「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 深センで2001年からハードウェアを作り続けている人の本。ちょうどキャリアが深センが激変していく時期と一致するため、スタートアップの地としての深センの生き字引的な人である。深センで製造したいと考えている人は読んでおきたい。

    なぜ深センにスタートアップが集まるのか、その経緯がわかるのが良い。それとともに、深センでモノづくりをしようというのなら、どういったリスクがあるのかも少し見えてくる。いくら量産が簡単になったとは言っても、細かく現場を管理していかないといけないことがよく分かる。

    Amazonで似たような製品が複数のメーカーから発売しているなと以前から思っていたが、その理由がこれを読んでわかった。似たような、ではなく同じと考えた方が適切なようだ。ただ、金のあるメーカーは内部を改造したりしているので、結局は信頼できるメーカーの製品を買うのが正解のようだ。

  • 単身、深センに乗り込んでジェネシスというEMS(電子機器受託製造)会社を立ち上げた藤岡さんの書かれた本です。

    如何にして深センは、「ハードウェアのシリコンバレー」と言われるまでに発展したのかについて、深センでずっと仕事をしてきたからこそ分かる視点で書かれています。

    深センのものづくりエコシステムは、多くの部品メーカーや製造工場だけで成り立っていません。
    デザインハウスが誰でも作れるリファレンスデザインを提供しているからこそ成り立っています。
    そのようなエコシステムだからこそものづくりがスピーディーに行えることが理解できました。

    藤岡さんも言っているように「サービスやソフトウェアが差別化ポイント」です。

    ハードウェア製造の厄介さから解放されて、差別化ポイントを重点的に考える為にも、深センという街はものづくりにとって魅力な場所であると感じました。

    今、衰退の一途をたどると言われている日本のものづくり。ただ、深センに追い付こうとするだけでなく、深センをうまく活用する事を考えるのも日本を発展させる方法の1つのかもしれませんね。

  • 深圳で電機メーカーを経営する藤岡さんの本。帯に「たった一人で深圳へ乗り込んだ、若き経営者の10年奮闘記」とあるように、藤岡さんが深圳で起業するに至る経緯から、深圳での工場経営の苦労など、まさに半生記として記されている。現地で社員を雇用して工場運営する上で身についていった深センの文化などもよくわかる。

    日本のハードウェア・スタートアップも、量産を深センでする場合が増えているが、量産するときに単に単価の安い工場として深センを使ってもダメで、エコシステムに上手く乗らなければいけない、ということがよくわかる。

    ニコ技深センツアーで藤岡さんの会社「JENESIS」の工場見学に行ったときにもお話しを伺ってとても興味深かったのだが、この書籍ではその興味深い話がより凝縮されて余すところなく書き記されている。

    --
    有象無象の会社を知っているだけでは役にたたない。どの企業が信頼がおける会社なのかを知り、彼らと表面上ではなくビジネスの付き合いができるようになって初めてネットワークを作ったと言える。
    お年玉を貯めてこの商品を買ってくれた中学生はがっかりしないだろうか
    モデルとなったのは秋葉原の電気街
    海賊版を作っていた会社と展示会で商談
    初めてハードウェア製造に挑むスタートアップ企業は私の提案を受け入れないことが多い。
    小ロットでも低コスト短納期の開発製造が可能な点が深圳の魅力だが、ひとたびエコシステムから外れると、こうしたメリットは一気に減じてしまう。
    ハードウェアの性能は必要最小限に抑えること
    クラウド側でできること(クラウドコンピューティング、ストレージ)はクラウド側に全部やらせるべき
    繁忙期である旧正月前の3ヶ月間は避けてほしい
    世界に1つしか存在できない、稀有な場所が深圳

  • 中国に対する認識の誤りに気づかせてもらいました。
    この本の内容がすべてではないでしょうが、1つの現実を知れたと思います。

  • シリコンバレーと言いながら、深圳の中身はアメリカと全く別物なんだなぁ。
    一言で言えば、スピード現金命だろうか?
    「信用」という言葉の意味が全く日本と違う。
    良い悪いの問題ではなく、生き残ったもの勝ちなんだろう。
    日本が生き残るためにはどうしたら良いんだろう?

  •  深圳は香港に隣接し、経済特区として急激に発展したことで知られる都市だ。ちょうど本書が発行された直後ぐらいに深圳を訪れた日本の若者がネット上に書いた記事が注目を集めた(現代ビジネス「日本が中国に完敗した今、26歳の私が全てのオッサンに言いたいこと」)。中国をよく知る人々の間でも評価が別れた記事だが、さすがにわずか数日滞在しただけではその奥深くまで理解することはできないだろう。

     私自身も広州に住んでいた頃は仕事で何度か深圳に行っている。ただし本書にあるような「ハードウェアのシリコンバレー」と呼ばれる電子機器関連の工場や店舗の多いエリアにはあまり行かなかったので、いわば深圳の真髄には触れることができなかった。

     本書の著者は2001年から深圳で電子機器の製造業に従事し、現地で独立起業して社長になった人物だ。深圳に住み、深圳のエコシステムの内側に入り込んで成功しており、ガイドとしては申し分ないだろう。著者が深圳で事業を展開してきた経緯に沿って深圳のなんたるかを解き明かしていく。

     あくまでも一人のビジネスマンが体験に基いて考察したものであって、ジャーナリストが多数の関係者を取材して全体像をまとめたわけではない。しかも著者は日本人、つまり当地においては外国人であり、中国人ビジネスマンとは異なる評価になっているかもしれない。その辺りは差し引いて考える必要がある。

     また、深圳の人口はほぼ東京に匹敵する。東京で20年働いたからと言って東京経済の全てを知り尽くせるものではないだろうし、まして深圳は東京とは比較にならないほど猛スピードで変化し続けている都市だ。本書にあることが深圳のすべてではない。

     それでも今私たち日本人が得ることのできる情報としてはかなり充実した内容なのではないだろうか。中国経済という混沌とした世界の中でも特に活気あふれる場所の具体的なあり方をぼんやりとでも把握しておくことは、多くのビジネスマンにとって刺激と参考になると思われる。

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