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感想・レビュー・書評
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朝鮮半島の思想史についての概説であるが、筆者の博学には恐れ入るばかりである。古代から現代にいたるまでの朝鮮半島に繰り広げられた思想の歴史が通史として述べられている。隣国の精神史を知る上では入門書であり、ガイドブックでもある。
現在、日韓関係はかなり悪化しており、深刻な社会問題になっている。いわゆる嫌韓の気風が蔓延しつつあるが、それにはほとんど根拠がなく、感情的なものでさえない。いって見ればブームのようなものだろう。だからテレビのどのチャンネルにも韓国ドラマはあるし、K-popアイドルは若者の心をつかんでいる。嫌いになる根拠がないので実は嫌いでもないのだ。よく分からない相手なのである。断交を訴える人の多くも根拠薄弱だ。あたかも韓国と断交しても日本がこのままの平和なり経済状況を保てるかのように言っているがそれこそ我が国の不利益を招く要因だ。愛国者ではないことは確かである。
さて、朝鮮の思想史を本書でうかがうに抽象的な議論にここまで命を懸けて固執することに驚きを隠せない。政治的な停滞を招いて、時には国力を衰退させた思想的対立を永遠と繰り返してきたのはなぜなのか。また朱子学の理論になぜ書くまでのめり込んだのか。あれだけ格差社会を長く続けながら儒学的な道徳心を尊び、今でもそれを底流にもっているのはなぜか。反日的な文脈になると国民が同じ方向を向いてしまうのはなぜか。そういったことを考えるきっかけになる内容であふれている。
私たちは隣国についてあまりにも知らなすぎる。単なる好き嫌いではなく、冷静にその歴史を知り、国民性をしることが必要であると感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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