ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ミステリー&ホラー&ファンタジー&ラノベ 的な内容なのかな?こういうホラー小説はあまり読まないけど、最後まで読めた。どこが深く・面白いポイントだったのか?をあとがきの解説を読みながらなるほど~となった。奥深い内容だったんだ。「ぼぎわん」って何なのか?主人公の家族の過去、この土地にまつわる言い伝え。主人公の死と女性霊能者の出現、「ぼぎわん」との一騎打ち。見どころはたくさんあった、が、ホラー小説ってもっと怖いんではないか?と思うくらい描写がライトだった。ラストの知紗の寝言から「ぼぎわん」がまだいるね。。。④

    除霊にはファブリーズ?

  • ホラーではあるが、犯人がこの世のものではないミステリーと言った展開をしている。これが処女作とは驚きである。つい後ろを振り向きたくなってしまうような怖さがある。貴志祐介氏や鈴木氏の「リング」とは異なる怖さだと思う。解説で著者は岡本綺堂を敬愛しているというのを読んで更に気に入った。映画になっているとは知らなかったが、確かに映画向きの本かも。

    • sinsekaiさん
      nyanchyuさんフォローありがとうございます

      ぼきわん、「来る」というタイトルで映画になってます!
      けっこう面白かったのでまだ見てなか...
      nyanchyuさんフォローありがとうございます

      ぼきわん、「来る」というタイトルで映画になってます!
      けっこう面白かったのでまだ見てなかったら是非

      澤村さんの作品はほぼ読んでいるのですが
      自分的に一番怖かったのは「ししりばの家」
      です。
      もし未読ならこちらもオススメです
      2021/04/13
    • nyanchyuさん
      sinsekaiさん、コメントありがとうございます。
      こちらこそよろしくお願いします。

      文字ならイロイロとホラー物を読んでいるのですが動画...
      sinsekaiさん、コメントありがとうございます。
      こちらこそよろしくお願いします。

      文字ならイロイロとホラー物を読んでいるのですが動画としてのホラーは苦手ですが、「来る」観たい気もします。

      澤村氏の角川文庫ホラーは購入済みなので順に読みたいと思います。
      2021/04/19
  • とにかく読者を惑わす文章が凄いです
    勉強になった部分
    ・紀伊国⇒ 和歌山県と三重県南西部に属する。
    ・がこぜ⇒飛鳥時代、奈良の元興寺に現れた妖怪
    というか鬼の名前
    ・がんこうじ⇒がこぜ⇒がんこ
    出没場所が訛りに訛ってそのまま鬼の名前に……
    ・エゴで囲われた檻
    ・幽霊は家からはいるのではなく心の隙間から入ってくる
    ・離婚した女の顔をのっぺらぼうと表現
    ⇒相手への思いが薄い、または傷がいえたことを表したのか
    そのこころは「欠乏」
    大事な部分をそのこころはと掛けている

    「オカルトの歴史は、勘違いの歴史だ」
    ・ぼぎわん⇒ヨーロッパから来た、ブギーマン(子取り鬼)伝承の名残
    ・三重県は組紐が昔から魔除に使われていた
    清明桔梗⇒三重の志摩の海人さんは同じ紋をドーマンセーマン(トモカヅキ)とよんで魔除に
    トモカヅキ→目撃者そっくりの姿をしている
    海の底にひきずりこみ殺してしまう

    ・ドッペルゲンガーの怖さとは
    なぜ自分そっくりのものは恐ろしいのか
    自分の醜さを目の当たりにするから
    ・志摩の海人さんが何を恐れていたのか⇒ぼぎわん
    魔道符→悪いものを呼び込む道具
    ・民間信仰は関西の江戸時代くらいまで普及
    ありがたい御札やお守りをアレンジ=ご利益が裏返る
    ・ファブリーズ魔よけになるまたタバコも

    個人的に鍵になりそうなところをまとめました
    ・主人公の母澄子の家庭
    志津は旦那を恨み魔道符をつくり旦那を呪った
    →ぼぎわんを連れてきたのは志津である

    ・中世のヨーロッパでの吸血鬼伝承では
    招待されていないと人の家に入ることが出来ない
    ・伝承や風習は忘れられる。
    残ったものは次第に意味や由来は失われ形だけが残る。exネクタイ:今は礼節や社交ではあるが元は口を拭くナプキンとして使われていた
    →実用的な根拠や用途があった

    ・「誰も入らない、草木の生い茂る山。名前はこたから」→こだから山なり

    ・子宝温泉の名称の理由は近隣の山の麓にある石碑に「こだから」という文字が記載されていたから
    →少なくとも江戸時代末期から作られている
    ・決して豊かな農村ではなかった食料が足りない
    →口減らしex:長野県、姥捨山伝説
    k地区ではぼきわんに老人や子供を与えていたのでは?
    親は子供を思い罪悪感に駆られた
    →化け物によってたくさん増えた山「こだから山」
    ぼぎわんには名前を付けなかった
    ・舌も手も飾り。力を持っているのは口だけ
    ・千紗がぼぎわんになりかけている

    結論と仮説
    ・人間から奪って子供を作る
    →ぼぎわん自体も人間だったのか。子供だったのか。口減らしで村からさわられた子供のなりはてか。
    人減らしではなく口減らしってとこがいい。
    また、口減らしをしたせいで口だけが残るこの因果おもしろい
    「解釈は新たに物事を関連付け、仮説を組み立てる」
    →組紐
    無意識の時知紗は人を今でも呼んでいる……
    ⇒幸福そうに眠っていた
    ここまで長々と要点だけまとめましたが特に筆者のすごい所は、
    視点を変えたあと誰の視点なのかを考えさせるのが上手いところです

    解説
    ・物語の骨格は古典的である⇒話しかけてはいけないなど
    ・得体の知れない単語で恐怖や不安を煽る
    ・視点の見方が違うため落差に衝撃を与える
    ・古来の伝承と現代的かつ普遍的な問題が解決へと導く

    • ナカジマさん
      得体のしれないモノを一つ一つ言葉で解体していく感じが良いですね。
      オカルトの知識をちりばめながら怪異の実像に迫っていく構図に惹かれます。
      ...
      得体のしれないモノを一つ一つ言葉で解体していく感じが良いですね。
      オカルトの知識をちりばめながら怪異の実像に迫っていく構図に惹かれます。
      ホラーは苦手ですがちょっと読んでみたくなりました。
      2023/11/15
    • りんさん
      コメントありがとうございます!
      物語の構成が完璧すぎます
      ミスリードや都市伝説並に話を暈すのが上手いため勝手に妄想して怖くなる展開が多いです...
      コメントありがとうございます!
      物語の構成が完璧すぎます
      ミスリードや都市伝説並に話を暈すのが上手いため勝手に妄想して怖くなる展開が多いですw
      2023/11/15
  • このホラーは面白かった。
    映画を先に見ており、映画だと不明点も多々あったため、取っつきにくいイメージだったが、小説はとても面白く、怖さもしっかりあった。

  • ぼぎわんって何?人はわからないものに恐怖を感じる。語源はすぐに記述があったが、その存在自体が何だろうと気になる。
    3つの章で構成されている。登場人物は、田原秀樹、その妻香奈、オカルトライターの野崎崑、この3人の視点で章が構成されている。
    比嘉真琴、その姉の日本最強の霊能力者比嘉琴子が、その恐怖に挑む。

    第一章訪問者は田原秀樹目線で記述されている。訪問者ぼぎわんが、なぜ田原秀樹に近づいて来るのか?恐怖だけでなく、実害があるのか?

    第二章所有者は田原香奈目線。何の所有者だろう?秀樹の真の姿も明かされる。娘の智沙の様子や連れ去られる描写も背筋が凍った。

    第三章は野崎崑目線。比嘉琴子と同棲している。ぼぎわんがなぜ生まれてきたのかも明確になる。比嘉姉妹とぼぎわんの絡みもドキドキした。最も恐ろしいのは最後である。

    ホラー作品として、非常に秀逸だと思う。個人的には、謎の恐怖が近づいてくる描写にはゾクゾクする方だからだ。

  • 澤村伊智の比嘉姉妹シリーズ第一弾。
    デビュー作とのこと。

    どうしてもっと早く読まなかったのだと後悔。
    純粋に怖いし。民族学ミステリ要素もあるし。大好きなジャンルでした。

    3章からなり、「ぼぎわん」に縁のある家系に生まれた父親、その妻、相談を受けたフリーライターの3人がそれぞれ語り手となる。
    それぞれの章で、登場人物の印象がガラリと変わる。あれ、前の章のあの人、結構なクズじゃん。。。みたいな。

    ホラー要素も凄く良く。ぼぎわん、強すぎるだろうって何度も絶望できる。ミステリ要素も若干あり、三津田信三のホラー要素強くした版、のような楽しみ方も。

    「予言の島」以来で、シリーズもので食わず嫌いしてたけど。もの凄くハマってしまいました。

  • ぼぎわん迎え入れました
    ファブリーズを準備して!!
    シュッ( ∩'-'⊂ ≡ ⊃'-'∩ )シュッっと!!


    あらすじ


    幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん"の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだ空前絶後のノンストップ・ホラー!!

    という流れなんですが、
    こちらの作品映画化もされていて、
    自分先に映画見ちゃった(ノ≧ڡ≦)☆てへぺろ
    でも!!
    最初に映画を見た自分なんだけど……
    話が事細かに書いてあってラストの展開も
    全く違うものだったので素直に楽しめたぁ〜
    そして何より……怖かった。(((((; • ̀д•́))))カタカタカタカタカタカタカタ
    ぼきわんだけが、怖いんじゃあ〜ないぞってね!
    そして物語に登場しる霊媒師比嘉琴子さん……
    めちゃカッコイイぃぃぃぃぃぃぃ!!
    ( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) ✧めちゃ惚れもーしたっ!
    自分的には怖かったけど面白い!がまさったかなぁ〜的な内容でしたね!
    この作品はシリーズ化してるので是非読みたいです!!
    機会があれば是非読んでください(*・ω・)*_ _)ペコリ

    ありがとうございます!

  • ぼぎわんの名前ってそこからか!
    ホラーらしいホラー小説を久しぶりに読んだ。櫛木理宇のホーンテッドキャンパス以来? (櫛木さんの一般ホラーはダメだったりします) 昔は、黒い家とか屍鬼とか大好きだったし、キングとか海外のダークファンタジー的な小説も好きだった。ホラーって吸引力の有る無しで、個人的な好みが分かれるけど、本作は自分的にとても気に入りました。対峙する霊能者姉妹も、キャラが立ちすぎることなく、強そうで弱そうで、結局強いのも良かった。怖い話ではなかったけど、ページから目が離せないって感じでした。次は
    ここからのシリーズ展開が楽しみです。すでに文庫版シリーズ6作品電子書籍で入手済みだから、どんどん読んでいこう!次は早くも、ずうのめ!?
    ところで、最後の寝言が気になる。。。いずれ回収されるの?

  • 面白かった。
    正体がはっきりしないってのは恐怖心を煽ると思う。そういう意味で1章2章は恐かった。3章後半からは楽しんだ。
    子供がいる家庭に対する野崎の屈折したと思われがちな感情。同じ状況の人じゃないと理解してもらえないかもしれないが、むっちゃ分かるぞ!唐草の考えも分からんでもないぞ!
    モラハラDV案件ありーの、もっともらしい民俗学ありーの、得体の知れない化け物ありーの、息もつかせぬ霊能バトルがありーの…って書くとなんか微妙な感じに思えるが、とにかく読む手が止まらなかった。

  • めっちゃ怖くてめっちゃ面白かったです。久しぶりに最後までグイグイ引っ張られる力のある小説だった。
    映画と違う最終決戦、の前のミステリーパートが良かった。ホラーであり上質なミステリーでもある。
    映画と違う点で言うとお母さんが良かったです。香奈さん。
    原作の電車のシーン好きなので映画で改変せずに見たかったなー。尺の都合ですかね。でも原作の方がラストで救いがありましたね。
    知紗ちゃん「ちがつり」言うてるけども。大丈夫…たぶん…

    読み終わった勢いで『ずうのめ』と『などらき』と『ししりば』も買ってきたぞ!作家買いするタイプのオタクです!!

    積読いっぱいあるのにまた増えるね

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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