ネット・プロモーター経営―顧客ロイヤルティ指標 NPS で「利益ある成長」を実現する [Kindle]

  • プレジデント社 (2013年1月29日発売)
4.50
  • (6)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・電子書籍 (378ページ)

みんなの感想まとめ

顧客ロイヤルティ指標であるNPSの重要性とその活用法について深く掘り下げた本書は、シンプルな問いかけを通じて、ビジネス成長のメカニズムを学ぶ手助けをします。NPSの測定は一見簡単に思えますが、その本質...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • NPS 2.0

    教訓
    1. NPSは柔軟性と適応力に富むシステム。ほとんど10点満点の質問形式だが、5点満点のケースもある。どのくらい可能性があるか、という質問形式が好まれるが、それ以外のケースもある
    2. 絶対に省けない三要素。
    ・タイムリーで透明性のある方法での推奨者と批判者の分類。結果を元に組織が行動できるくらい直感的にわかる必要あること
    ・クローズドプープ
    ・経営陣が最重要ミッションに掲げる、経営哲学と戦略上の優先事項の中心となっていること

    ◯良い利益と悪い利益
    悪しき利益
    ・平凡なサービスで高価なUSエアウェイズは高いシェアを持っており顧客は他に選択肢が無かったが、サウスウエストが低料金と優れたサービスで参入すると、顧客は飛びつき、US Aが値下げしても離反は続いた。
    一社独占ではNPSの戦いにならない
    良い利益
    ・素晴らしい顧客体験に経営リソースを振ることで、顧客が顧客を呼ぶ。
    分離ができない
    ・財務諸表では良い利益悪い利益を区別できず、基本的に利益しか追っていないとロイヤリティを考えられない

    ◯成果を測定する基準
    顧客が個人的な推奨を行う条件
    1. 優れた価値を提供されていると信じられること
    2. 企業とのリレーションシップに対して良い感情を持っていること、理解尊重、信条を分かち合っているという確信

    ◯NPSが成長をもたらすメカニズム
    ・自社の市場シェアの9割は競合他社と比較した相対的NPSで説明できる。フィリップスのNPSが高い製品と低い製品で成長率の市場比較を出して分析。

    経済的恩恵の試算
    ・将来のキャッシュフロー合計額を現在価値に割戻し、これを推奨者、など属性ごとに差を比較

    推奨者と批判者を分かつ指標
    ・顧客維持率: 平均的な維持期間の違いは?
    ・価格: 推奨者は通常価格に他のお客ほど敏感ではないし企業の成功を祈っている。それぞれのマージンを見る
    ・年間購入額:
    ・費用対効果: クレーム対応コスト、マーケコスト、定量評価は難しいが、推奨者からの肯定的フィードバックが第一線営業マンに前向きなエネルギーを与え、離職率を下げる
    ・口コミ: 詳しく考察する必要あり。推奨による新規顧客の割合の定量化、新規顧客の生涯価値にマーケコスト節約分も含める、批判的口コミもコストとして割り振るべき(先3〜10件の肯定的口コミが相殺され、紹介客が何人失われるかで推定する)
    ・推奨者と批判者の価値の差は多くの部分を口コミに起因する
    ・コメント数を分析して、もたらした経済価値からコメントの価値を算出
    ・批判者がもたらす損失、推奨者がもたらす価値を割り出すことで、転換によるプラス効果と、批判者がもたらしている損失の過小評価を防げる
    ・NPSで大事なのは競合に対する相対比較
    ・NPSそのものが真の目的ではない、高いNPSそれ自体が成功をもたらすわけでは無い。顧客とのリレーションシップの質を測定するだけで、高い顧客リレーションシップは収益性を伴う成長の必要条件であり十分条件ではない。
    ・企業のシェアが上がり、市場支配力が増すと悪しき利益の罠にハマりやすくなる。悪しき利益成長を経営陣が望んでいなくても、利益拡大のプレッシャーにさらされる中で顧客リレーションシップから搾取したくなる誘惑に駆られる。
    しかし独占状態が永遠に続くわけではなく、新たな技術やサービスの登場、規制の変更もある。独占企業にとっても良好な顧客リレーションの形成は競争激化への備えになる。

    ◯エンタープライズの事例
    評価システムのポイント
    ・推奨者を増やす、中立以下を減らすという目標を持つ
    ・質問を直近のサービスに対する満足を聞くものに絞った

    改善を促す仕組み
    ・研修
    ・現場での解決: 質問票と同じことを聞かない、満足度を聞くのではなく、利用経験を向上させる方法を探る。本当に良いアイデアは現場から出てくる

    ◯NPS測定の原則
    1. 究極の質問をたず、それ以外は極力減らす
    2. 0〜10点法の長所は、10,9がA,A-,9-7がBCと普通、6以下は不満足ポイントありとすぐ理解できるし、上下を取り違える心配もない、5点だとロイヤリティの重要な差を隠してしまう
    3. 自社調査(ボトムアップ)と外部調査(トップダウン)を混同しない
    4. 特にコア顧客やターゲット顧客からの回答率向上を最初は目指す。NPS調査の目的は単なる意識調査ではなく、顧客を分類し定量化できる形で行動を予測すること。解答率は8割を超えるケースもあるが、65%を下回るならプロセスの改善が必要
    5. 正確さの担保: 回答の報復を受ける立場に顧客がいないか?、収賄を防止するには社員教育が重要、
    6. 顧客スコアと行動の相関を定期的にチェックする

    ◯経済性と動機づけ
    ・NPSの、心地よい側面に夢中になり全ての顧客接点で推奨者を作ろうとすることがある。推奨者が沢山いれば利益が勝手についてくると思うかもしれないがこれは意味をなさない。プレゼントや値下げはNPSと相反して利益の急落をもたらすためそのバランスが肝要。
    ・経営陣ら自ら推奨者になるくらい従業員をやる気にさせて関与させなければ推奨者の創造など不可能であることを忘れがちだ。そのためにeNPSは役に立つ。ただし顧客の NPSよりかなり低くなら傾向にあり、絶対値での目標設定は通常誤りである。な
    ・NPSを成果に繋げている企業は財務報告書にNPSを含めている。、

    経営陣が本気で悪しき利益を排除しようとするまで、従業員のロイヤルティを獲得することはできない。そして顧客のロイヤルティも幻想に終わる。

    ◯クローズドループ
    ・毎日のリズムの中に、顧客のフィードバックを組み込むこと、各々の顧客の問題解決に加え、製品とそのデリバリーの改善を行うこと
    ・需要のネットプロモーター採用企業は、24時間以内に全ての批判者に対して連絡を取るようにしている。本当に気にかけているというメッセージを伝え、顧客が懸命に覚えているうちに状況を把握するため。
    ・アップルでは責任者(マネージャー)自らこれを行なっており、その差異が財務的にそれどけの価値があることも確認している。
    ・顧客コミュニティを作り、顧客接点を増やして改善活動に活かしている。

    ◯顧客中心の組織再編の例
    ・CMOを顧客接点を担う部門のヘッドに置き、黄金律に従った対応を取っているか目を光らせた
    ・各部門で機能別分業を行なっているために顧客がたらい回しになりNPSが下がっていたものを、各部から集めたメンバーで構成する混成チームで対応するようにしたところ、NPSもeNPSも上がり新たな売上にも繋がった

    ◯人材採用、入れ替え
    ・NPSと連動する報酬を目当てにするのではなく、基本的価値観として他人にサービスすることが好きな人を採用する。基本的価値観に関する教育は行わない。
    ・NPSと報酬の連動は慎重にすべき、スコアアップが目的化しやすくなり、測定プロセスを作ることへのプレッシャーが高くなり、不正操作も誘発しやすくなる
    ・最終的には報酬との連動を行うことが効果的だが、数年かけてゆっくり行うべきこと。これはトップダウン型のスコアについてであり、ボトムアップ型のスコアを報酬に結びつけて成功に導けている会社はごくわずか

  • カスタマーサクセスのプロダクト開発をしたときには本書を教科書にしました。
    NPSを測定して、成長につなげるメカニズムを学べます。

  • NPS. 知人にこの商品をすすめますか?というシンプルな問い。
    そのシンプルな問いの重要性、そして有効活用の難しさ。
    単なる手法礼賛に留まらず不都合な面まで言及するのは、それこそこの本のNPSを高めるという姿勢のためだろう。
    あらゆる企業人に必読の書籍。

全3件中 1 - 3件を表示

フレッド・ライクヘルドの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×