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感想・レビュー・書評
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最初の方を読んで「ちょっと語り口が私の好みではないな……」と思っていたけれども、読み進めていくうちに引き込まれた(特に後半)。いつのまにか続巻が出ていたので、これは読まねばなりますまい。
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SF飯:宇宙港デルタ3の食料事情 (ハヤカワ文庫JA)
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古典的スペースオペラといえば、当たり前だけれど、そのシリーズは全てアメリカのもの。レンズマンも、キャプテン・フューチャーも、アメリカ人の作家が書いた。
その他無数の「B級スペオペ」が、パルプマガジンに溢れていた。
それを、そっくり、日本のものに噛み砕いたのが野田昌宏であり、野田昌宏畢生のシリーズ『銀河乞食軍団』だ。
ギンコジという愛称で呼ばれたこのシリーズの特徴は、宇宙というフロンティアを、「日常」に替えた事だ。
たとえば、フードバーとかチューブをとって食事をするかわりに、軌道上のステーションで刺身定食が出てきたり、くさやの悪臭で悪者を追い払ったり……随所に昭和レトロな雰囲気を醸し出しつつ、作者が自分の趣味をめいっぱい投入して作った希有の作品なのだ。
ところで、作者が物故してから何年もたって、『銀河乞食軍団』の前日譚を同じハヤカワ文庫JAで展開したのが、鷹見一幸、今『宇宙軍士官学校』でヒットを飛ばしているその人なのだ。
『宇宙軍士官学校』に登場する幾つかのアイディアは、銅大によるもの、とあとがきで明らかにされているのだが……。
なるほど!
本作ではその銅大が、まさに日常直結である「食」を宇宙ステーションで考えるという面白いアプローチをした作品だ。
細部まで本当によく考えられているのは、作者が本来ゲームデザイナーであるからだろうか。
周到に考えられた世界観でありながら、それを蘊蓄としてキャラクターにも、地の文にも語らせる事なく作品の深みを感じさせる病者が素晴らしい。
我々現代の日本人と、さほど異ならない食生活をしているらしい中央星域出身の主人公が、まったく事情の違う辺境星域にやってくる、という文化的なギャップがある事でネタをその都度わかりやすくかつ面白く、描いている。
主人公の相棒となる、元小間使いのコノミが、祖父の遺産である大衆食堂をやろうとしている、というのも嬉しいところ。
レストランじゃない、食堂!
解説で鷹見一幸がふれている通り、裏通りにある町の中華屋とかトラック運転手向けの定食屋、そんな雰囲気になっているのだ。
私はここに、『銀河乞食軍団』と同じテイストを感じる。本作はシリーズではないようだけれども、同じ世界観で次の作品が書かれる事を切に願う。
作品内のはしばしに、マニアに嬉しい小ネタがたくさん仕込まれている事も、読んでいて楽しかった事のひとつ。
銅大の作品
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