雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略 (ちくまプリマー新書) [Kindle]
- 筑摩書房 (2018年1月10日発売)
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感想 : 6件
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感想・レビュー・書評
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雑草は、踏まれたら立ち上がらない。
しかし、踏まれても踏まれても、必ず花を咲かせて種子を残す。
雑草のことが漠然と好きで気になってしまうのは、この一言に出会ったから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主に雑草の生存戦略について述べている本。著者は雑草に限らず、動植物について記述した著作物を数多く出しているが、これは中高生に向けて雑草の生存戦略について記述している。中高生向け、と記載があるが大人でも面白い。
雑草はちゃんと定義があるが、それでも概念だと感じる。人が邪魔だと思えば雑草。概念なので、同じ草でも人の生活環境によってありがたがられたり雑草扱いされたりする。ここだけでも結構面白い。生存戦略の部分も、普通に動物のことを知っている人から見たらあまり考えられないような性質を各種雑草が色々な手段で持っていたりして、世界って広いなーと見識を改める機会となった。
雑草というとむしってもむしってもしばらくするとひょこひょこ出てくる、しつこいイメージがあるが、それは雑草が競争に弱い存在だからだという。どうしてかというのは雑草の、植生段階の位置づけやら何やらから本著の説明のとおりだが、競争に弱いものが生き延びる手段の一つとして、他の種族がいない階層で生活するというものがある。雑草がアスファルトの割れ目から生えるのは、それが理由である。人間も、弱い存在は他の人間が住まないような場所で集団で生きていることがままあるが、それと同じなんだなと思った。
と自分が思ったのもそのはず、雑草の生存戦略は人間も学ぶところがある、というのがこの著者が言いたいところで、流石ちくまプリマー新書。雑草はこうやって子孫を残しているのだ!の段階で深堀するならブルーバックスのはずだからだ。 -
雑草の生き方を通じて、人生における生き残り方を教えてくれる自己啓発本。
・雑草は競争に弱い
・弱いから彼らの基本戦略は「戦わないこと」
・ナンバー1でオンリー1でならなければならない
・筆者からのアドバイスは「軸足を持って寄り道をすること」 -
少し前に話題になった雑草の本。
やはり話題にあがっただけに、非常に面白かった。
雑草はあまりにもありふれた種類の植物であり、日常でもよく見かける。それはなぜなのかということに生物学や農学の観点から様々に解説してくれる。
特に雑草にまつわる言い回しがあるが、その表現と実際は異なるのであるという話は目から鱗だった。
雑草は生存競争の上で、その役割を果たしているし、環境への適応具合は非常に素晴らしいなと感じた。
公園の芝生なども最近は整備されているケースも多いが、ああいった整備も一筋縄ではいかなそうだなという印象。
新書だし、わりと手軽に読めるので雑学を入れたいニーズにふさわしい本だった。
◆目次
第1章 雑草とは何か?
第2章 雑草は強くない
第3章 播いても芽が出ない(雑草の発芽戦略)
第4章 雑草は変化する(雑草の変異)
第5章 雑草の花の秘密(雑草の生殖生理)
第6章 タネの旅立ち(雑草の繁殖戦略)
第7章 雑草を防除する方法
第8章 理想的な雑草?
第9章 本当の雑草魂 -
「雑草は決して強いわけではない」。へぇー。これ昔から「雑草のように強く生きろ」的な体育会系のフレーズが言われてきているけど誤解なんだということだ。
雑草のすごいところは、環境への順応性が高く自分の子孫を残すために柔軟な生き方をしていること。また、突然更地になったところやニッチな場所に真っ先に芽を出す、飛び込み能力の高さ。雑草のように強く生きろではなく、雑草のように柔軟に生きろ、自分の生きていける場所を探せ、というのがこれからの時代にフィットしているな。どちらにしても雑草は見習うべきということだ。
そして、もう森林になっているところには雑草ってないんだ・・・というのも初めての気づきだった。確かにお山の杉林とかは雑草ない感じだけど、本当にそうなのかな。雑木林に雑草ってないのかな(下草は雑草じゃないのか)。
著者プロフィール
稲垣栄洋の作品
