- Amazon.co.jp ・電子書籍 (304ページ)
感想・レビュー・書評
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大手広告代理店・電央堂が社員採用選考の最終段階で実施した「プロパガンダゲーム」。それは、学生たちを政府チームとレジスタンスチームに分けて、隣国と戦争を行うべきかどうか、戦争の是非をかけてネット上で宣伝戦を行うというもの。
「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」、「諸君には、このゲームの中で宣伝の本質に迫ってもらいたい。正解はない。勝敗が全てでもない。ゲームの中で最も鋭敏な活躍をした人間を、わが社に採用するつもりだ」。
宣伝合戦の攻防がなかなか面白かった。(何気ない言葉尻をいちいち捉えて女性蔑視とキレる梶本女子はかなりウザかったけどね)。ゲーム終了後の展開は、陰謀説とかが出てきていまいち。ラストもなんだかなあ。
「一般人が求めてるのは、リアルじゃない。自分に都合の良いリアリティなんだよ」、「俺たち広告代理店は常に、『リアルだと思いたいリアリティ』を大衆に提供する」は名言?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代は情報社会。否、情報操作社会と置き換えても過言ではない。そんななか、溢れる情報を精査し、自分の頭で「何が正しいか?」を判断することが求められる。
ただ、そうやって捻り出した回答が必ずしも正解とは限らない。
このズレこそ、世界の落とし穴なのかもしれない。 -
情報を武器にしたプロパカンダゲーム、そもそもゲームと名付けられているところに皮肉めいたものを感じた。大衆としての自分自身の扇動のされやすさや熱くなりやすさを恐ろしく感じこれは広報なのかジャーナリズムなのか、自分はマスコミに扇動されていないかを自分自身に問ういいきっかけとなった一冊であった。
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初めは、気になっていた「六人の嘘つきな大学生」と似てる感じかな(まだ読んでません)?と思い、KindleunlimitedでDLして、ちょっとだらだら読み始めたが、ゲームが始まってから結構すぐに読み切りました。
固有名詞がリアルでした(笑)
本は大きく分けて
選考イントロ(自己紹介やゲームの説明)⇒ プロバガンダゲーム(大部分を占める) ⇒ 選考後 ⇒ さらにそのあと
という流れ。
最後の最後はそういうオチ?と、微妙な気がしたけど、ゲームや選考後のところはかなりページターナーでした。
二つの国の間にある小さい島の領土権をめぐり、戦争を始めるべきか否かの国民投票を行う。学生たちは政府(戦争推進派)とレジスタンス(戦争反対派)の二手に分かれて国民の票扇動を行う。
設定がどうしても竹島、尖閣、北方領土を想起させるリアリティの強いもので
「これ、もし日本が実際に数年後に直面することだったら、自分はどうする?」
と一々考えさせられる。
また、ウクライナや世界の色々な場所で実際に起こっている戦争のことを考えてしまう。
情報の扱い方、見極め方、心理、正しい正しくないの物差しはどれほど重要なのか・・・物語が進むにつれてゾッとすることも多かった。(投票直後の感じも結構怖い)
これから政治ニュースをより楽しめそうです・・・。
登場人物についてはキャラが結構しっかり分かれているが、後藤や一部を除きあまり深いエピソードはない。物語はそれでも十分成り立つけど、もっとそれぞれの人物視点で各章が語られても面白いかなと思った。誰がスパイなのか常に気になりながら読んだ。
著者の他の作品やジョージオーウェル1984を読みたくなります。 -
テンポ良くサクサク読めた。一気読み。
たった2時間で情報収集とメンバーのコンセンサスと広報活動を行うってかなり大変。メンバー全員が優秀じゃないと出来ないだろうな。
後半の陰謀論的な展開は唐突な気がしたが、ここからウィザードグラスに繋がってた訳ね。納得。 -
最初は小難しく感じたけど最後は引き込まれた。
よくストーリーが練られていたし、語彙力も付くなと思った。
人に薦めたい本。 -
プロパガンダ・・・が政治によく使われるとは聞くが、
この本では就活の最終テストに「戦争を誘導させる国家vsそれを阻止するレジスタンス」にチーム分けしてゲームをする。
プロパガンダとはなにか?そしてそれによって得られるフィードバックとは?を明瞭にして書いていた。かなり面白い。 -
一気に読める。
単純に次がどうなるのかというスピード感もあるし、ちょっと立ち止まって世の中を考えようという気にもなる。 -
一企業の採用試験で、戦争の是非をテーマに熱い議論が繰り広げられる。ゲームとは思えない迫真の攻防と形勢逆転の連続に引き込まれました。
あり得ないとは言い切れない物語の展開に考えさせられる何かがありました。