火定 [Kindle]

  • PHP研究所 (2017年11月17日発売)
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みんなの感想まとめ

感染症の大流行を背景に、人間の醜さや無力さが浮き彫りになる物語が描かれています。奈良時代の天然痘パンデミックを舞台に、医師や官僚、さらには詐欺師たちが織り成す群像劇は、現代の感染症と重なる部分があり、...

感想・レビュー・書評

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  •  壮絶。天平時代の天然痘パンデミックによって、人間の醜さがあぶり出されているような描写がたくさん。いつの世も人は変わらないのだろう。
     全体的に暗く苦しい小説だが、最後は少し希望が射す。後世の役に立つなら、死も無駄ではないだろうと少し思える。

  • 2017年の本らしいが、コロナ禍で新聞読書欄に載る。歴史小説の体をなしてなく楽しめない。展開もなんの驚きもない。今時の若者と変わらないセリフは歴史もどきマンガの影響なのか?京都出身の作家なのに東京弁?!せめて山崎豊子なみに関西弁バリバリ小説にしてくれ。

  • ずっと前に買ってあったもの。
    このご時世、タイムリーといえばタイムリー。
    奈良時代の天然痘パンデミック小説である。
    誰が主役、というより群像劇に近く、焦点は施薬院。藤原4兄弟が建立した町立病院とでもいうべきもの。
    非常にグロいし、容赦ない小説でした。
    確かに恨むべきは「官」ではあるけれど、官が機能しなくなっている状態だったしなぁ、とも。バックアップはいつでっも必要。しかも間をおいてはいけない。倒れたら、即次、これ基本。
    この時代から、清潔や伝染という概念はあったようだし、記録の重要性も。人はそんなに愚かではないが、一旦恐慌に陥ったときは、古今東西、人のパニックはさほど多様性はないようである。
    中盤で、大安寺襲撃が描かれている。ここは、奈良に行くたびに、立ち寄っているお寺なので、まあ、そんなことが。とちょっと親近感。あそこが非常に大きいお寺であったことは、お寺内に書かれてはいたけれど、七重の塔まであったのね。ここ20年位で、とてもきれいになってしまいました。
    こちらは凄惨なので、コミカライズは望まないし、映像化もいらないですが、奈良時代の男たち、どっかに画像ないものだろうか。乙女ゲーもせいぜい不比等、道長、だし。せめて、髪型や着てるものだけでも。とはいえ、求めるもの以外が出てきたら困るから、ググらないw

  • 奈良時代の平城京を舞台とした感染症の大流行の中で、医師、官僚、また詐欺師が活躍する姿。天然痘の大流行で藤原4兄弟が全員死亡したとの有名な史実が、コロナウイルス感染症の現代だけにリアルに迫るものがあった。浮浪児たちの感染したことに自らを犠牲にして共に死ぬ覚悟で彼らと閉ざされた倉に入る僧侶の決死の姿が印象的。それにしても多くの人たちが死んでいく汚辱、凄惨な平城京の描写があまりにも生々しく、読んでいて吐き気を催すほど。

  • 735年から738年にかけて大流行し、「豌豆瘡・わんずかさ」・「裳瘡・もがさ」の前に、人はなすすべもなく死んでいく。そして、常世常虫のまじない札にすがる人々。
    施薬院で治療を続けるあばた顔の里中医綱手、弘道、真公、
    藤原房前の家令・猪名部諸男と絹代。
    連載漫画になったら人気に出そうなストーリーだと思う。
    秋篠川河原で遺体を埋めるシーンがあった。
    先日薬師寺へ行くのに秋篠川を渡ったこと思い出した。
    また、秋篠川周辺を歩いてみようと思う。

  • 奈良時代の平城京周りを舞台に、当時流行したとされる天然痘に翻弄される二人の主人公たちの物語。

    病状や死に対する描写がかなりグロテスク。
    それだけでなく、疫病流行に伴う人々の、熱に浮かされた狂気の描写も読んでいて考えさせられる。

    目の前で信じられない出来事が信じられないレベルのスピードで起こったとき、自分はどんな行動をとってしまうのだろうか。日々の考え方次第で信念を維持できるものだろうか。

  • 歴史学者である著者の作品の魅力は「往時の街並みや情景を丁寧に、庶民の生活や風俗を豊かに描くことで、そこに繰り広げられる人間ドラマがいきいきと感じられること」や、「史実に基づきつつ、著者による解釈で語られる物語の意外性」ではないだろうか。時代背景やディテールを当時の事物で丹念に構築し、そこに著者の創造したストーリーが展開することで現在の史実につながる、という語りは「リアルとフィクションの境界差」を読者に楽しむように導いているようにも思える。ベースとなる史実に一定の知識を持つほど、著者の作品をより楽しめるように書かれているのだ。賛否はあるだろうが、「若冲」もそういう視点で読んで面白いと感じた。
    人間ドラマを歴史上に描くエンターテイメント、という点では本作も期待を裏切らない。しかしベースとなる史実への知識が足りなかったのか、期待が高すぎたのか、若干の物足りなさが残った。

    #火定 #NetGalleyJP

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著者プロフィール

澤田 瞳子(さわだ・とうこ):一九七七年京都府生まれ。二〇一〇年に『孤鷹の天』でデビュー、同作で中山義秀文学賞、一三年『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞、一六年『若冲』で親鸞賞、二〇年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、二一年『星落ちて、なお』で直木三十五賞を受賞。『火定』『名残の花』『輝山』『月ぞ流るる』など著書多数。


「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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