- 小学館 (2018年1月30日発売)
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感想 : 2件
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みんなの感想まとめ
自分と向き合うことの重要性がテーマとなっている本作では、武道の奥深さと人生の道としての側面が描かれています。合宿中の言葉を交わさない状況は、仲間との連携を奪い、各メンバーが自らの内面と向き合うことを強...
感想・レビュー・書評
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誰とも話さないということは、自分と話すしかない、ということで否が応でも自分と向き合わなければならないというわけですね。自分と薙刀と。これって少年鑑別所なんかでも同じで、誰とも会話してはいけない(この場合は私語)ということで自分のしでかしたことと正面から向きあうことができるようになるというわけです。
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今、甲子園では高校野球が行われている。
高校野球は、汗と努力・青春の魅力に溢れている。
真夏のさなか負けたら終わりのトーナメント、
失われる時の物語だ。
仲間たちと過ごす最後の夏、友情の物語でもある。
人々はそのドラマに心打たれる。
それは見る者にとっても、プレイする者にとっても、
壮大な青春劇といえる。
本巻では、
ひとつのアンチテーゼが投げかけられる。
まずは合宿中、
面・銅・小手・脛といった技の掛け声以外、
言葉を交わしたり発することが禁じられる。
仲間との連携は奪われ、
各メンバーは独り独りに分離される。
否が応でも自分と向き合うことを求められる。
表層ではなく、
その奥底にあるものを突きつけられる。
本質と対面する。
武道は部活であるべきではない、
といった言葉も登場する。
武道は道であり、
人生をかけて寄り添っていくものだと。
部活のように刹那に区切られ、
仲間とともに過ごすものではないと。
日本人は時の終わりに敏感な種族なのかもしれない。
終わりがあるからこそ、
そこに美しさや切なさ、儚さを見い出す。
それに対し道はある種、したたかだ。
長い時間をかけた、
終わりのない取り組みといえる。
刹那を永遠に閉じ込める。
そんな企みともいえる。
こざき亜衣の作品
