フェイク~我は神なり [DVD]

監督 : ヨン・サンホ 
出演 : ヤン・イクチュン  クォン・ヘヒョ  オ・ジョンセ  パク・ヒボン 
  • ブロードウェイ
3.79
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感想 : 7
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4944285031426

感想・レビュー・書評

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  • ダム建設のため水没することが決まった片田舎の村に久しぶりに帰郷したトラブルメーカーのミンチョル。彼がいない間に建てられた教会にミンチョルの妻子を含め村人たちはこぞって通い、若い牧師ソンを崇めていた。インチキ教団を率いる詐欺師ギョンソクが村人たちの財産を狙い背後で絡んでいることを察知したミンチョルは、ギョンソクの悪行を阻止しようとするが、悪評高いミンチョルの言葉に村人も警察も耳を傾けようとせず、悪魔に憑かれた男と烙印を押す。
    「新感染ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ監督が手掛けたアニメ作品。
    博打を打って負ければ「イカサマだ!」といちゃもんをつけ、金がなければ娘の学費もふんだくるヤクネタ・ミンチョルが、祈祷所建設費を名目にしてダム建設で水没する村の人々から金を巻き上げる詐欺師と戦うストーリー、暴力で生きているミンチョルや祈祷所建設費を名目に純朴な村人から金を巻き上げるギョンソクや虐待に苦しむ少女を救えなかった苦い過去を持つ牧師ソンなど掛け値無しの善人が一人もいないキャラクターの群像劇を通して、「真実は神は人を救うのか?」「偽りは悪か?」という究極的な問いを突きつける衝撃の展開は、見る者の倫理観宗教観を揺さぶる。どん底の絶望を描くクライマックスの展開は、善悪の彼岸に行き着いた衝撃があり、重い苦い後味のアニメ映画。

  • 『フェイク 我は神なり』、以前から観たかった映画。
    同監督の『新感染 ファイナルエクスプレス』は私にとってはそんなに面白くなくて、遡ってアニメ映画の『ソウルステーション パンデミック』を観たらこっちはめちゃ面白かった。『フェイク』も傑作でした、オススメ。

    検索したら市内のTSUT○YAに1軒だけ置いてあり、今度借りに行こーっと♪と思っていたら数週間後にレンタル終了で外された……あまりにもヒドい。当時、新作の『新感染半島 ファイナルステージ』が韓国で公開される直前の時期だったのに、なんで外すのかと(日本では半年後に公開)。

    以前からTSUT◯YAさんには映画愛があるんだかないんだかわからない変なところを感じてましたが、全て数の論理でやっていく……業績の悪いDVDはリストラする、派遣社員の契約期限が切れたら外す、みたいな。結局、コロナ禍でアマプラ、ネトフリなどサブスクVODを利用する人が増えて、TSUT◯YAさんは大打撃を受けたと思います。すごく良い品揃えの店舗があったんだけど(フランチャイズだが経営してる会社が違い、別系統らしい)、そういう優良店に限って8月31日に閉店してしまった……。


    という経緯で長らく観られなかったけど、GYAOで無料公開されていてラッキーでした。しかも宗教の霊感商法の話で、文鮮明の統一教会がリバイバルブームになるとは数年前には思ってもなかったので、妙にタイムリーになってしまった。

    ・韓国の宗教もの。キリスト教と霊感商法。
    これまで観た作品だと、イチャンドンの『シークレットサンシャイン』とナホンジンの『哭声/コクソン』。どちらも名作。『哭声』には『芋たこなんきん』のカモカのおっちゃんこと國村隼が出演。あまり関係ないが、日本だと芥川龍之介の『邪宗門』や、遠藤周作の『沈黙』、諸星大二郎の『生命の木』など、大好物の話。

    ・主人公のオッサン
    シバルロマシバルロマ言ってるからもしやと思ったら『息もできない』のヤンイクチュンが声をあてていた(シバルロマ=オマ◯コ野郎?)。このオッサンは暴力的でありとんでもないロクデナシ。旧い家父長制的、儒教的キャラ。つまり儒教vsキリスト教。

    ・犬
    もちろんポシンタン。
    韓国映画にポシンタンが出てくるときは、旧い価値観として描かれている場合が多いと思う。儒教的、家父長制的価値観と同じ。今回は残虐性の演出。

    ・オオカミ少年
    お話はイソップ寓話のオオカミ少年に近い。自分だけが真実を知っているが、誰も信じてくれない。これはホラー映画でもよくあるパターンで、つまりオオカミ少年はかなり古くからあるホラーだと思う。

    ・ザンパノ
    オッサンからはフェリーニ『道』のザンパノを思い出す。『新感染』も煉獄というか、生と死の間の生き地獄の話で『道』を連想したが、つながっている。ザンパノのその後を描いたような作品。
    ついでに、フェリーニの『道』は黒澤明の『羅生門』に影響を受けているのか?と勝手に思っている。原作はもちろん芥川龍之介。

    ・日本のアニメ
    たぶん大友克洋作品に影響されていて、『童夢』や『AKIRA』っぽい。ヨンサンホ監督ご本人の発言だと今敏作品が好きなんだそうな。最近観た大友作品は『ワールドアパートメントホラー』だが、大友先生も社会派コメディという感じがある。
    今敏さんも信本敬子さんも亡くなり、大友克洋の後継者がいなくなった……と思いきや、韓国映画に後継者がいた。ポンジュノが日本アニメや漫画に影響を受けているのと同様。

    ・詐欺
    村民が霊感商法の詐欺被害に遭う話である。「私は詐欺なんかに絶対引っかからない!」と思っている方が多いかもしれないが、人間は容易に引っかかる。引っかからないと思っている方が一番危ないかもしれない。心理学用語だと認知バイアスとかなんたらバイアスとか言われる。血液型占いもその一種で、アジア圏で広まっている。

    以前も書いたが、ブクログでも大嘘を書いているレビューに沢山のいいねがつき広まり、誰も指摘も検証もしない。Twitterでフェイクニュースが広まるのと全く同じ。『ファクトフルネス』なんていう本が流行ったのにも関わらず、である。いや逆に、人間は騙されやすいからこそ流行ったのかもしれない。

    映画も詐欺性が強い。先払いなので、私は常に「騙されに行く」。というのは、高校生の頃に映画館でランダムで観ていて、クソ映画もさんざん観たからだ。当時は1000円デー2本立てだったので、1本500円でクソ映画を鑑賞できた。観たあとに「ハァ〜今回もクソだったなw」と。騙されてクソ映画を観て、金をドブに捨てる経験も重要である。

    映画の出待ちCMも当然詐欺である。面白くて話題になっている映画なら、「泣けました!」「共感しました!」など、あんなCMは打たない。


    ・韓国映画が面白い理由
    これも以前から書いているが、韓国映画が面白いのは、日本の6〜70年代の映画やドラマの時期に相当するからだと思う。オリンピックで考えると約25年、いやもっと開きがある。

    ダム工事の映画だと『黒部の太陽』が有名だが、70年代の『女囚さそり 第41雑居房』、『エスパー魔美』の『生きがい』が1980年、加藤嘉さんが出てる『ふるさと』が1983年。なので、日本と比較するとどういう時代なのかがわかりやすい。

    例えば、ポンジュノの『グエムル』は『廃棄物13号』もだが、黒澤明の『蜘蛛巣城』に影響されたシーンがあるし、『パラサイト』も『天国と地獄』がルーツのひとつだと思う。

    しかし、若い映画ファン(私と同世代以下。私世代はすでに若くないけど)、最近の韓国映画が好きな人に「昔の日本映画はきっと気に入るよ。面白いから観た方がいいよ。」と言っても、ほぼ観ない。90%の人は観ない。ぜぇ〜ったい観ないね。

    だから、まるで私がこの映画の「オオカミ中年」になったような気分だ。でも、たまに昔の日本映画も抵抗なく見ている人がいる。そういう人は大概良いセンスをしていて、味方を見つけたような気分になる。

  • 冒頭からいきなり犬を殴り殺す、娘の通帳盗む、賭け事で負けて切れる、買収する、飲んで暴れる…何だこの作品…韓国らしく殺伐としていて自己都合で何でもまかり通る社会…よくこんな社会で生きてられるなぁ〜
    青年が店に入った時、三人それぞれに挨拶していたなぁ〜これって儒教思想だな…昔、朝鮮族の中国人達と一緒に仕事してきたのでこういう光景はよく見ましたね。目上に人には逆らえない…そんな戒律というかルールは根深いものがある。年長者には絶対な服従が必要な儒教思想は見ていると、ちょっと理不尽な気がしてしまいます。
    何処までも無慈悲に人の弱みに漬け込み、利用し、搾取し、貶めて平然としている…どうすればそんなことをしても平気でいられる鋼のメンタルを手に入れられるのかな?自分さえ良ければ他者などどうなろうと意にも介さない…そんな奴人間とは言えない。
    粗暴で自己中で他者を思いやることも出来ず、不満と鬱憤と怒りが渦巻いた肉食獣の様な男。
    観ていて心温まることも、優しい気持ちになれることも一切無い。有るのは絶望と怒りと諦念…「ソウルステーション パンデミック」も全く救いのない物語だったけど、本作も全く同じ。どうしてこんなにも酷く冷酷で無惨な物語を作っちゃうのかな?そこは全く意味がわからないな…これを観て韓国人は何を得るんだろうか?共感するところが有るんだろうか?

  • 韓国映画らしい

    “父親が私の人生を台無しにした!”
    そりゃそうだ
    あの父親を良い人になんかさせない

    韓国映画ははっきりと台詞にさせる。
    嘆きや悲しみが伝わってくる。

  • 別途

  • 3人のゴミ、誰も救われない。結局信じる者は救われるのか?

  • 2013 韓国 101分
    監督:ヨン・サンホ 
    声の出演:ヤン・イクチュン(ミンチョル)/クォン・ヘヒョ(ギョンソク)/オ・ジョンセ(ソン・チョルウ)/パク・ヒボン(ヨンソン)
    https://warekami-movie.com/

    ダム建設によって水没予定地となったとある田舎の村。まだ転居していない村人たちは土地と引き換えにすでに大金を受け取っており、そこに目を付けた詐欺師ギョンソクは、怪しい教団を率いて布教を開始。若くてイケメンのソン牧師を利用して、純朴な村人を騙して献金させ、いずれ逃げるつもりでいる。

    そんな村に久しぶりに帰ってきた粗暴な中年男ミンチョル。娘ヨンソンがせっせとアルバイトして貯めた大学進学費用の貯金通帳を勝手に持ち出して使い込み、娘にそれを咎められると暴力をふるうDVクソ親父だ。母親は怯えておろおろするだけで娘を本気で守れない。しかしそんなミンチョルが偶然にも詐欺師ギョンソクの正体に気づき警察や村人に訴えるが、トラブルメーカーの鼻つまみ者である彼の言葉を誰も信じず・・・。

    『アウトレイジ』だったか、「全員悪人」というキャッチコピーの映画があったけれど、この映画もまさにそれ。クズVSクズのクズ合戦。どっちも悪いやつなので観客は誰も応援できない(笑)終盤さらにもう一人クズが増えてクズの三つ巴状態。

    一応客観的に見れば村人から大金を巻き上げている詐欺師ギョンソクが一番の悪人なわけだけれど、彼らと戦う唯一の人物=主人公であるところのミンチョルがどこまでも粗暴で救いようのないクズ親父と来てる。村人たちは彼を悪魔に憑りつかれていると噂するが、娘の髪を掴んで引きずり回し殴るミンチョルの姿はほんとに悪魔のようで、誰も擁護しようがない(苦笑)

    ソン牧師は、一応善人ではあるが、あまりにも優柔不断で世間知らずの甘ちゃん。父親から虐待されていた女子高生を庇いきれずに自殺させてしまった過去があり、それを弱みとしてギョンソクに握られている。だがしかし例えば『尼僧ヨアンナ』の神父スーリンがそうであったようにピュアで信仰心の篤い人間ほど実はある一線を越えると何をしでかすかわからない怖さがある。終盤のこの牧師の変貌ぶりはいっそ痛快だ。

    私自身は一神教の神様や宗教は信じないけれど、それで救われる人がいることは否定しない。一種のカウンセリングというか、信じることで心安らかに日々を過ごせるというのならそれはそれで良いでしょう。本作にも粗暴なミンチョルを唯一兄貴と呼びなにかと気にかけてくれる弟分の村人がいるが、彼は貧しくて旅行にも連れていってあげることのできなかった妻が、神を信じたおかげで日々おだやかになり、安らかに死んでいけたことで神に感謝する。

    ある意味「最強のクズ」であったがゆえに最終的には「勝者」となったミンチョルだったが、その後の彼の余生はあまりにも皮肉だ。韓国アニメは初めてみたけれど、リアルな絵柄で内容的にも実写でもいけそうな社会派、なかなか面白かったです。

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