AI vs. 教科書が読めない子どもたち [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • どのようにAIに学習させたかという話が面白いですね。
    AIは何を得意とし、何を苦手とするのか?
    というのが よく理解できます。
    今の子供たちとAIは
    同じことが苦手なわけで
    これでは AIに出来る仕事は
    人間からどんどん奪われ
    AIに出来ない仕事をできる人間がいない
    という 最悪のシナリオになるじゃないですか・・・

  • 人工知能ができることと、できないことを整理した上で、人工知能ができない「意味を理解する力=読解力」を対象にした教育を強化することで、経済力強化はもちろん人間力強化を訴える著作

  • AIはまだ存在しないのだと知って少し安心しました 
    ですがなくなる仕事はあるのだと知りました。
    世の中わからないことばかりですね!

  • もうAIはできていたものだと思っていたので、勘違いしていたんだな、と思うことが多かったです。読解力をつけるために読書をなるべくしようと思いました

  • AIとは何か。AIで代替されてしまう仕事、ひいてはAIが行うことのできる能力は何か?ということについて、平易な表現で解説してくれている。

    後半で、教科書が読めない子供たちについての話が出てくる。教科書すら読めない、つまり、読解力がない中高生がかなりの割合を占めてきている。

    係り受け、照応などの読解力はAIでも代替可能。一方で同義文の判定、推論、イメージ同定、具体例判定、これらの能力についてはAIが苦手とする分野である。ただ、著者が行った調査では、後者は確率論をやや上回る程度…。(4択であるため、25%を上回る程度)

    衝撃的な記載であった。

    ではどうすればいいか?ここでも衝撃だったのが、読書量との関連付けはないこと。一方で、どうやら家庭の経済力は相関関係があるらしい。

    そして、個人的には非常に残念ではあるのだが、明確な処方箋はないのではないか、とのこと。読めない人にはそれぞれ理由(わからない語彙を飛ばして読んで理解した気になっている、ドリルに頼りすぎ、記述に矛盾があっても活字だと信じてしまう、など)があって、偏りのタイプがあるためだそう。その中で著者がひとつ挙げていたのが、多読ではなく、精読、深読、ということ。

    実際はわからないけれど、私見としては、そうかもしれないと思う。知的好奇心をもって、わからない単語や文章の意味がわからなければ調べ、答えにたどり着き、その文章自体も理解する……それの繰り返しによって、読解力が身につくのではないか?著者はアクティブラーニングにも課題を呈していた。答えにたどり着くことが目的でないことは示したうえで、読解力がない者同士でそれを行っても、正しい理解につながらない危険性をはらんでいる、と。それを踏まえると、やはり、読書量ではなく、どれだけ中身を理解したかがポイントになってきて、辞典でことばを調べ、さらに百科事典などで理解を深め、それについて他者と協議する。こうした過程で、間違いに気づいたり、文章の真偽や意図を理解する。そうしたことが、大事そうに思える。

    著者は今後のAIと共存していく社会について述べたうえで、重要なのは柔軟になることだという。人間らしく、そして生き物らしく柔軟になる。AIが得意な暗記や計算に逃げずに、意味を考えることだと。生活の中で不便に感じていることや困ったことを探すのだと。

    意味を考えること、これに尽きると思う。単に読むだけではなく、読解力に過信することなく、理解を深めていくこと。

    著者は、読解力は大人でも伸びると経験談から書いている。

    改めて、読解力を付けられるような、読書をしていきたいと思う。

  • シンギュラリティに関する見解は著者と一緒なのでフムフムと楽しく読めましたが、タイトルにある「教科書が読めない子供たち」に関する記載(統計データ等)はちょっとゾッとしました。
    あの程度の文章を理解できない子供が何10%もいるってちょっと洒落にならないですね。というのと、同義文判定の問題の正答率がコイン投げ並みであるという事態について、それが「深刻なのかどうか」を自ら判断できないような記者が新聞記事を書いている---そのことに慄然とせざるを得なかった、という下りにも衝撃を受けました。
    最後にちょっとした希望を生み出すための話もありましたが、ウーン、暗くなっちゃうなぁ。

  • 数学者が語るAIの今と人の未来。

    話題の本でがっつり興味のある分野なので読んでみたが実にたーのしー。読書ってこんなに楽しかったんだ。

    AIはコンピュータプログラムだから、それが変わらない限りどんなに進歩しても与えられたフレームでしか課題を解けないし、解く方法も論理、確率、統計の数学的手法のいずれかでしかない。極論すれば文章問題は意味を理解しなくても人間に解を提示できる。Googleフォトで「猫」と検索すれば自分の写真から猫が写っているものをほぼ確実に検索できるが、Googleフォトは猫がなんであるかは知らない。

    では、と、意味を理解できる人間の方は、と試したら読解力は教科書が読めないレベルの人が予想以上に多かった。しかし、読解力はスキルである。適切に訓練すれば高めることができる。AIに仕事を奪われないためにはこれは重要だ。

    という流れ。しかし読解力を高める方法は研究途中として示さない。どこまでいっても学者の本。

    そしてベストセラーである。多くの人に読まれるということは当然その中のかなりの割合が本書のRSTで低いランクに該当してしまう。書評を見ると読解力不足の見本市になっていてまた楽しい。ベストセラーじゃないと書評欄はこうはならない。

    曰く「貧困は読解力に悪影響を与える」と「経済状況と読解力は負の相関がある」は矛盾してますね編集者読解力ないですね<お、おう(流れからして経済状況の横軸は就学補助率です)。

    曰く「ベーシックインカム導入がいいと思うが作者は否定的。なぜ反対なのか詳しい説明がない」<いや代案で十分説明になってなくない?

    RSTにハッとさせられるのは戸田市の先生ばかりではなく、自分もいくつかひっかかった。中でもグルコース・セルロース問題は怖い。ナチュラルに空欄に「グルコース」って入れて先に進もうとして、「ま、まて、セルロースとペアになる単語はデンプンだ」と化学知識でようやく切り抜けた。

    逆に言えば、リーディングスキル向上のヒントはそういったところにあると思う。コンピュータはテキストからしか考えることができないだろうが、ヒトは文章問題に化学の知識を持ってきてもいいし、図に書いて考えてもいいし、あらゆる人生経験を探ればなにがしか答えがあるはずだ。

    読解力はスキルで誰でも訓練により高めることができるというのは、絵を描くことがスキルで視力と普通の手先があれば誰でも可能ということからの類推。

    AIによる恐慌はあるのかないのかわからない。しかし、本書の後ろにあるように、人生を豊かにすることを考え、そのための道具として進歩したコンピュータを使うことを考えていけば、きっと明るい未来が拓けるだろうという気がする。

    ヒトは大脳新皮質という内なる情報ツールを利用して生きている。これをもっとうまく使えれば(リーディングスキル向上などが該当)、外部の情報ツールももっとうまく使っていけるだろう。

  • AIの不得意な部分と、人間がどう進んで行くべきか解りやすく解説
    刺激的な話も多く、退屈せず最後まで読み切った

  • 著者は東ロボくん(東大入試合格に向けて作られてるAI)の研究を通して、AIがきっとこうなる、とかロマンやイメージで語るのではなく数学者の立場として、AIは現在、ここまでできる、ここからできないと理路整然と説明しててわかりやすかった。AIに仕事を奪われる時代が来ている事を危惧しつつ、東ロボくんの研究で、どうしてもAIにできない分野、この分野で人間が働く事で、AIとの共存が見えてくる。ところがところが、調査をしてみるとその分野の中高生の成績が恐ろしく低い。4択問題で25%以下。ランダムで選ぶより低いという…。それは大雑把に言うと文章の意味を理解する能力。この能力はさらに細分化されるのだが、結局は問われている意味が理解できないという問題を解く以前のところでつまづいている人が多いというデータが取れてしまったという事。本の中では「人生を左右する問題」として表現されてた。子どもは未来の財産だと思うのだけど、その子ども達を路頭に迷わせないように大人も一緒になって考えなきゃなぁと思ったよ…。うまく説明できなかったけど是非読んでほしい。

  • AIとAI技術は異なり、AIはまだ完成されていない。日本企業でAIが進まない要因も触れていた。何があだとなるかはわからないものだ。
    中高生の読解力の低さに驚く。自分は大人になったから多少は高いのだろうか、子供の時はどうだったのだろう。
    AIの学ぶ内容が教師データを作る人の主観で決められていることにぞっとした。将来どんな仕事が見込みがある仕事につくには、AIができる暗記や計算より、意味を考える、見出すこと。生活の中で困っていることを見つけて仕事にすればいいと筆者は言う。再読して子供に必要な具体的な教え方を再考したい。

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著者プロフィール

新井 紀子 国立情報学研究所(NII)教授,一般社団法人「教育のための科学研究所」代表理事

「2020年 『IT超初心者のためのedumap活用スピードガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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