藪医 ふらここ堂 (講談社文庫) [Kindle]

  • 講談社 (2017年11月15日発売)
3.50
  • (1)
  • (5)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 22
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・電子書籍 (343ページ)

みんなの感想まとめ

人情味溢れる下町を舞台に、怠け者の小児医が織り成すドタバタ劇が描かれています。主人公の三哲は、面倒臭がりながらも実は凄腕の医師で、彼の診療所「ふらここ堂」には個性豊かなキャラクターたちが集います。娘の...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 江戸・神田三河町で小児医を営む天野三哲は、「面倒臭ぇ」を連発するものぐさ者で、身だしなみは乱れてるし、朝寝坊しては患者を平気で待たせ、面倒な患者(やその親)が来院すると逃げ出してしまうなど、悪評高い薮医だ(三哲は、いざとなれば的確な措置を施すことができる凄腕医師なのだが、敢えて薮医者然としている節がある)。なので三哲の診療所は、人呼んで「藪のふらここ堂」(診療所の庭にはふらここ(ぶらんこ)がある)。

    三哲の周りには、娘のおゆん、押しかけ弟子の次郎助、次郎助の母親・お安、凄腕の産婆・お亀婆さんらが屯していて、日々話題には事欠かない。おゆんは人見知りで奥手、次郎助は直情径行の単細胞、お安は面倒見のいいお節介おばさん(おゆんの母親代わり)、お亀婆さんは兎に角しわい。

    こんなふらここ堂に物静かなイケメンの薬種商手代・佐吉(元御家人)とその子・勇太が出入りするようになったことから、老女二人による恋の鞘当てが始まる。三哲の身にも突然奥医師拝命騒動が勃発。患者が押しかけるようになってふらここ堂はてんやわんや。てな感じのドタバタ時代小説。

    人情味溢れる下町ストーリーではあるのだが、個性派キャラ達に今一馴染めないまま読み終わってしまった。お亀婆、しわすぎて癪に障るし、佐吉を巡るお亀婆とお安の争いも醜い。次郎助の不器用さやおゆんの鈍さもなあ。傍若無人で我が儘に振る舞いつつ、ちゃっかり人情溢れる裏工作を行う三哲のキャラもちぐはぐだし。要するに、感情移入したくなるキャラがいなかったってことかな。

    久坂部羊氏の解説によれば、「実はこの三哲、実在のモデルがいる。江戸時代の中期、第九代将軍家重に拝謁し、西之丸奥医師を拝命した篠崎三徹がそれで、同時代の講釈師、馬場文耕の『当世武野俗談』によると、どんな病人にも同じ薬を出すのに、評判がよくて、大勢患者が押し寄せたように書かれている(『当世武野俗談』の表記は「篠崎三哲」)」のだという。市井の名医といったところなのかか。医師免許などない時代に、名医に巡り会うのはさぞかし難しかっただろうなあ。

    • norisukeさん
      こちらこそ、ヨロシクです。
      こちらこそ、ヨロシクです。
      2022/05/08
  • (kindle unlimited利用)
    いい加減な医者と見せて実は隠れた名医という時代小説によくあるパターンではある。恋愛模様も最終的には身近なところに落ち着くという青い鳥パターン。ただ、朝井まかての小説にはまじめさが潜む。久坂部羊氏の解説によれば医療面でも見るべき内容があるようだ。参考文献も見てもなかなかちゃんとしているみたいだ。

  • 三哲は、子ども専門に開業している小児医である。おゆんはその娘。毎朝三哲を起こすのに苦労している。患者が待っていても平気で朝寝したり、湯屋に行ったりする三哲である。そんな三哲とおゆんが暮らす家が「ふらここ堂」だ。おゆんが小さな時に、山桃の木に三哲がふらここ(ブランコ)を取り付けたので、それが家の名前代わりになっている。下町の人情と当時の医療事情が分かる小説だ。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朝井まかての作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×