真説・国防論 (TAC出版) [Kindle]

  • PHP研究所 (2017年12月18日発売)
3.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 10
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・電子書籍 (212ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 異才という言葉がぴったりの人物です。古くは、オウム真理教信者の脱洗脳エキスパートとして活躍したり、専門は脳科学のはずなのに様々な分野で一家言を持ち著作数も数知れないほどの博識さの反面、UFOの存在や宇宙人の地球への侵入を本気で信じるお茶目な先生です。
    実は、彼とは大学構内で接点があり、彼はもちろん覚えてないでしょうが(この頃すでに彼は有名人だった)、英語の授業を受けていた時、先生の言葉に教室がどっと沸いて、私も笑っていたら、後ろに座っていた彼が、「先生は何て言ったの?」と聞いてきたので「意味はわからんが、つられて笑った」と答えたことを思い出す。
    さて、本書は国防について書かれたいたって真面目で有益な本です。
    本書が書かれた3年前の2017年、既にイージスアショア配備を、日本の防衛のためではなく、米国へ飛来するミサイルを日本で撃ち落とすという目的だった(さらに米国の武器も購入)ことを指摘しています。そして、ミサイル迎撃システム自体の限界にも言及しています。つまり、相手のミサイル開発に合わせて、迎撃するミサイルを配備していくという後手後手のイタチごっこは効率的ではないし、無意味だと警鐘を鳴らしています。
    さらに、集団的自衛権の解釈論が国会論戦のメインとなっていましたが、本当は個別的自衛権こそが日本の安全保障の肝だという点も指摘しています。集団的自衛権の実態は米国のための安全保障問題であって、個別的自衛権=専守防衛こそ日本を守るための防衛論議のはずなんですが、国連憲章の「敵国条項」によって、反撃すら許されない状態だという点は驚きでした。早急に、敵国条項を外し外交権として普通に防衛できる国にするべきです。
    また、「専攻防衛」というアイディアですが、基本は原子力潜水艦をリースという形で保有しない(借りる)ことで、非核三原則をクリアするという超ウルトラCです。(日本独自の民間軍事会社の設立も提案しています)
    また、現在の効率の悪い軍事費を、原子力潜水艦などの抑止力としての攻撃力保持と局地的な戦闘に特化した特殊部隊育成という2本柱への集中を提唱しています。もちろん、サイバー戦争にも備えるための優秀なハッカー(サイバーエリート)育成も喫緊の課題です。そのためにも、他国に依存しない日本独自のOS開発が必要となります。さらに衛星を活用した第4次世界大戦に備えるには、量子コンピュータを前提にしたサイバー防衛の構築も急がれます。
    高高度電磁パルス攻撃は、既に北朝鮮が実戦可能となっていますが、そのためにも、日本国内のインフラを電磁波から防御できるようにするのはもちろん、日本もリースした原子力潜水艦に搭載し、「やられたらやり返す」報復攻撃手段を持つ、そのためにも敵国条項の撤廃こそが、最優先課題だとわかります。
    「学術会議任命」などのノーテンキな国会論戦を延々と見せられると、「今そこにある危機」を見ようともしない政治家たちが国民の命を本気で守る気があるのか疑わしいですね。

    著者:
    認知科学者(機能脳科学、計算言語学、認知心理学、分析哲学)。計算機科学者(計算機科学、離散数理、人工知能)。カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)、同CyLab兼任フェロー。ジョージメイソン大学C4Iサイバーセンター客員教授。中国南開大学客座教授。米国公益法人 The Better World Foundation、米国教育機関TPIジャパン日本代表。天台宗ハワイ別院国際部長。聖マウリツィオ・ラザロ騎士団十字騎士。イタリア王家サヴォイア家諸騎士団日本代表。1959年東京生まれ。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経てカーネギーメロン大学大学院哲学科計算言語学研究科に転入。全米で4人目、日本人としては初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、ジャストシステム基礎研究所・ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院NMRセンター合同プロジェクト日本側代表研究者として、日本初の脳機能研究プロジェクトを立ち上げる。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1959年生まれ。認知科学者。コグニティブリサーチラボ株式会社CEO兼基礎研究所長。カーネギーメロン大学CyLabフェロー、ジョージメイソン大学C5I研究教授、UNIDO(国際連合工業開発機関)次世代型人道的地雷保護プロジェクト代表などを歴任。

13歳で米国の大学数学を履修し、上智大学卒業後、フルブライト留学生としてイェール大学大学院で「人工知能の父」ロジャー・シャンクに師事。その後、カーネギーメロン大学大学院にて日本人初の計算言語学博士号(Ph.D.)を取得。世界初の音声通訳システム開発や、生成AIの先駆けとなる研究で知られる。また、2007年には「認知戦(Cognitive Warfare)」の概念を提唱し、米国初の専任教授として安全保障・認知領域の研究を牽引している。一方で、コーチング元祖ルー・タイスの晩年には、その右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「TPIE」「PX2」「TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。

「2026年 『夢が叶う!人生が丸ごと変わる クォンタム・ジャーナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

苫米地英人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×