- Amazon.co.jp ・電子書籍 (217ページ)
感想・レビュー・書評
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月面に人類が移住した2080年代の世界が舞台。
アンディ・ウィーアーの2作目ですが、「火星の人」や「プロジェクト・ヘイル・メアリー」とも同じく、主人公ジャズ視点で話が進む。
主人公はサウジ生まれ、お父さんが優秀な溶接工、自らも溶接工として優秀な才能を持ちながら運び屋(ポーター)として働くジャズ。
いわゆるムスリムの女性という雰囲気は一切なく、20代半ばという年齢を鑑みてもなかなか破天荒なキャラクター。
とある大富豪からとんでもない仕事を依頼され、大金に目が眩んで引き受けるももどんどん危険なことに巻き込まれていき、有毒ガスが発生させ、多くの人の命が危険にさらされ・・
酸素に満ち、火気を徹底的に恐れ、アルミを製錬し鉄のようにあらゆる場面で使い、軽い重力でジャンプして移動する月面文明の世界観はぎりぎりイメージできる感じで嫌いじゃない。
ものづくりへの想いが感じられる設定なんですが、細かいことをやりすぎなのか、少し分かりづらいような気がするのが残念。
溶接工ですが、時にはダクトテープも活用します。さすがアンディ・ウィアー。
ドタバタの破壊工作は実に面白いのですが、ジャズ視点で語られる月の文明社会の世界観についていくのは結構大変。
本作は映画化の話があったようですが、その後の「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が先に進んだせいか、こっちはストップしているよう。
ジャズは非常にスマートな一面もありますが、どうにも年齢の割に子供っぽい描写が目立つので、アニメの方が親和性がありそうです。結構映画向きのストーリーな気がするので、いつか見てみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思案の末にしぶしぶ下巻にとりかかる。久々に途中挫折かと思った上巻とは裏腹に、下巻はなかなかいいぞ。最初っからこういう行動原理で描いてくれればいいものを。主人公のキャラがチンピラすぎる。変なはなしだけれどやっぱり「ザリガニの鳴くところ」ってすぐれた作品だなぁといらぬ比較なんかしてしまう。
人類初の月面都市のさまざまな設定は興味深い。小さな子供連れで何年も暮らすのだったら教育機関は必要なのではないだろうか?やっぱり民間企業での運営になるのだろうか?とかいろいろ想像も広がり、月を見上げながら近い将来実現するだろう都市を想像するのは楽しい。
映画化されたら設定もいろいろ手を入れられるだろうし面白いものになるかもしれないな。 -
アンディ・ウィアーの「アルテミス」上下巻を読み終わりました。
ふむ。
映画「オデッセイ」からの、小説「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を経て、小説「火星の人」とアンディ・ウィアー作品に触れてきました。あまりに面白いことに気がついたので、「火星の人」と「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の間に発表されている小説「アルテミス」も読んでみました。
ふむ。
「火星の人」と「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、宇宙での極限状態でのサバイバルものだったのに対して、「アルテミス」は月面都市での犯罪アクションもの、と、全然方向性の違う作品でした。
主人公は、観光都市化している月の都市「アルテミス」に住むアラビア系の26歳の女性。月社会の底辺を支える労働者階層。頭はいいけど、犯罪ギリギリのことも平気でやってのける、ちょっと過激な女の子。
他の方の感想にも書かれているけれれど、先の2作と比べると、主人公に共感が抱きにくかったかなー。
とはいえ、月面都市が現実化したら、こんなふうな仕組みで、こんなふうな生活になるのかなーというのが想像できて楽しかった。
これこそ映像化したら楽しそう。
でも、撮影難しいかな。アニメ化、ならいけそうだな。 -
詳細は、『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』をご覧ください。
→ http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1792.html
とにかく予想もできない展開。
機械的なことの詳しい説明などついていけないような、わかったような。
後半は面白くて一気に読み終わりました。 -
主人公は月で育ったから地球に戻されたくないという考えが面白い。月のメンバーは月での生活を愛してますね。
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設定はおもしろかったけれど、内容は、ふつうのミステリかなーという気も。殺人事件が起きて主人公が巻き込まれ、犯人をさがす、という。月の危機を救うサスペンスアクションにもなるけれど。
ミステリやアクションがそれほど好きではなくなってきたので、単なる好みだけど、「火星の人」のほうが好きだったかも。
これ続きがありそうっていうか、その気になれば「月面探偵」とかいってシリーズにできそうな。 -
ジャズは気持ちのいい主人公で登場人物もみんな個性的で魅力がある
特に最後で、初めの方から提示されていた何故ジャズが四十一万スラグを稼ぎたいと思っているのかが分かったとき、私はとてもこの主人公が好きだなと思った -
サクサクと読めたけど。SFというよりサスペンス物かな。ジャスミンが大金持ちの頼みを聞いて月のアルミニウム会社の鉱石回収機械を破壊したところ、あと一台のところで失敗してしまい、その会社に雇われた殺し屋に付け狙いされる…。
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