別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 [Kindle]

  • NHK出版 (2017年11月25日発売)
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みんなの感想まとめ

有名なファンタジー作品の背後にある歴史や文化を知ることで、物語の新たな側面が見えてくることを実感できる内容です。特に、シンデレラの物語には、ペロー版やグリム版、さらにはディズニー版といった異なる解釈が...

感想・レビュー・書評

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  • 短い時間で読めるのに、とても面白かった。

    昔から、民話、伝説、神話…そういったものが大好きだった。「シンデレラ」は童話で、普遍的になっていて、あまり地域色が出ないものかと思っていた。しかし世界各地にいろいろなバージョン、派生的作品があり、本当に驚く。
    もちろん最も有名なものはペロー版だろう。そしてディズニー版とグリム版の3つを対比させて、この本は考察している。

    私がシンデレラ、で思いつくのは吉田都のバレエのシンデレラ。たしかロイヤルバレエ団を退団するときの公演が「シンデレラ」だったと思う。テレビでしか見ていないが、とても可憐で愛らしかった。
    次に思い浮かんだのは、高校の英語の授業。シンデレラは名前ではない、本当の名前はエラという、そう先生が話していたこと。ディズニーでこの、エラという名前がつけられたのかと思っていたが(ディズニーの英語の絵本でエラと書かれているのを見たので)はっきりはしなかった。
    星新一のシンデレラのその後、のような話も思い出される。この本の最後の方にシンデレラの各コンテンツが書かれていて、映画、オペラ、バレエなど、映画の中にシンデレラのその後の物語やスピンオフがあるということだった。

    こんな授業を高校の時に受けられたら、よかったなあ、とうらやましく思う。
    グリム版にガラスの靴も仙女も出てこないのは知っていたが、ペローの方がグリムよりもずっと昔である、ということは気づいていなかった。口承伝説、ということでグリムの方が古いイメージがあったのだ。ペローは自分で創作している部分もあるし、教訓をつけているので、果たして説話集と言っていいのか疑問に思うが、ガラスの靴や仙女のインパクトは強いし、こちらの方が人口に膾炙しているだろう。
    名付け親というもののイメージが現代日本では想像がつきにくく、今でも「西洋の名付け親とは日本でいうところの…」何なのか、分からない。昔は着袴や初加冠の役の人だったのだろう。ハリー・ポッターを読んでいるときも思ったことだ。海外では今でも名付け親というものがあるのだろうか。

    主観的な子供にとって周囲は敵意に満ちており、自分のみが虐げられていると感じ、しかし、その理由は自分が優れているからであって、いつか逆転劇が起こり、虐げていた人間から、うらやましく思われる…という人が持つ欲望を反映した物語と中野京子さんは「シンデレラ」の人気を解説している。大人になっても、現実がそうでない、ということが分かっていれば、夢物語を夢想するのはいいではないか、といっているのがよかった。物語、なのだから。
    どんなに大人になったとしても想像の翼を広げられる時間は欲しいものだ。人の心の中には踏み込むことは出来ないから。

  • 有名なファンタジーも背景を知るとまた違って見える。あらためてディズニーの影響の大きさ(ジェンダーバイアス)を感じる。

  • ペロー版のシンデレラ、グリム版のシンデレラ、ディズニー版のシンデレラ。シンデレラが「灰かぶり」という意味を持つと知ったのはいつだったか。子供の時にはそれは名前だと信じていた。ディズニーの映画の影響がとても大きい。ペローやグリムのシンデレラのお話は目新しい。

  • ペローの「シンデレラ」とディズニー版の「シンデレラ」の共通点と違い。
    グリム版「シンデレラ」とペローの「シンデレラ」の違いが反映する社会背景。
    「シンデレラ」に類する物語は、世界中に700以上もあると書いてありました。大変勉強になりました。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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