- SBクリエイティブ (2018年3月5日発売)
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感想・レビュー・書評
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集中力が必要(つまり効率化したい)ならば、
すべてを機械化すればいい。
でもそうではなくて、ひとつのことに集中せず、バラバラと余計なことを考える(一見余計な事をしているように思える)から新しいアイデアが生まれるのであって、
そこに人間らしさというものがあるのではないだろうか?
効率化ばかりを求められてせかせかしたこの世の中に、改めて「人間らしい余計なものがたっぷりの日常」もいいなと感じさせられる本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
集中しないことが、人間らしさを守るのかもしれない
森博嗣著『集中力はいらない』を読んで
「集中することが正しい」と思い込みすぎていないか
この本を読んで、私は少し気が楽になりました。
世の中では、集中することは良いことだと当たり前のように語られます。仕事でも勉強でも、ひとつのことに没頭できる人が優秀だと見られがちです。けれど森博嗣さんは、そこにあえて疑問を投げかけます。
その視点が、今の私にはとても新鮮で、同時によくわかる気がしました。
著者は、機械に任せられる仕事なら機械に任せればいい、人間はもっと自由にならなければいけない、と言います。私はこの言葉に強く頷きました。
AIが広がることで仕事がなくなると不安に思う人は多いですが、私はむしろ、機械に任せられるものを人間が手放せるなら、それは悪いことではないと思っています。人間まで機械のように、速く、正確に、同じことを繰り返す必要はないはずです。
本来、人間の役割は、決められたことをただこなすことではなく、まだ形になっていないものを感じたり、考えたり、寄り道したりすることにあるのではないか。そんなことを、この本は改めて考えさせてくれました。
経営も創作も、少し力を抜いた時に見えてくる
特に印象に残ったのは、本当に新しいものを生み出す人は、一つのことだけに集中しているわけではないという視点です。
成功した人は、一心不乱にひとつのことをやり抜いたように語られることが多いですが、実際にはそうではないのかもしれません。あらゆるものを見て、関係なさそうなものまで受け取りながら、誰も思いつかなかった発想にたどり着いている。私はそんな気がしました。
経営も、まさにそうだと思います。
ひとつの課題だけ見ていれば済む仕事ではありません。市場の流れ、人の気持ち、時代の空気、技術の変化、自分の直感。ばらばらに見えるものを、どこかでつないでいく仕事です。だから、一点だけを見つめる「集中」では拾えないものがある。むしろ、少し頭をゆるめている時のほうが、大事な信号に気づけることがあります。
著者が、創作をする人ほど旅行を好むと書いていることにも共感しました。
場所を変える。空気を変える。頭をリラックスさせる。そうすると、考えようとしていたこととは別の場所から、ふっと何かが浮かんでくる。私自身も、旅に出たり、景色の中に身を置いたり、日常から少し離れたりすることの大切さを感じています。集中していない時間は、決して無駄ではなく、むしろ発想を育てる時間なのだと思います。
比較や反応に流されず、死ぬまで考え続けたい
もうひとつ、この本で深く心に残ったのは、自信を持ちすぎないこと、自分を賢いと思いこまないことの大切さです。
自分を低く見るというと、少し後ろ向きに聞こえるかもしれません。けれど著者の言うそれは、卑下ではなく、問題に向き合うための謙虚さなのだと思います。
年齢を重ねると、経験が増えるぶん、自分なりの答えや型ができてきます。けれどその反面、知らないうちに傲慢さも生まれてしまうのかもしれません。
「自分はもうわかっている」
「こういうものだ」
そう思い始めた瞬間に、人は考えることをやめてしまう。そんな怖さを私は感じました。
さらに今は、比較と反応の時代でもあります。
SNSでは、考えているつもりで、実は反応しているだけの時間が増えやすい。著者の言葉は少し辛辣ですが、たしかにそうだと思いました。反応ばかりしていると、自分の中でじっくり考える時間が減っていきます。
だからこそ私は、この本を読みながら、いかに楽しんで仕事をするか、いかに考える余白を残すかが大事なのだと感じました。
集中して効率を上げることだけが正しいのではない。楽しい時間を削ってまで、無理に集中する必要はない。人は自然の一部で、常に変化している存在です。今の自分と来月の自分は、きっともう少し違っている。その変化を受け入れながら、固まらずに考え続けることのほうが、ずっと大事なのだと思います。
本の最後に近いところで語られる、**「凝り固まるのは死んでからでも遅くない」**という考え方も、とても印象に残りました。
本当にその通りだと思います。人は生きている限り、まだ変われる。まだ考えられる。まだ別の見方ができる。だったら、自分を決めつけず、最後まで考え続けたほうがいい。
AIの時代になって、ますます人間の役割が問われています。
正確さや速さでは、これからもっと機械が強くなるでしょう。けれど、寄り道をすること、ぼんやりすること、比較を手放すこと、そして自分の傲慢さを少しずつ溶かしていくこと。そういうものこそ、人間に残された大切な力なのではないか。
この本は、集中力を否定する本というより、人間らしい思考を取り戻すための本なのだと、私は感じました。
追伸
実は『結局集中力が9割』という本も読んでいます。感想文にはしていませんが、脳の構造から集中力を解き明かしていく内容で、それはそれで興味深く読みました。
ただ、私はどこかで「集中力は良いことだ」と最初から決められているような感じに、少し引っかかっていたのだと思います。だから今回、『集中力はいらない』を読んで、ああ、自分がずっと感じていた違和感はこれだったのか、と腑に落ちるものがありました。 -
集中力は必要ない、と言う概念自体が個人的には目鱗だった。集中より分散。分散している時の方がアイデアを思いつきやすい。リラックス状態であることが重要。
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変人だなあ、と思うけど
すごく面白かった。
なるほど!確かにー!
と思いながら読んだ。
自己啓発本の読み過ぎで疲れた人にいいかも。
肩の力が抜けるのではないか。 -
森博嗣の新書は売れるのかものすごいペースで作られるが、話すことはだいたい一緒だ。そもそも新書を大量に読む人も一人の作家を大量に読む人もマイナで、後者については購買層であるから内容が被っても問題はない、という森博嗣らしい商売感覚でもあると思う。
本作は森博嗣が常々語る自由の獲得と、自己にフィットした環境作りの話が多いが、集中力にフォーカスした論理は相変わらず明快で面白い。集中によって起こる負の側面が語られるが、これはその通りと頷けつつ、抽象化思考というものの価値は一方過剰に高く置いている気もする。それと終盤の与野党についての記載など、わりと集団の思考というものに関して賢く見すぎている気もする(これは、本書出版から現在までの期間に衆愚が加速しているからかもしれない)。そんなところも含めて、個々人でちゃんと判断して価値決定してくれ、という趣旨だからこういったことを考えて自分なりに行動基準を決めていかないとならない。 -
集中して物事に取り組むことが是とされていることに対する、筆者によるアンチテーゼ。帯に「だらだらするからうまくいく!」と書いてあるが、述べられている内容とはずれがあると思う。
納得する部分は非常に多かった。集中していると視点が狭くなり、柔軟な発想は出なくなる。集中しすぎて視点が狭くなっていないか、客観的な視点を持つ必要がある。
ただ自分の場合、集中の対象がすべて非生産的なものである時間が多く、その場合何も前に進まないよなーと思った。
集中の対象がふらふらするのは問題ないし良い面もあるが、少なくとも集中の対象に生産的なものを置いておかないといけないなと思った。
あと自分はすぐに正解を検索しに行く癖があって、それでは考える力はつかないなと思った。仮説を考えるのを意識する。
以下メモ
・金よりも時間の方が価値が高い
・雑多な情報から何を選ぶのか、ではなく情報を銅加工して自分の頭の中に入れるのか。これは自分の中の理屈や知識に基づいて行うもの。
・始めざるを得ない状況を作る
・自分がやっていること、自分がしたいことに集中している時点で主観的になっている。視点を集中せず、常に多視点で。
・分散思考をしている人は、対象から離れる方向に思考を持っていく。つねに新しいものがないか探している。自分の好き嫌いは関係ない。このように考えていると、嫌いな人や物にも構えずに接することができる。
・人間は何も与えなければ勝手に考える。大人が子供に押し付けることで、大人の顔色をうかがう画一的な子供が育つ。
・自分はバカだと思い込む。そうすることでリラックスして問題に取り組める。だらだらと考え続けられる。
・よくよく自分の頭や体を観察し、どのようなときにうまく働くか考えるだけである。
・集中は思考を排除する、すなわち人間を排除する(運転の例)。現在の多くの大衆は、反応して処理するだけの機械になっていないだろうか?
・自分の願望を言うのではなく、自分は何が正しいと思うのか主張することが自己主張。こういった意見を出し合うことが議論。 -
著者の作品が好きなので、Kindle Unlimitedで本書を見つけて読んでみた
著者は工学博士の学位を取得し、多数の人気作を執筆しているので、効率的に執筆することについて一家言を持ってるだろう、他方で「集中力」に関する専門家ではないので、エッセイを読むような気持ちで読む
著者には失礼かもしれないが、友達との雑談を楽しむつもりで読んで、それなりに面白かった -
集中力は機械力!
機械は与えられた役目をミスなくやり続ける。
集中力とは機械のようになれと言っているのと同じであり、そんな事は機械にやらせればいい。
人間らしい思考とは発想力であり、そのためには多岐に思考を巡らせる分散力・発散力が必要である。
そんな話が、森さんのエピソードやインタビュー形式を交えて綴られていて、読んでいて面白かった。
なかなかサラリーマンには仕事での実践は難しいが、仕事だけではなくプライベートでも活用できそうな場面があるので、上手く活用したい。 -
内容はともかく森博嗣氏のエッセイが読めるだけで満足というものである。ここまでスジを通した一貫した考え方は読み手に安心感を与える。
Kindle unlimited -
ずっと作業的・時間的な集中の話をしていましたが、後半で人生的な集中の話に移行していきます。
ラストのあとがきに今までと違う熱というか、クライマックスを感じました。
・日本の一部で災害が発生したとき、日本国民がみんなで悲しみに沈まなければならない。
この「集中」ああこれが本丸なのかと思いました。 -
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必要なのは、集中力じゃなく「分散力」
まず、集中力の定義がちょっと尖ってる。
集中するのは機械になるようなもので、その理由は短時間で間違いのないアウトプットをするためだからとうもの。もっとフローみたいに機械的じゃない集中もあると思うけど、、、と思ってたら、それは次の「分散力」に当たるようだ。
集中に対して本書で提案される「分散」は、興味関心の赴くままに短く深く集中すること。なので、タイトルは「機械みたいな集中力」は必要ない、が正確。でも集中力否定した方がインパクトあるよね、わかる。
この分散力は、問題を明確に提示する発想、インスピレーションをもたらしてくれる。いわば機械的な集中の前にある「問題発見の集中」が分散で、問題を捉えたらあとは解決するだけ、機械でもできるという話になってくる。
解くべき問題の発見法を教えてくれる一冊。
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良い本。分散思考を教えてくれる。集中しない、力を抜く、ということの大切さ。
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自分とは、まったく頭の構造が違う人の頭の中を覗いているみたい。面白いけど、全然自分にはできない。でも、それでいいんだと思えた。誰も困らないものね(笑)
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仕事の効率化において、ノイズを排除し、1つの仕事のみに短時間集中するという方法がある。ポモドーロテクニックとも言えるし、超集中型とも言える。
我々は皆複数のタスクを抱えている。ある物事に集中しようとすると電話が来たり、別のことを考えたりして、その作業が阻害される。それがとてもストレスであるから、集中力を求める。
本書は別視点から集中力を見つめ直す。集中力という言葉を解体し、リメークする。「集中力はいらない」とタイトルにはあるが、これは「中長期的集中力は良くない」という話で、短期的集中を薦めている。ある仕事があり、そのゴールまでを見定めてマイルストーンを置く。それを短時間でコツコツやっていく、他の仕事も同様だ。
分散型というよりか、私は短期的集中の集合体と認識した。発想はいつも変なところから来るのだ。点と点を繋ぐのは、我々であり、余白である。 -
10分1000字を6回するので、一日一時間6000字を実践している、小説家で元研究者の「どちらつかずのハウツー本」。「どちらつかず」というのは、あとがき最後の「すべてはどちらつかずである」から引用。本書に通底する概念であり、「僕がこうしているからって、あなたに合うとは限りませんよ。自分で確かめなさい」と語り通している。
世間が考える小説家像とは、けっこう離れている人の話。そもそも元研究者なので、世間一般より(特定方向に)優秀で希少種だということは、心に留めておくべきだろう。研究職を諦めた人間からすれば、宇宙人とまではいかなくても、自分との違いはどうしても意識してしまうし、他方で、まあ意識してもいいかと思ってもいる。この感覚も大事。
前日に読んだ『現代思想入門』の考え方が随所に見られて、面白かった。そういえば、自分に合った集中スタイル探求は存外適当にやっていたかもしれない。風呂の入り方や歯の磨き方はこれでもかとPDCAしたのにね。これを機に、集中スタイルも探してみよう。 -
機械的な仕事をするための集中力、必要とする場面がゼロではないけど、少数の仕事ではある
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再読。
機械的な作業には集中力が必要だ。
発想には分散力、発散力が必要だ。
集中が必要な作業は機械や人工知能に置き換えられる。 -
2023.12.17. audible
わたしも同じことずっと続けられないかも…
分散させる方が得意だなぁ。
――「失敗するのは注意散漫だったから」は本当か?
1日1時間労働の人気作家が明かす、発想力のコツとは?
私たちは「一つに集中するのはすばらしい」という思い込みにとらわれている。
「だらだら」「非効率」を排除しようとする風潮の中、
累計1600万部超の人気作家が提唱する「アンチ集中力」のすすめとは?
人間のもつ本来の力を発揮するには?
誰もいわなかった情報過多時代の<知的生産術>。
これから結果を出したい社会人から、大学生まで。
全世代におすすめしたい、常識のとらわれない頭の使い方を1冊にまとめました。
(「はじめに」より抜粋)
「集中力」という言葉があるが、
まるで人間には「ものごとに集中する能力」があるかのように表現されたものだ。
具体的にそれがどういう力なのか、今ひとつ僕にはわからない。
だが、誰もそれを疑問に思わないみたいだし、
それどころか、集中力は非常に良いもの、素晴らしいものであって、
集中力があればあるほど有利になり、
なにごとも解決するような魔法みたいな特殊能力として扱われている。
(中略)
この本で僕が書こうと思っているのは、
実は、このような「集中力」に否定的な考え方である。
だから、あえて言えば、「アンチ集中力」みたいなものの効能について語ろうと思う。
●目次
まえがき
落ち着きのない子供だった
だらだらも悪くない ほか
第1章 集中しない力
何故、情報が多いと感じるか
情報のシャワーにいかに接するか
SNSは一切やらない ほか
第2章 「集中できない」仕事の悩みに答える
集中は善ではない
作家の頭の中とは?
仕事に没入するスイッチはあるか
やる気はコントロールしない
「監督者」というもう一人の自分
頭を発想しやすい状態にする
多くの人は「反応」しているだけ
作家の情報の接し方
ストックがないから枯渇しない
環境を整えるのは基本
第3章 「集中しない」と何故良いか
何故「集中が良い」とされてきたか?
人類の進化に見る「分散」のルーツ
複数のことが同時にできる ほか
第4章 考える力は「分散」と「発散」から生まれる
「抽象」と「具体」はどう違うか?
何故、抽象的な思考が大切か?
機転が利く人の発想 ほか
第5章 思考にはリラックスが必要である
リラックスの効能
頭をリラックスさせるには
世の中の常識を疑う ほか
第6章 「集中できない」感情の悩みに答える
仕事とライフスタイルを切り離す
何故、くよくよ悩むのか
コンプレクスとどう向き合うか ほか
第7章 思考がすなわち人間である
「集中」は人間を排除する
人間不要の時代
自分を縛っているのは自分 ほか
あとがき
教育熱心だった母 ほか -
(audibleで聴く)
(中学入試頻出?)
集中力について作者がどのように考えているのかを語った内容。
いくつかためになったのは発想は集中している時に生まれない。リラックスしている時に生まれる。
(これは納得)
後は抽象的に話すクセをつける。
最近、確かに抽象的に話す人が減り、具体的に話す人が多くなった印象あります。
後は書き方が少し前回聴いた武田砂鉄さんのような感じかなと思いました。
この本が中学入試でよく出ると一部見ましたが、正直、この本の内容は一部の学校では適さないのではないかと少し思いました。
適さない内容を入試に出していいのか?
そんな疑問出てきました。
以上です -
森博嗣さんの驚異的な文筆スピードに興味があって読んだけど、こういうハウツー的新書はこれに限らず、「一言ですむことを言葉を変えて一冊分の長さにしている」ような印象を受けてしまう。。それともこれ含めて森さんの狙い通りなのかな。
「物事を進めるのはやる気ではなく計画と、いかに取っ掛かりまでの労力を抑えるかにかかっている」というポイントにはさすが説得力がありました。
著者プロフィール
森博嗣の作品
