ファイアパンチ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL) [Kindle]

  • 集英社 (2018年2月2日発売)
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みんなの感想まとめ

テーマや視点の多様性が魅力の作品は、深い考察を促す余白があり、読者に心の栄養を与えます。単なる復讐劇に留まらず、壮大なスケールで描かれる物語は、未来の人類の運命や時間の流れを巧みに織り交ぜています。特...

感想・レビュー・書評

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  • ファイアパンチ8 2018

    少年ジャンプ+2017年45号〜2018年4号掲載分収録。
    第72話〜第83話

    『ファイアパンチ』(Fire Punch)は、藤本タツキによる日本の漫画作品。文明崩壊後の世界で、消えない炎に焼かれながら生き続ける青年・アグニを主人公とした物語。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)2016年4月18日より2018年1月1日まで毎週月曜日更新で連載された。

    概要
    藤本の初連載作品。後に『少年ジャンプ+』の転換点として言及される改編「『少年ジャンプ+』新連載春の陣」(2016年4月~5月)において、『終末のハーレム』・『彼方のアストラ』などと共に連載が始まった。これを機に『少年ジャンプ+』の主軸は、名実共に『週刊少年ジャンプ』(集英社)電子版からオリジナル作品へシフトし、後の『SPY×FAMILY』・『怪獣8号』のヒットへと繋がっていく。

    グロテスクな表現や一般の漫画では考えられない「超展開」が多用されており、週刊少年ジャンプ副編集長の細野修平は、「タブーを全部入れしている」と語っている。復讐劇だが、暗くなりすぎないように、コメディ要素を挟み込んでいる。また、残酷描写は多いがそれが目的ではなく、「きれいな部分」や「優しいもの」を際立たせるために意識的に描かれている。藤本は「少年ジャンプ+」で連載をやるんなら、「週刊少年ジャンプ」ではできないことをやろう、“アンチ・ジャンプ”的なことをやりたい」と意気込みを述べていた。

    連載当初より藤本は、「3回か4回、ジャンルが変わります」と予告し、読者の予想を裏切る方向に物語が展開すると示唆されていた。事実、第1巻が復讐劇だったのに対して第2巻は第1巻を茶化したギャグ漫画となり、「トガタがつけいるスキ」が随所に与えられた。第3巻ではさらに第2巻を否定し、ヒーロー的ストーリーに回帰した。藤本はストレートに正義やヒーローを描くと極端になってしまうため、このような変遷を遂げたとしている。また、「一回崩さないとカタルシス的なものが得られないと思った」とも語っている。

    本作の制作現場には遠田おと、龍幸伸、遠藤達哉、賀来ゆうじらがアシスタントとして入っており、担当編集者の林は「二度とあんな凄い作家達(遠藤と賀来)を集められない」としている。また、『地獄楽』(賀来)は本作の影響を受けており、賀来が藤本の職場に入らなければ『地獄楽』は生まれなかったのではないかと振り返っている。

    ストーリー
    本作は、「序破急」の3部構成になっている。

    序章 覆われた男
    文明崩壊後の世界、地球は「氷の魔女」によって氷河期を迎え、雪と飢餓と狂気に覆われていた。そこで暮らす人々の中には稀に奇跡を使える人間がおり、祝福者と呼ばれていた。
    小さな村に暮らす少年アグニとその妹ルナは肉体の再生能力を持つ祝福者であり、妹より強力な祝福を持つアグニは、自らの肉を切り落としては村人に食料として分け与えていた。しかしベヘムドルグ王国のドマ率いる軍隊に人肉食を見咎められ、村は住民ごとドマの祝福・焼け朽ちるまで消えない炎に覆いつくされてしまう。自身の祝福のせいで燃焼と再生の苦しみを繰り返す羽目になったアグニは、生への執着を捨てることで再生が止まることに気付く。しかし同じく燃焼・再生を繰り返していた妹が「生きて」と語り力尽きたことで、アグニは生にしがみつくことになる。8年後、顔の炎の除去に成功したアグニは、依然として身体の燃焼に苦しみつつ、村と妹を奪ったドマへの復讐を目指して旅に出る。
    アグニは道中、祝福者で奴隷の少年サンをベヘムドルグ軍から救出する。サンはアグニを神と思い込んで同行するが、ベヘムドルグの高官ユダに襲撃される。ルナに瓜二つの顔を持つユダに動揺したアグニは捕らえられ、サンと共にベヘムドルグへ連れ去られる。
    ベヘムドルグ軍はアグニの首を海に投棄して処理し、サンは奴隷にすることを決定する。サンはそこで同じく捕らえられた少女ネネトや、奴隷となった他の祝福者たちと出会い、彼らにアグニという神の存在を説く。
    アグニとネネトは海へ鉄道輸送されるが、ビデオカメラを回しながら現れた謎の女性トガタに救出される。再生祝福者で映画マニアのトガタはアグニに興味を持っており、彼を主人公にした映画を撮ろうとしていた。トガタはネネトをカメラマンに指名し、アグニのドマへの復讐に手を貸す。
    「ファイアパンチ」と命名した必殺技を携え、復讐のためべヘムドルグへ入ったアグニは、途中で奴隷たちを見て「目の前の死が許せない、悪が許せない」という過去に自分が抱いていた正義を思い出す。そしてかつて妹ルナの幸せが「生きる糧」であったこと、ルナを失ってから復讐者を演じていたことに気づき、復讐を後回しにしてサンら奴隷を解放、ベヘムドルグ軍と対峙する。壮絶な戦闘の末にベヘムドルグは崩壊し、奴隷たちは異変に気付いて駆けつけたアグニ信者らの助けで脱出する。
    べヘムドルグ崩壊を目の当たりにしたユダは生きる意味を失い、アグニの消えない炎に触れて死のうとするが、ユダがルナなのではないかという望みを捨てきれないアグニはそれを許さない。ユダはアグニに、ドマがベヘムドルグ崩壊に巻きこまれて死んだであろうことと、ベヘムドルグで神のお告げを聞く者を演じてきた自身の本心を語る。復讐という生きる糧を失ったアグニは、彼女が炎を触ることを許して自身も死のうとするが、そこに突如氷の魔女を名乗る人物が現れ、ユダの死を阻止する。

    頗章 覆う男
    アグニは諸悪の根源とされる氷の魔女に戦いを挑むが、彼女はアグニを一蹴してユダを連れ去る。目覚めたユダにスーリャと名乗った魔女もまた、ルナやユダと同じ顔であった。スーリャは、氷の魔女は存在せず寒冷化は地球が朽ちかけているためであること、自分たちはかつて高度な文明を誇っていた旧世代の人類の生き残りであること、旧世代人の能力を継ぐユダの力で地球を暖かくできることを語る。
    一方、ベヘムドルグを脱出したサンやネネト、元奴隷らは、アグニを崇拝して集まって来た者たちと共に「アグニ教」の村を立ち上げていた。村に辿り着いたアグニはベヘムドルグ人を虐殺した罪悪感に苛まれつつも、村人達を救うためにトガタやネネトに補佐されながら神を演じる。
    ある日、ベヘムドルグ軍残党からドマの生存を知ったアグニは、復讐のためトガタと共に彼のもとへ向かう。しかし相対したドマはかつての所業を悔いており、孤児たちを養うために生き続けたいと語る。アグニはドマを殺せば孤児たちも死ぬと思い、復讐をやめて立ち去る。
    帰り道でアグニはトガタと話し、復讐をやめること、人を救うためなら神でも主人公にでもなることを誓う。だがその時、彼は自身の壮絶な過去を思い出し、「ファイアパンチになってドマを殺して」と言う妹の幻覚を見る。意識が途切れ気が付くと、アグニはドマを殺し、消えない炎で子供たちをも焼き尽くしていた。
    自棄になったアグニは湖氷の上に立ち、氷の解けるまま水中へ沈む。しかしトガタが焼けながらもアグニを抱きかかえて湖から助け出す。トガタは身体が燃える痛みの中で最期の言葉を考え、アグニに「生きて」と告げて息絶える。その言葉によって再び死を選べなくなったアグニは、トガタの遺体を抱えて村へ帰るが、そこには無残に壊滅した村と、根を伸ばし人々を枯らしている巨大な木があった。スーリャが地球を暖めるため、ユダを木に変え、人々からエネルギーを吸い取っていたのだ。

    旧章 負う男
    アグニは「殺して」と願うユダの木を破壊し、彼女の祝福によって炎が消え普通の身体に戻る。祝福の使い過ぎによって記憶を失い幼児退行したユダを、アグニはルナとして扱い、自身の正体を隠して、生き残ったテナらドマの元教え子たちと合流する。その後10年間、かりそめの穏やかな生活を享受し、アグニとルナ(ユダ)は絆を深めていく。一方で生き残ったサンとネネトは、スーリャやべヘムドルグ残党と合流し、アグニ教を再興していた。そしてネネトらによってユダは連れ去られ、テナらはアグニが恩師ドマを殺した「ファイアパンチ」であることを知る。テナの娘イアの祝福の炎で再び全身に炎を纏ったアグニは、テナたちと決別し、ルナ(ユダ)救出のためにアグニ教の拠点で多くのアグニ教徒を虐殺、教祖となって暴走していたサンも焼き殺す。もはや自分が何者かも分からなくなったアグニを、ユダは抱きしめて「生きて」と告げ、祝福によって彼の炎を消した。ユダは記憶を失ったアグニをネネトに託し、世界を温めるために自らの意志で再び木となる。生まれ変わったアグニは、ネネトにサンとして育てられ、教祖となる。二人は暖かくなった世界で人々を集め、豊かなコミュニティを作る。
    80年後、未だ若い姿のサン(アグニ)はネネトの死を看取り、自らも死ぬ方法を探す。側近の女性が世界の滅亡が近いことを語り、偶然発見した旧世代人用の自殺薬とトガタのカメラを彼に手渡す。サン(アグニ)は映画館でカメラの中身を上映する。壊れて白黒で音声も出ないその映画の、おそらく主人公であろう燃えている男を見たサン(アグニ)は、拳を握っていた。
    悠久の時が過ぎ、木となったユダは他の星々に根を伸ばして地球を暖め続けていた。アグニの顔を忘れ、何のために地球を暖めているのかも、地球が何なのかも忘れ、やがて地球が消滅してもユダはそこにいた。数千万年後、宇宙空間でサン(アグニ)とルナ(ユダ)は出会い、二人で寄り添うように眠って物語は終わる。


    以上のようにWikipediaで紹介される漫画作品。
    チェンソーマンで有名な藤本タツキ氏による作品だ。
    第72話〜第83話を掲載。
    表紙はユダと燃えるアグニ。

    冒頭からアグニとアグニ教を信じる者達との闘いが描かれる。
    しかしある意味2つの力(再生、炎)を持つアグニの敵ではないのだ。
    サンはどうしてカルト宗教のごとき思想に凝り固まってしまったのか。
    本人が人は信じたいものを信じたいように信じると述べているが、悪い意味でその通りだ。

    1巻〜8巻まで振り返ってみても、
    どの登場人物も、えっ?という感じであっさり死んでいく。
    まさかの展開。
    そしてこの最終巻である。
    全く予想できない展開の数々。
    藤本タツキの力量が如何なく発揮された漫画作品だ。
    このファイアパンチの連載によって間違いなくチェンソーマンの作風や表現につながっているんだと思う

    少し話は変わるが、氷の魔女はスーリャといい、いつの間にかサンに殺されているのだという。
    Wikipediaから引用すると以下の通り
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    スーリャ
    氷・雪・炎・蔓のようなものを操る祝福者。4ケタは生きているため、再生の祝福者でもあるらしい。
    左半分の顔が幼いころのユダ(とルナ)に酷似し、右半分から木のようなものが生えている。アグニを一方的に知っている。大のスターウォーズ好きで、その新作を観ることが目標。
    ベヘムドルグ崩壊後にアグニの前に現れてユダをさらう。そして自分と同じ進化した人間である彼女を使い、この世界を終わらせ、温かい世界を再生してスターウォーズ新作の製作可能な文明の再興を試みるが失敗。10年後、アグニ教教祖となったサンの側近をしていたが、祝福の力の低下、思想の相違によってサンに殺害される。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    7巻の終わりにサンに殺された幹部2人の片方なのか・・・
    全く気が付かない。
    というか普通に読んでいるといつの間にかいなくなっている感じだわ。
    あんだけラスボス感を出していたのに。
    スターウォーズの新作云々と語っていたのに。
    その点が物足りなかった。


    印象に残った点

    人は信じたいものを信じたいように信じる

    できないのならできる貴方を演じて
    そうすればできる貴方になっていきます

    私は長く生きて多くの役を演じて少しだけわかりました
    人はなりたい自分になってしまう

    2025/05/11(日)記述

  • まとめ買いイッキ読み中。
    最終刊。
    うむ。
    最初から最後まで何もわからなかった。
    だがなんかスゴイなという感覚だけが残った。
    うむ。
    まあこれは何もわからんままでもいいのかもしれん。
    なるほど。
    これを読んだあとだとチェンソーマンのなんてわかりやすかった事か。
    だいぶ凡人レベルに合わせてくれてたんだなあ。
    まあとにかくなんかスゴいマンガであった。

  • 最近こういう、考察が必要そうな余白の多い作品が心の栄養になってます。
    コンセプチュアルアートやシュルレアリスム作品のような余韻。

  • ルナが5億年スイッチみたいな状態で可哀想だった。アニの存在のために人柱になり地球にエネルギーを送り続ける役目をおったのだけど、もはや誰のためになさやってるのかもわからず、いつのまにか地球は粉々に砕けてて存在理由もわからずただ暇。我々の地球もこんな状態なのかもしれないと思うとロマンがあった。
    心は男のトガタちゃん(300歳)ご自分の体が女であることが気持ち悪いんだよ〜〜っていうシーンが響いた。アグニの燃え続ける体が辛いという肉体的な苦痛と対照的な苦しみだなぁと。

  • ・アグニvs 復習者たち
    ・ユダの木、成長しまくり

    視点の違い、みたいなものを言おうとしているのかもしれないが、まぁまぁ良く分からない。
    重要人物は 顔 に大変興味を抱いている様子だけど。

    とりあえず、あまりすっきりしない。

  • まぁ最後はなんつーかという終わり方

  • 記録

  • 面白かった〜。

  • ものすごく話が広がったけど、主人公の自己実現っていうパーソナルな締めで終わったのがよかった。

  • 最後に、宗教に昇華されたような感じがする。
    展開が怒涛すぎて、ただのホラーかなと思って読んでたけど
    よく考えたら、この男の子は
    物理的に身体が燃えてた。
    養育されていたとも言えないし、
    安息がなければ、まともに頭も働かないし
    擁護するとかしないではなく
    愚直に痛みに耐えることだけができる※とはいえ途中途中あきらかに崩壊してるときがある※
    まま、生きたら、こうなった
    ただそれだけのような気がする。

    なりたい自分(アグニ)、は、よく分からないけど
    生きて
    という単純なところだけが、
    呪いであり
    生きる術であり
    希望であったから
    それでいいのかな?と。

  • ジャンプ+にて読了(要再読)

  • 全巻読破。なんだか凄い事が起こったんだと思う。

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著者プロフィール

1992年秋田県出身。秋田県立仁賀保高等学校情報メディア科CGデザインコース卒、東北芸術工科大学美術科洋画コース卒業。2016年から18年にかけ「少年ジャンプ+」で『ファイアパンチ』を連載。その後、「週刊少年ジャンプ」で『チェンソーマン』の連載を開始し、20年に第66回「小学館漫画賞」少年向け部門を受賞。翌年には、同作品でハーベイ賞BestManga部門を受賞した。22年にアニメ化された。

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