天国に一番近い会社に勤めていた話 [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 『警察官をクビになった話』の著者が、警察を辞めたあとに勤めた複数のブラック企業での体験を中心に綴った本。

    ヘタウマ風の自筆イラストが全編にちりばめられているし、全体にブログ風の作り(行あけや大文字による強調などが多い。てゆーか、本書自体がブログの書籍化なんだね)なので、サラッと読める。

    読みやすさとは裏腹に、内容はエグいエピソードの連打で、なかなか強烈な読後感を残す本だ。

    著者が勤めたブラック企業の内実がスゴイし、その合間に置かれた「最下層民の恋」(恋人ができて婚約してから、婚約破棄に至るプロセスが綴られる)という話が、またエグい。

    著者の文章はライターが書くようなキッチリとしたものではなく、日本語として不自然な箇所も散見される。
    それでも不思議なパワーに満ちており、グイグイ読ませる。

  • サクッと読めますが、文章も絵も、心に刺さるものがありました。

  • 行き場のない或いは居場所を失った人の最後の希望や夢の砦として、人に愛されたい、人に必要とされたいという渇望をブラック会社はその希望、渇望を満たす価値のある場所だとして思わせてその渇望や希望をエサにしているハリボテに過ぎなくも一方的に搾取しているだけなのに共依存という形が成り立つおぞましい関係が生々しく描かれる。
    その共依存もあっさりと労働者の辞職で解消し、捨て駒のように労働者は会社から居ない者として烙印を押されるオマケ付き。
    この本を読めばブラック企業を辞めずになぜ働き続けるのか、その洗脳心理がすっと分かる。
    ブラック企業を渡り歩いた体験がロジカルにまとめられ分析されている。そして、辞めずに残った人が擦り切れていきボロボロに朽ちゆく者の姿、壊れる者の姿、可笑しくなっていく者の姿、物として扱われた者の成れ果てが余す事無く描かれている。

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著者プロフィール

18歳で警察官をクビになり、営業や特殊清掃、日雇い仕事などを転々とする。2017年、初めて描いた漫画『警察官をクビになった話』をWEBで発表。1日200万PVを記録するなど、大きな話題となった。

「2020年 『警察官をクビになった話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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