10万個の子宮 [Kindle]

  • 平凡社 (2018年2月7日発売)
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みんなの感想まとめ

この作品は、子宮頸がんワクチンに関する複雑な論争を深く掘り下げ、科学的な視点からその実態を明らかにしています。著者は、ワクチン接種後に報告される副反応について、医学的なエビデンスに基づいて冷静に分析し...

感想・レビュー・書評

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  •  子宮頸がんワクチンの副反応を巡る論争を、この問題に正面から取り組み続けた村中氏がまとめたもの。ツイッターでもフォローしているのでリアルタイムで動きを知る機会もあったが、こうして書籍になると全体像がわかりやすい。

     子宮頸がんワクチンを接種した女子が原因不明の病気になり、それがワクチンの副反応ではないかと疑われ、接種率が大幅に下がった。果たして病気の原因はワクチンなのか否か。本来ならその解明は純粋に医学的な課題であり、科学的なエビデンスに基いて議論されるべきなのだが、とても科学的とは言えない論争が広がっている。

     著者の説明を信じるなら、大半の専門家はワクチンが原因とは考えていない。もちろん「関係がない」というエビデンスは出せない(いわゆる悪魔の証明になる)が、関係があると主張するデータはすべて否定されている。それでも執拗にワクチン原因説をとる人が、患者だけでなく医者の一部にもいるというのが不思議だ。

     本書で実名を挙げて批判されている医者が何人かいるが、ぜひとも反論を聞いてみたい。名誉毀損で裁判を起こしているようだが、科学者たるもの学術の場で堂々とデータを示して自説の正しさを主張すべきであろう。それができないなら、その時点で敗北を宣言したに等しいのではなかろうか。

  • 子宮頸がんは文字通り女性特有のがんで,今も1年に3000人もの命が奪われる.これを予防するワクチンが登場した.しかし,国内で神経などの副作用を訴える動きが起り,日本でだけ接種率は激減した.この本は,子宮頸がんワクチンが有害だと暴く本ではない.その逆,丹念に取材を重ねることで,激しく出現する副作用の正体が何だったのかを明らかにしていく.もうひとつ,分ってくるのは医者と製薬会社が結託して大儲け,などというテレビ的陳腐なストーリーではない.予想外のステークホルダーだ.著者はまだ戦いの最中だ.戦ってくれているのだ.失われた5年間の結果はあと20年すると出てしまう.10万におよぶ累々たる子宮として.

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著者プロフィール

医師、ジャーナリスト。一橋大学社会学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了後、北海道大学医学部卒業。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局の新興・再興感染症チームなどを経て、現在、現役の医師として活躍するとともに、医療問題を中心に幅広く執筆中。京都大学大学院医学研究科講師として、サイエンスジャーナリズムの講義も担当している。2014年に流行したエボラ出血熱に関する記事は、読売新聞「回顧論壇2014」で政治学者・遠藤乾氏による論考三選の一本に選ばれた。2017年、子宮頸がんワクチン問題に関する一連の著作活動により、科学雑誌「ネイチャー」などが共催するジョン・マドックス賞を日本人として初めて受賞。本書が初の著書となる。

「2018年 『10万個の子宮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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