ノーラ・ウェブスター (新潮クレスト・ブックス) [Kindle]

  • 新潮社
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 5
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (445ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 知らずに読んだけど、映画「ブルックリン」の原作者だった!

    舞台は1960年代のアイルランド。
    夫を亡くしたノーラ・ウェブスター46歳が、再就職して家族のためにがんばるって話かと思ったけど、単純に前向きな話でもなく、子どもたちとも実の妹たちとも距離がある感じだし、再就職しても意地悪な人がいたり、おせっかいな親戚や近所の人なんかにいろいろ言われたり、楽しみを見つけようと、音楽をききはじめたり、歌を習ったりしても、すぐに、わー楽しい!って感じにならないところとか、なにやってもなかなかうまくはいかないところがリアルで好ましかった。
    そもそもノーラって人自体、ひとりでいるのが好きだったり、人からどう思われるか気にしたり、うじうじ考えるタイプと思いきや、意外と大胆な行動に出たり、なに考えてるのか、どういう人なのか、いまひとつつかみにくいって印象ももったんだけど、本来、人って複雑で、いろいろな面があって、考えることだってひとつじゃないよなーと。
    なにかがぱーっとうまくいったりはしないのだけど、一歩進んで二歩下がる、みたいな遅々とした歩みながら、でもほんの少しずつ前に進んでいく、みたいな淡々とした感じがよかった。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

コルム・トビーン(Colm Tóibín)
1955 年、アイルランド東南のウェクスフォード州エニスコーシー生まれ。1975 年University College Dublin 卒業。新しい視点から発信する詩、劇、フィクションは衝撃的で、映画「ブルックリン」の原作小説などで知られる、いま最も人気のあるアイルランドの作家の一人。アイルランドおよび外国でジャーナリスト、文学批評家としても精力的に活躍中。Aosdána(アイルランド芸術家協会)のメンバー。Stanford University、The University of Texas at Austin、Princeton University、Colunbia University そのほかで教壇に立つ。彼の作品の主要テーマ:アイルランド社会、海外生活、創作過程、ホモセクシュアリティのアイデンティティなど。
おもな邦訳書:『巨匠 ヘンリー・ジェイムズの人と作品』(伊藤範子訳、論創社)、『ヒース燃ゆ』(伊藤範子訳、松籟社)、『ブルックリン』(栩木伸明訳、白水社)、『ブラックウォーター灯台船』(伊藤範子訳、松籟社)、『ノーラ・ウェブスター』(栩木伸明訳、新潮社)、『エリザベス・ビショップ 悲しみと理性』(伊藤範子訳、港の人)、『母たちと息子たち アイルランドの光と影を生きる』(伊藤範子訳、行路社)など。

「2024年 『マジシャン トーマス・マンの人と芸術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

コルム・トビーンの作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×