ベイビー・ドライバー [DVD]

監督 : エドガー・ライト 
出演 : アンセル・エルゴート  リリー・ジェームズ  ケヴィン・スペイシー  ジェイミー・フォックス  ジョン・ハム  エイザ・ゴンザレス 
  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
3.64
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感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462115218

感想・レビュー・書評

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  • 『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト監督の青春カーアクション。
    主役の‘ベイビー’ことアンセル・エルゴートが魅力的。
    100回ぐらい「かわいー♪」と思った。
    ベイビーフェイスな地味顔で、今まで「何故、この普通の男の子が全米女子のハートをつかんだんだ?」と疑問だったけど。その普通の男の子っぽさが良いんだね、たぶん。
    ボーイ・ネクスト・ドア、となりに住む幼馴染みみたいで。
    ヒロインのリリー・ジェイムスも安定のキュートさ。
    この作品が‘カーアクション版『ラ・ラ・ランド』と言われてしまったのは彼女とエマ・ストーンのお顔のタイプが似てたから?
    映像と音楽がリンクするシーンはワクワクしてしまう。
    音楽が手放せない‘ベイビー’とベイビーのお世話役だった聾唖で車イスの黒人のおじいちゃんの関係もフラットで素敵。

    大抵の人は「いいひとそう」という感想を抱くであろうアンセル君ありきの映画。

  • 作品そのものをノーチェックで、レンタルDVDについてた予告編で知った『ベイビードライバー』。
    エドガーライトはタラちゃんと仲が良いそうで(グラインドハウスの予告編にも参加してたね)、イギリスから来たタラちゃんの弟分みたいな感じ。

    「運び屋の凄腕ドライバーの話」というと、ウォルターヒルの『ザ ドライバー』が有名だけど、この映画はやっぱりそれに対するオマージュ作品。
    やはり『ザ ドライバー』に影響を受けた作品というと、レフン監督の『ドライヴ』が面白かったしヒットしましたね。エドガーライトは先にやられて悔しかったんじゃないの?っていつも思います。同様に、ジムジャームッシュの『ゴーストドッグ』や、『チャーリーズエンジェル』なんかに対抗してタラちゃんが『キルビル』作ったんじゃねえの?とか、勝手に妄想。

    レフン監督の『ドライヴ』と違うのは、エドガーライトらしく音楽がテーマになってるところ、ある意味ミュージカル映画になってる点。
    カーチェイスがあって音楽がテーマのミュージカル映画、というとやっぱり『ブルースブラザーズ』かなと。

    こういう映画の落とし所、オチのつけ方ってだいたい2パターン。ひとつは逃げ切ってハッピーエンド。もうひとつは、70年代のカーアクション、アメリカンニューシネマよろしく主人公たちが死ぬ、あるいは蜂の巣にされるというバッドエンド。
    で、どうすんのかな〜?と思って観てたんだけど、第3のパターンのオチのつけ方だったので、これが良かったです。
    この第3パターンのオチも『ブルースブラザーズ』っぽいなーと感じました。要するに、看守役でカメオ出演してるジョンスペンサーが、『ブルースブラザーズ』のジョーウォルシュに近い立ち位置だなとか笑。

    などと勝手に思ってるだけだけど、宇多さんのラジオなんかではもしかしてそのことにも触れてるかもしれないですね。私は聴いてないからわかんないけど、皆さんチェックしてみてください。ライムスターは『ブルースブラザーズ』で使われた曲をサンプリングしてるしね。

    「耳鳴りを止めるために音楽を常に聴いている」という設定、以前ためしてガッテンで「耳鳴りは無音状態でなる」ってやってたので、これはちゃんと科学的根拠があるみたいですね。

    使用楽曲については、私はエドガーライト監督とあんまり趣味が合わないというか、ちょっとズレてるんですよね。ベックのデブラって曲がフィーチャーされてるけど、私が好きなのはその前のアルバムまでで、デブラが入ってる『ミッドナイトバルチャーズ』は持ってるけど興味が失せてあんまり聴いてなかったりだとか。
    それと、「あんたクイーンどんだけ好きなんだよw」とかですね。
    面白かったのはダムドの『ニートニートニート』のとこらへん。(最近、ダムドのドキュメンタリー映画を観たから。)

    私が好きな音楽の使い方をしてる映画は、ウェスアンダーソンの『ザ ロイヤルテネンバウムズ』とか、あとお仲間のノアバームバック作品とか。
    で、人間ってのは趣味が違うのは当然なんだから「ちょっとズレてる」って方が、逆に「聴こうかな」ってなりますね。そういうとこ大事だと思う。

    あと、エドガーライト監督はスパークスの映画を撮るらしい。ダムドとスパークスって時期的にだいたい同じぐらい?あーそのぐらいの世代なのねって思う。スパークスの映画、観たいので期待しています。

  • 主人公のベイビーがいろんな曲をipodで聞いてて、その曲にのって場面が展開される。テンポよく、設定も良く、新しいミュージカルのような楽しい気分で見始めるのだが。

    途中からB級映画っぽいバイオレントの応酬で終わる。

    このB級っぽいストーリーをきちんと覚悟して観ていたかどうかによって評価が分かれそう。

    とにかく後半は人が死にまくる。
    誰が悪者で誰が善人かなんてどっかへ行って、とにかく生き残るために、アクションの為に場面が展開される。
    殺されるギャング仲間、そんなに悪いかな?と思ってても、主人公はためらいもなく殺す。

    タランティーノの映画や、タランティーノの好きなB級映画のようなテイストで観ればよいのかなと途中から思い始めたのだけど。ちょっと気付くのが遅かったかな。

    自分にとっては、ベイビーが良い人として描かれ過ぎなのかもしれない。
    ベイビーかわいそうな良い子という設定がだんだん怪しくなってきて、「割と凶暴な小動物じゃん」って気分に。巻き込まれて死んでいくギャングたちがかわいそうになったり。

    もっと陰影の濃い影の多い劇画っぽい絵柄にしてもらったら、しっくりきたかも。
    ピンクっぽいイメージでちょっとおしゃれな映画だと思っていたので。

    音楽はダムドのニートニートニートがよかった。
    ダムドは1stがかっこよい。

  • 天才的なドライビング・センスを買われ、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、“ベイビー”(アンセル・エルゴート)。そんな彼が最高のテクニックを発揮するための小道具は、完璧なプレイリストが揃っているiPodだった。
    子供の頃の事故の後遺症で耳鳴りが激しい“ベイビー”だったが、音楽にノって外界から完璧に遮断されると耳鳴りは消え、イカれたドライバーへと覚醒する。
    だがある日、運命の女性デボラ(リリー・ジェームズ)と出会った彼は、犯罪現場から足を洗うことを決意。
    ところが彼の才能を惜しむ組織のボス(ケヴィン・スペイシー)にデボラの存在を嗅ぎ付けられ、“ベイビー”は無謀な強盗に手を貸すことになる……。
    「ホットファズ俺たちスーパーポリスメン」などでエッジの効いた語り口とひねりの効いたユーモアと過激なバイオレンスで多くの映画ファンを持つエドガー・ライト監督が、ハリウッド本格進出した痛快カーアクション映画。
    「きっと、星のせいじゃない」での役所のような心優しいところだけでなく、クールでミステリアスなかっこよさのある「ベイビー」を演じきるアンセル・エルゴート、ベイビーの運命の人でキュートでピュアな魅力のあるデボラを演じるリリー・ジェームズのピュアな魅力、短気で凶暴なバッツ(ジェイミー・フォックス)や凶暴なバディとダーリンの極悪カップルやクールで非情だがベイビーには親心を見せるドクやベイビーの心優しい養父など魅力的なキャラクター。
    冒頭の「ベルボトムズ」のビートに載せた怒涛のカーチェイスや「テキーラ」のビートと銃声のリズムがシンクロした過激な銃撃戦など、クールな60年代R&Bと過激なカーチェイスやアクションシーンがシンクロする痛快なアクションシーンの数々。
    事故による耳鳴りなどが原因で音楽を唯一の慰めにして心を閉ざしていたベイビーが、運命の人デボラとの出会いをきっかけに、新しい未来を手に入れるために悪戦苦闘する青春模様。音楽ネタ満載のユーモラスな会話。クールで痛快な青春ノワール映画です。

  • エドガー・ライト監督のベイビー・ドライバー。
    楽しみに見た。

    最初の10分のカーアクションと音楽と計算された演出に
    思わずニンマリ。残りの時間への期待はかなりあげます。
    やまさかはあったものの、見てよかったという結論。

    あまり色々聞かないで見た方がよいと思います。
    以下、ネタバレとまでは行かなくとも予告以上のものに触れますので
    ご注意を。

    まず!エドガーライト監督作品ですがコメディ色はほとんどありません。
    監督の持っている別の側面のシニカルさがググッと前面に。
    予告や特報は間違ってはいないけれど本編はけっこうハードです。
    ケビン・スペイシーはハウスオブカード並みにクールで非道でしたし。

    ベイビー・ドライバー=
    (ゴズリングのドライブ + 悪の法則)×エージェント・ウルトラ
    それに音楽はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー風味って感じかな。
    わかりずらいな。w

  • 音楽が物語の基本骨格になっているからノリが良くて面白いよね。
    アンセル君も売れっ子だなぁ〜若いけどいい役者だよな〜「きっと星のせいじゃない」はとても良かったです。
    しかしとってもキュートな作品ですね。観ていて楽しくなってくる。
    ジョンハムのデコのシワが凄い(笑)
    ジョンバーンサルはチョイ役みたいだが、最近悪役で活躍してますね。
    初めから終わりまで音楽がこの作品を盛り上げに盛り上げてて観ていてとても楽しいです。良いラブストーリーですね(^^)

  • これはすごい!! 
    音楽とシンクロさせて長回しするシーン、素晴らしい!!
    銃撃戦でもBGMとマッチ!  車や小さな小道具一つから映像も綺麗で豪快で、そこに美学すらあるような気がした。

    内容に深みが足らないという指摘も出てきそうだが、アトランタを舞台にした物語であそこまで暴れたらケジメをつけるというオチで全然ありだと思った。
    あんなに街中でカーアクションを展開できるように全面協力したアトランタ州もすごいし、撮影も本当にすごいと思う。

    主人公の設定も面白い(両親を車の事故で失い、耳鳴りがしててiPodの音楽をいつも聞いてて、仕事は危ない車のドライバー)し、何気に脇役にみた事ある俳優陣も豪華。
    (ちなみに、主人公は今アメリカでティーンエイジャーにすごく人気のイケメン俳優らしい)

    一度は観といて損はない映画だと思う。

  • BS朝日録画>ん~~~~いまいちやっぱ悪事を働いてきた者がハッピーエンドになって終わるってのが汗…何かいつも納得いかんような気も。。
    まぁこちらはちゃんとムショに入って刑期を全うし終え…ってなENDなんだけども(;^ω^)。。何だかなぁ~~。。
    撮り方(映像)もカラフルでMV(ミュージックビデオ)的に割と凝ってる。
    軽快な音楽に乗せて、車アクション場面は迫力で面白い。
    タラちゃん作品(「デス・プルーフ~」の様なちょっと凝った撮り方とかポップな音楽に合わせて…とかとか。)とちょいちょい似てるね。
    タラ監督音楽チョイスの方が断然イケてるので好きだけどもww。。(「パルプ・フィクション」最高☆「レザボア・ドッグス」)
    ジェイミー・フォックス(バッツ)の頭がキレるイカれた野郎キャラ、インパクト大だったww
    K.スペイシーの胡散臭い悪役ボスは相変らず安定印ww

  • Netflixで鑑賞
    デボラ〜♪ゼブラ〜♪が頭から離れない
    ドライブアクションのシーンでは主役のベイビーが聴いている音楽と絶妙に合わせて繰り広げられるので爽快感が抜群
    サントラでもシーンを頭の中で再生しながら繰り返し聞ける
    若干終幕には不完全燃焼な後味があるが夜になんとなく見て楽しめる良作

  • 鑑賞した即日感想を書いてはいけない、と自戒した。
    音と動きの快楽(すなわち演出)に惑わされて筋(の正当性)を見失ってしまうのではないかと危惧したからだ。
    一週間以上置いて、しかしあの快感は不可逆のものとして躰に染み通ってしまった。酒のように麻薬のように性のように。
    ここまで来れば「ミュージカルアクション」の面には100点。もはや冒頭だけでイける。
    アクションはカーチェイスだけではない、ベイビーを演じたアンセル・エルゴートくんの190センチを活かして、序盤、軽快な歩み、後半、走りを描く。
    この後半の横移動は、「汚れた血」のドニ・ラヴァン演じるアレックスのアクションを超えた、と感じ入っていたところ、「映画ムダ話」の町山さんも似たことを言っていて、むふふ。

    このへんで、冷静になってみて筋を振り返ってみる。
    ゲッタウェイドライバーのベイビーは一貫して、末端にいるからと(暴力事件に加担しつつ)暴力行為そのものからは目を背けてきた。
    襲撃場面、無駄に5メートルほど前進して、音だけウヒャーアレーボコボコ、すぐに10メートル後退して実行部隊を回収して走り去る、という場面に現れている。
    暴力を見たくない……視聴者にその場面を見せない……というメタ視点。
    若干の諧謔を感じるところでもあるが、基本的にベイビーは「優しい」のだ。
    しかし役目を果たしたからといってすんなりと娑婆に戻れる業界ではない、暴力は彼の日常を囲い込む。
    彼の優しさは「甘さ」でもある。(この甘ったるさ……「灰とダイヤモンド」のマチェクもベイビーに似た服を着ていたなー、と連想。)
    甘ったるい優しさをよしとしない暴力的な実行部隊は、結果的に彼が愛する養父を、そして恋人になんなんとする彼女を、きなくさい状況に追いこむ。

    作劇上たくみ(すぎる!)なのは、登場する年上の男がすべてベイビーにとっての「父的な存在」である点だ。
    実の父、養父、暴力そのものの男は父の繰り返し、最終的に対立する奥行きのある男は、理解的な父のうちの乗り越えるべき部分……と。
    そしてまた女性にとってどう受け止められるのかはわからないが、思慕の対象そのものの母、母の歌っていた歌を歌う同年代の少女、銀行で優しくしてくれたおばちゃんにもどこかしら母を重ねてしまう……と。
    ベイビーは名前の通り坊やで、時間は父母が事故死した瞬間に止まっている、歪みとも病とも言えるパーソナリティーの持ち主なのだ、と映画が終盤に行くに連れて原因が仄見えてくる作りも、憎いね。
    そのころにはベイビーの、歪みや幼さや怖さや拙さが、もう他人事ではなくなっている。つまり好きになっている。(というかキャラクター全員、いい)
    (個人的には、耳鳴りを抑える音楽を聴き続けなければいけない、という設定が、もう設定のための設定に感じられなくなってしまった、そのへんが好きになったポイント。だってアイフォンじゃなくってアイポッドクラシックなんだよ!?数年前の自分を見るようだ。なおかつパソコンなんかない生活のベイビー、泥棒した車に偶然あったアイポッドが音楽の源なんだろう。だからデボラに対して、Tレックスをトレックスとか言っちゃう。あー友達と音楽の話なんかしたことないんだろうなー、というか友達もいないんだろうなー、ていうか学校教育自体をまともに受けられなかったんじゃないかなー、と可哀そうに=愛おしくなってしまうのだ。)
    また作中で言及される「ボニーとクライド」(「俺たちに明日はない」)や「ロミオとジュリエット」も、前者がバディとダーリン、後者がベイビーとデボラ、という構図も、よい。元ネタももちろん好きだが、さらに本作に膨らみを持たせて、豊饒な感情を齎してくれる。正しい映画的記憶の引きずり出し方。

    そんな眼の快楽と感情の振幅を体験させてもらった挙句、「住む世界が違う」と恋人に告げて自首するところ……むしろこの堅実さ、爽快感ですべてを終えてしまわない誠実さに、ぐっとくる。
    というのも、ベイビーの「暴力から目を逸らす傾向」を、唐突に裏切る場面がふたつある。
    ひとつはバッツを(どんだけ粗野な人間だからとはいえ、野放しにすればデボラに害を及ぼしそうとはいえ)建築資材の串刺しにするところ(その残虐さと突発性)。
    ふたつめはバディに発砲するところ。
    どちらも追い詰められてとっさにとはいえ、ベイビーの選択的な行動なのだ。
    鑑賞後スカッとさわやか!その代わり数日後には忘れてしまう!という映画では、この「落とし前」を意図的に描かない(「ダイ・ハード」とか)。
    あるいは蜂の巣にされて暗澹というタイプもある(「俺たちに明日はない」「明日に向って撃て!」とか)。
    本作では、自首する。自ら。刑は重くはない。彼の生来の優しさに同情する人々(の優しさ)。務め上げる。病を器質的に治療する。年月を置く。そして……というハッピーエンドは、もう「本当の意味でのハッピーエンド」じゃないか。
    あまりに聖母すぎるんじゃねー、という批判は、わからないでもない。
    しかし今は、というか未来永劫、デボラがデッカい車を横付けして、ブットい太ももを露わにして、待ってたよと笑いかけてくれる幸福に、ベイビーと一緒に浸りたいのだ。

    エドガー・ライトは「ショーン・オブ・ザ・デッド」でも「ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!」でも、あー本当なら大好きなはずなのにどこか合わないなーと自らに落胆させられてきた監督だが、本作では、もう、快楽と感動と、どちらも味わわせてくれて、感謝!

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