神様のカルテ0 (小学館文庫) [Kindle]

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  • 小学館
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感想・レビュー・書評

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  •  今までのシリーズ作とは少し異なった目線で描かれた物語が読める一冊です。

     進藤の目線で語られる学生時代の仲間たち、大蔵省・金庫番と言われる事務長と大狸先生の交感、悩める新人研修医時代の栗原、厳しい冬山で登山者が見た榛名の生き方、どれもこれもが静かに緩やかに絡んで、これがシリーズの一作目につながっていくのだと感じさせられる短編集でした。
     どれも、厳しく、颯爽として美しい、信州の山々を感じさせるお話です。読後感がとても爽やかでした。
     シリーズを通して思うのは、高く聳える山々の美しさと、そこに抱かれて暮らす人々のあたたかさです。読めば読むほど、作者様がこの地を愛しておられるのが伝わる気がします。
     今回のお話は短編集でしたが、とても大切なことがたくさん散りばめられていたように思います。物語として大切なことなのではなく、一人の人として。
     生きていくこと。本を読むということ。何かを大切に想うこと。誰かの心情を想像すること。
     何気ない一文、何気ない会話のあちこちに、取りこぼしたくない大切なことがたくさん書かれていて、すっと背を正したくなる瞬間が何度もありました。

     今回、オーディブルで視聴しての読了でしたが、耳で聴くだけではもったいない。この一冊は、手元において、何度も読んでいきたいと思います。

  • 読了後の爽快感が素晴らしかった!

  • 最近は、シリーズの途中までしか読んでいなかった作品を最初から最後まで読み倒しています。
    10年ほど前に読んで以来の再読となる、神様のカルテシリーズ第4弾にして、原点となる作品。
    一止が本庄病院を選んだ理由や、
    一止の研修医時代の大狸先生とのやりとり、
    「神様のカルテ」の意味が凄く良かった。
    ハルの山岳写真家としての顔も初めてちゃんと見れた気がして新鮮だった!

    お次はいよいよ新章。楽しみ!

  • 今回は涙は出ずさらっと読み終わってしまいましたが、生きる理由や帰る場所、本を読む事など、色々な名言が勉強になりました。読んで良かったです。

  • 久しぶりに神様のカルテ。主人公の学生時代から研修医になりたての頃の話。文書上手になったな。神様のカルテの意味に触れられていて、初めてわかった。今までのより、格段に面白かったよ。

  • タイトルからも分かるように、『神様のカルテ』シリーズの1作目よりも
    さらに以前のお話。
    一止の医学生時代、研修医時代、一止周辺の人達のお話、そして・・・
    恋人時代のハルさんのお話が描かれている。
    一止とハルのお話(馴れ初めとかね)ではないのが少し残念な気もするけど、
    このシリーズの全体的な空気感を考慮するとこれくらいになるのかな。

    医者たち、医者を目指すものたち、医療に関わる者たち、医療に関わる人の
    側にいる人達の、それぞれの生への考え方がしっかりと強く表現されていて
    とても読み応えがあったな。

    長いこと文庫にもKindleにもなっていなかったこのシリーズが一気に
    そうなったけど、今後また新たな展開でもあるのかな!?
    期待しておこうかね。

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は10年に本屋大賞第2位となり、11年には映画化もされた。著書に『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』『新章 神様のカルテ』『本を守ろうとする猫の話』『始まりの木』『臨床の砦』『レッドゾーン』など。

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