外国語を話せるようになるしくみ シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム (サイエンス・アイ新書) [Kindle]

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  • SBクリエイティブ (2018年5月15日発売)
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みんなの感想まとめ

英語をマスターするための効果的な手法として、シャドーイングの重要性が科学的に解説されています。著者は、シャドーイングが話すスキルや記憶力向上に寄与する理由を明確に示し、単なる音読よりも効果的であること...

感想・レビュー・書評

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  • (序章)
    コミュニケーションのプロセス
    ① 理解...話し相手の発話を聞いてその発話の文字通りの意味を理解し、その上でその発話の意図を解釈する

    ② 概念化...理解した発話の意味や相手の意図をものに、どのように反応・返事をするか考える

    ③ 発話...言うべき内容が決まったら、それを言語化して、発音して産出する
    ➙ 母国語では②は若干時間を要しても①と③は時間をかけずに行えるが、外国語ではそうはいかない


    外国語のコミュニケーション能力を身につけるのがなぜ困難なのか
    ① 学習時間の差異
    ② コミュニケ―ションの同時並行処理 (上記参照)
    ③ 母語と学習対象言語の言語距離


    コミュニケーションに必要な能力
    ① 文法能力
    ② 社会言語学的能力...状況や文脈に合致した言葉を使用する能力
    ③ 談話能力...一貫した文章を生み出すための、指示詞 (代名詞)、言い換え、省略などを駆使できる能力
    ④ 方略的能力...適切な単語が思い出せないときに、それに対処するために、言い換えや繰り返しなどの方略を使ってその場を切り抜ける能力
    ⑤ 心理言語学的能力...一定の時間内に素早く、しかも安定して反応する、自動化した処理を行い能力

    ⑤を獲得するためのポイント
    1) インプット処理
    2) プラクティス
    3) アウトプット産出
    4) モニタリング

    1) インプット処理
    ➙ 現在の学力レベルを「i」とすると、学習教材は語彙・文法などの未知の言語形式がごく少量だけ含まれてはいるものの、それらの意味内容はほかの言語情報から明らかに推測が可能な「i+1」が最適であるとし、そのレベルを厳密に統制することが必須で、そのようなインプットをどれだけ大量に摂取できるかが外国語習得の最重要ポイントであると指摘する。(S.Krashen)

    4) モニタリング
    ➙ 第二言語の処理や学習をしている自分自身の認知の状態を客観的な、第三者的な目から見て認識する活動


    (第1章)
    外国語のコミュニケーション能力を身につけるのがなぜ困難なのか
    ① 学習時間の差異
    = インプットの質と量の問題

    シャドーイング
    多聴・多読...現在の学力レベルよりも下の教材を興味に応じて多く読む、聴く学習法で、楽しくやることを目的とするため内容を確認するテストなどは行わない。

    原則1:英語は英語のまま理解する
    原則2:7-9割の理解度で読む
    原則3:つまならければ後回し

    読んだ瞬間に意味がすぐわかることを実感することが重要なので優しすぎるものでもOK (目安は読みやすさレベル0...必要語彙200語ー300語 からレベル6...必要語彙5000語)
     

    ② コミュニケ―ションの同時並行処理
    ➙ 頭の中にある学習システムをいかにしたら効果的に・効率よく機能させられるかという問題


    リスニングのメカニズム
    ① 音声処理
    ② 意味理解
    ➙ 1) 語彙処理 2) 文法処理 3) 意味処理 4) 文脈処理 5) スキーマ―処理 (処理しようとするテキストに関連して、頭の中に持っている様々な一般常識などと関連する背景情報を活用して、意味解釈を行うこと)

    シャドーイングによって効果的に①②を同時に鍛えることができる

    ・「あ」と発音する口の形を見せられながら「お」の音を聞かされると「お」には聞こえない ➙ マガーク効果
    ・自分で正確に発音できない音は、正確に聞き取ることはできない


    (第2章)
    記憶モデル
    ① 感覚記憶 (数秒)
    ➙ 聴覚、視覚などでインプットし、何も処理しないでほぼそのままの形でごく短期間保持する記憶のこと。ともに保持できる時間は1秒前後だが、聴覚のほうが視覚よりもやや長い

    ② 短期記憶 (20秒程度、潜在記憶)
    ➙ 電話帳で電話番号をダイヤルする際や、クレジットの番号を入力する際に忘れないように心の中で意識的にとどめておくような記憶のこと

    ③ 長期記憶 (ほぼ永久)

    1) 顕在記憶
    ➙ 記憶を取り出すのに意識が必要

    a) エピソード記憶
    ➙ 個人的な出来事の記憶
    b) 意味記憶
    ➙ 辞書的な情報や百科事典的な知識

    2) 潜在記憶
    ➙ 記憶を取り出すのに意識が必要ない

    a) 手続き記憶
    ➙ 車の乗り方やダンスの踊り方など物事を実行するときの手順や方法に関する記憶
    b) 知覚表象システム
    ➙ 音や絵、文字など何度となく繰り返し見聞きしているうちに、その近くが素早く、正確に心の中で実行される現象。
    例) 名前もいつどこで会ったのかもわからないがどこかで見たことある人や、曲名は思い出せないが聞いたことのある楽曲だと思うこと

    長期記憶の多くは短期記憶を経て蓄積される
    例) 最初のうちはアクセルの踏み方やハンドルの切り方などを意識して操作する。(短期の顕在記憶)それを繰り返すことでやがて長期の潜在記憶として定着する

    文法や語彙の知識も同様で、最初は意識的な覚えたものも繰り返し記憶することで潜在記憶になる


    多聴・多読
    ➙ 同一の単語や語句を異なる文脈の中で何度も処理を繰り返すことで大きな学習効果が得られる


    スピーキングの仕組み
    ① 概念化装置...メッセージ作成

    ② 言語化装置...頭の中で言葉にする

    ③ 調音装置...実際に声に出す


    (第4章)
    話し言葉の意味の処理とは独立して、それとは別個に、聞こえてきた音声そのものをそのまま一時独立的に保持する仕組みが脳の中には存在する

    5回までのシャドーイングの繰り返しは効果的だが、それを限度として、それ以上繰り返してもさらに正確にできるようにはなりにくい

  • 一冊の本を通して、英語のマスターには、シャドーイングが効果的であるということの裏付けを解説されています。
    ならば、無条件で信じてシャドーイングをするだけでいいのでは。とか思ったりもしますが。やはりその効能の理由をしっかりと把握して腑に落ちてから、おもむろに勧めていくというのが挫折が少なくなるのではないかと思います。

  • 丸善で見かけて買ってみた。こういう仕組みの解説本って好き。ノウハウとか体験談だけのが多いからね。

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著者プロフィール

関西学院大学名誉教授、TORAIZフェロー(顧問)。
博士(応用言語学)。第二言語習得の認知的・社会的認知しくみについて研究。

「2025年 『改訂第2版 決定版 英語シャドーイング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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