謝罪が人間関係の修復に与える影響について、エピソードとともに説明されている。具体的には、うまくいかない謝罪の種類や理由、謝罪しない相手を受け入れる際の考え方などについて臨床心理的な解釈が示している。以下おもしろかった部分:
・p102 人は、他者を傷つける自分の行動に正面から向き合い、本当に説明責任を果たしていくには、しっかりとした足場となる自尊心のプラットフォームを持っていなくてはならない。傷つけたほうの人は、そこに立ってはじめて視点をえることができ、共感と良心の呵責に近づくことができる。そこから物事を見渡すことができてはじめて、尊敬に値しない自分の行動に目を向け、謝ることができるのだ。
・p107 人に(加害者という)ラベルを貼ったり、恥ずかしい思いをさせてしまうと、贖罪と前向きな変化の可能性を狭めてしまうことになる。深刻な罪に対する心からの謝罪というのは、自分の間違いを人間であることの一部と見ることができ、多面的で常に変わりゆく自己の全体像から離れないでいられる人によってしかできない。その人を悪魔のように扱ったりしても、心を開かせ、気持ちを和らげ、その人の自己防衛の壁を打ち破ることには繋がらない。
・p111 人が自分が悪いことをしたと認めたとしてもそれはその人があなたをどのくらい好きかどうかとは関係ないでしょうかその人の持つ自己愛、自尊心の確かさに左右されるが、それは自分自身で育むしかない。
・p149 子どもに謝り方を教える一番の方法は、自分が子どもに謝って見せること。人間としての価値を減ずることなく、自分の非を認める見本を見せることになる。
・p221 根元的な赦しとは自分のために傷ついた気持ちを手放すだけでなく、傷つけた相手の痛みを認識し、その人の幸福と健康を祈ることまで含む。赦すことは尊重することに似ており、要求や強要されたり、理由なしに与えられることはなく、たどり着けるかはわからない境地。
・p229 赦しにもグラデーションがある
・p266 謝罪は強い癒しの力を持ち、傷ついた相手を生きる気力さえ奪う怒りや苦しみ、痛みから解放する手助けになる。自分んl行為の責任を認めることで相手の正当性を認める。また、周囲からの敬意を勝ち取るという意味で自分への贈り物にもなる。そして謝罪によって関係性の修復の可能性があるとしることで互いに安心できる。