施せば)偽造,不正利用がない
    ー実装次第ではモニタリングできる.マネロン禁止

  • 初めて聞いた頃には意味がわからなかったビットコインのマイニング、中国の企業が大量のパソコンを並べて新規に発行されたビットコインを受け取るってなんじゃそらって感じだった。ビットコインの本質はブロックチェーンと呼ばれる分散化された台帳技術で、一定の取引の塊「ブロック」をつなげた台帳がネットワーク内に同時に多数存在するようになっている。誰かがこの台帳を書き換えようとしても一つのブロックのデータを書き換えると後のブロックに影響してつじつまが合わなくなる。

    新たな取引データが加わるとビットコインの場合は10分おきに新たなブロックが作られる。この時最後のブロックを元に一定の計算により規則性のない固定長のハッシュ値という値が作られる。新しいブロックを作るためにはそのブロックのハッシュ値が「最後のブロックのハッシュ値」+「取引データ」+「使い捨てのナンス値」という複雑な計算の結果最初に一定数のゼロが並ぶという条件を満たす必要があり、このナンス値を探す計算作業がマイニングだ。そして最初にナンス値を探し当てた参加者に報酬として新規のビットコインが渡される。過去のブロックを改ざんしようとすると続く全てのブロックのハッシュ値が変わってしまうというのが台帳の信頼性を担保している。また10分おきに新たなブロックが作られることで台帳の安全性は確認され続ける。

    よくできた仕組みだがビットコインが既存の貨幣を置き換えるには無理がある。まず10分間の取引件数が4200件を超えると承認が間に合わず取引が遅れ始める。ビットコインのウォレットは世界に1600万個あるというが実際にビットコインを保有しているのは10万人程度らしい。全体の1%以下の参加者が90%以上のビットコインを保有している。またビットコインのマイニング13社のうち10社が中国企業で安い電気料金を生かして寡占化しており上位2社が中国の5割、全世界の1/3のシェアを持つ。

    さらに本質的な問題としてはビットコインの発行上限がある。無限に発行を続けるとインフレが避けられないためあらかじめ発行上限が決められており、2017年8月に79%が発行済みだ。そうすると今度はマイニングの報酬が限られてくる。インフレにせよ報酬の減額にせよマイニング=新しい取引の承認作業が割りに合わなくなり取引できなくなった通貨は価値を下げるしかなくなる。

    ブロックチェーン技術に関してはさらに発展が見込まれている。中央銀行が中心となった電子通貨は今後拡がっていくだろう。マイニングは報酬ではなく費用として受益者が負担することになる。また国際送金や証券取引でブロックチェーンによる効率化が期待されている。クロスボーダー取引には中央銀行が存在しないためSWIFTのネットワークで送金メッセージをやり取りしている。相互に口座を開設しているコルレス関係にある銀行間取引であれば比較的簡単に送金が行われるが、そうでない場合は中継銀行を挟んだ送金となるため手数料も高くなり、確認作業の為時間もかかる。これに対しブロックチェーンを使ったリアルタイム国際送金の仕組みが開発されようとしている。また証券取引では証券の引き渡しと送金がワンセットで完結する実験が進んでいる。

    将来的には中央銀行が中心となった電子通貨と国際的なネットワークが繋がり輸出業務が誰にでもできるようになるかもと思えるのだ。

  • マネーフォワードの瀧氏がなにかのインタビューで勧めていたのが気になり購入したが、あまり印象に残らなかった。

  • 今読むと大変に味わい深い本。仮想通貨バブルをかなり冷静に見ていて、市場は概ね筆者の予想通りの変遷を辿ったと見ていいと思う。

    多少ポジショントーク感はあったけど、それでも仮想通貨及びブロックチェーン技術に対する正しい知識と理解があるだけにその見通しは大変に参考になりました。

    バブルは崩壊したけれど、幻滅の谷に落ちてからがある意味スタート。何よりBTC、ETH、XRPあたりは周辺プレイヤーに優秀な人が面白い事業をいくつも立ち上がっているので、割と先行きは明るいと個人的に思っています。

  • 電子通貨やブロックチェーンの仕組みについて分かりやすく解説。特に、各国の中央銀行のブロックチェーンへの取り組みに関する記載はとても役に立った。
    と言うか、結構前から主要国ではブロックチェーンの様々な実験がなされていた事を知らない自分は、まだまだ勉強が足らないと反省。

  • 仮想通貨・ビットコイン・ブロックチェーンなど、仮想通貨まわりの概念や思想、技術について分かりやすく概要をつかむことができて良かった。

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著者プロフィール

中島 真志(ナカジマ マサシ)
麗澤大学経済学部教授
1958年生まれ。日本銀行を経て、現在、麗澤大学経済学部教授。

「2023年 『金融読本(第32版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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