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感想・レビュー・書評
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全くヘンな論文ばかり。笑っちゃう論文ばかりでしたが、研究の醍醐味も伝わってくる。論文はオタクじゃなきゃ書けないな。お気に入りは、『コーヒーカップの音の科学』これから、研究や調べ学習する中高生にも読んでほしい!
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サンキュータツオさんは『国語辞典を食べ歩く』が名著すぎて別の著作も読んでみたかったお方。
どんなヘンな論文なのかワクワク読んでみて、まあ確かに変な論文で「よく研究しようと思ったなぁ!」と笑っぱなしなのだけれど、どの紹介も論文と研究者へのリスペクトに溢れ、あとがきでは論文の盗用問題の重大さを指摘糾弾し、学問の面白さを説いていて、あとがきにも感動してしまった。
学問の面白さを知ったのは、やっぱり大学で論文を読み始め研究の「け」の字に触り始めたあたりだった。大人になってから勉強する時間が足りない足りないといいながらサボっているのはもったいないな、と思った。 -
興味深い研究がたくさん!
あくびの論文では、本当にあくびを連発しながら読んだ。
猫の論文には癒された。猫は文章でも癒してくれる。
オリックスファンのフルタイムで働いてる人の割合が58%前後しか無かったのが衝撃的。土日の調査なのに。
最後の湯たんぽの研究は、ぜひまとめて欲しい。 -
紹介された全ての論文が日本語だったように思うので、英語版を期待したい。
あくびは何故うつる?などとても興味深かった。 -
サンキュータツオ『ヘンな論文』
ある読書法訓練のために再読。
X-MENのメンバーであるサイクロップスが目から光線が溢れて止まらない様に世の中には様々な事象に対し常人より熱量を持ち、その熱が溢れて止まらない人々がいる。
本書はその対象を収集、分類、分析、研究ひいては論文まで記してしまった業の深い人々の記録。
扱われるテーマは
「あくびは何故うつる?」
「猫の癒し」
というユルフワ系から
「コーヒーカップの音の研究」
「湯たんぽの形態成立とその変化の研究」
といったという硬派なものまで様々。
白眉は湯たんぽ研究。
趣味で湯たんぽを集め始めたらいつのまにか学術的にも骨董界でも第一人者になってしまったという猛者。
しかも発表した論文が小保方晴子もビックリの論文盗用事件にまで発展する波瀾万丈ぶり。
やはり熱量が高い人の話は突き抜けていて面白い!
続巻『もっとヘンな論文』も読まねば! -
これはとてもええ本を見つけてしまった。後書きまでしっかりと読んで欲しい
なんでこんな紹介の仕方をするんだろうと言うのが後書きをみてわかった
勉強は人の顔が見れないからつまらないのかもしれない。なぜこんな研究をしたのか。深堀していけば、全ての研究は人の顔となり、たちまち面白くなる -
学問の面白さに触れるのにうってつけの一冊ではないだろうか。年齢と共に失っていった日々の疑問に向き合う行為をこの本を通じて、思い出させてくれたように感じる。
"ヘンな論文"と銘打っているが、本質的な疑問への探究という点では全ての論文が共通しており、着眼点の面白さに対してのリスペクトを感じた。
学部時代に書いた自身の論文の方がよっぽど"変"である。なぜなら定義すべき疑問自体が疑問の余地のある疑問だったからである。書き直したい…。 -
本棚のラインナップでばればれだが、自分は"変な●●"系の本が好きだ。雑学として読んでも楽しめるし、この手の本は大抵文章にキレとセンスがある。
お笑いを見ないので寡聞にも存じ上げなかったが、著者のサンキュータツオ先生は日本語学の博士課程まで学んだお笑い芸人であり、"珍論文コレクター"なのだそうだ。もう経歴からツッコみ待ちである。
読んでみれば序文からつかみはバッチリ、内容も期待に違わぬキレキレっぷり。なお"期待"とは、著者の文章と論文そのものへ向けたものだ。
公園の斜面に座るカップルの観察、浮気男の頭の中、大学祭における猫カフェの効果などなど。調べた研究者もすごいが、数ある論文の中から掘り出した著者もなかなか。あくびの論文の章を読んでいる時は3回もあくびが出てしまい、図らずも論文の正しさを証明してしまった。
続刊が出ているらしいのでそちらもいつか読んでみたい。 -
ヘンな論文が世の中にはたくさんある。分野が違えばなおさら知らない。ちゃんと解説してくれるので、ありがたい。変な研究に触れる機会はイグノーベルの発表くらいなので面白い
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サンキュータツオさんの記念すべき文庫。
とてもカジュアルに、一人称視点で、興味しんしんなおじさんが、オモロイ話あるからちょっと聞いてよー
というノリが、軽くていい。
ヘンな論文とはいえ、そこに紹介されるものは、真剣なものばかり。文化の深淵を見る。人間社会という宇宙の果てに生えてる雑草を体系化した、だれも見てないけど、本当の情熱を注がれた、邪魔されずに、気を遣ったりしないでやった学問の純粋な形が見える。
日本人の持つ謎のお茶目さ、スケベさ、バカ真面目さを遠目からといわず、論文たちを愛でてきたタツオさんの素晴らしい目線が光ります。
なんかこう、トイレにでも置いてて、なんとなしに読む、そういうかんじの本です。褒めてるけど、、わかるかなぁ。