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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988101199860
感想・レビュー・書評
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大型商業施設の誘致計画が進む、埼玉県のとある閉鎖的な地方都市深谷。
地元の有力者の子供である神藤三兄弟の長男・一郎(大森南朋)は父武雄(菅田俊)の死をきっかけに30年もの間行方知れずのまま、次男・二郎(鈴木浩介)は地元の市議会議員、三男・三郎(桐谷健太)は暴力団の下でデリヘルの雇われ店長というように、全く異なる道を歩んでいた。
そんなある日、一郎が突然2人の前に現われ、父の遺言書を盾に土地を相続すると主張し始める。
これをきっかけに、商業アウトレットモールの誘致に新藤家の土地が必要な二郎、過去の因縁にケリをつけたい三郎など三兄弟の欲望や野心、プライドがぶつかり合い、アウトレットモール建設予定地に住む在日中国人と自警団の抗争、やがて事態は凄惨な方向へと動いていく。
かつて自分たちを虐待した市長の父親を殺そうとしたが、家族と故郷を棄てた一郎と父親の跡を継ぎ出世することで死んだ父親に認められようとする二郎と兄貴に負い目を感じて生きてきた三郎の父親や過去や家族に縛られた三兄弟の葛藤、アウトレットモール建設予定地に住む在日中国人と自警団の抗争、アウトレットモール建設予定地の新藤家の土地をめぐるヤクザの抗争、テーマが散らばり過ぎて掘り下げ方が中途半端になっている。
特に新藤家の土地に執着する一郎、一郎に負い目 を感じている三郎の心情が分かりにくい。在日中国人に対する自警団の若者の反感すら利用する政治家やヤクザの悪辣さに背筋が凍る。
地方の閉塞感や家族の呪縛をテーマにしたサスペンスノワール映画。
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結末は、救いようのない閉塞した社会が浮かび上がる。
闇の中に、揺れ動く、人間の欲望が、血の繋がった兄弟でも、陰惨に争われる。
確かに、「子孫に美田を残すな」という西郷隆盛の言葉は、警句となる。
長男 大森南朋の怪演。三男 桐谷健太のデリヘル店長でありながら、
筋を通すことに、意味を見出す。
次男が、市会議員で出世頭であるが、嫁に完全にコントロールされている。
日本の小さな都市の利権構造。そこにあるアウトレットモールの誘致に伴う
利権を確保するために、地元のヤクザとスタイリッシュな横浜のヤクザの対比。
中国人部落と自警団とのいざこざが、大きく発展していく。
なんの将来もないような不確かな社会。
地方都市の暗闇をこれでもかという風に描き出す。
救いようがないがゆえに、希望があるのかもしれない。 -
パオロ・マッツァリーノ氏が「反社会学講座ブログ」で、昨年観た映画のベストに挙げて絶賛していたので、観てみた。
一見ゴジラ映画の怪獣みたいなタイトルだが(それは「ビオランテ」)、「ビジランテ」とは「自警団」のこと。
直接には、作中で地方都市の地域住民による「自警団」が重要な役割を果たすことからつけられたタイトルだ。が、もっと深いニュアンスが込められているようでもある。
暴君であった地方政治家が死去し、子どものころに失踪した長男が突然帰ってくる。
市議会議員をしている次男、デリヘルの店長をしている三男にはそれぞれ、父の遺産である土地を相続したい事情がある。が、戻ってきた長男は、なぜか父の遺産をすべて相続する旨をしたためた「公正証書」を持っていた。
そこから、亡き父の土地を用いたショッピングモール建設計画をめぐって、3兄弟の周辺に不穏な波風が立ち始める……という話。
地方政界のドンと、土地を狙う暴力団の暗躍、在日中国人コミュニティと地元住民の対立、排外主義の若者の暴走……アクチュアルなテーマを随所にちりばめ、ヒリヒリとした緊張感を孕んだ物語が進んでいく。
暴力描写はかなり荒唐無稽で、そこかしこに破綻の見えるストーリーではある。が、閉鎖的な地方都市独特の不気味さはかなりリアルに描かれていて、それだけで十分楽しめる。
ダイアローグの自然さも特筆もので、不自然な説明ゼリフがほとんどない。
役者たちもおおむね好演。
とくに、三男役の桐谷健太と次男の妻役・篠田麻里子が、突出した存在感を放つ。 -
入江悠監督の『ビジランテ』。入江監督の映画は『SR サイタマノラッパー』を観て以来の鑑賞。ビジランテは自警団の意味。ビジランテものという映画のジャンルがありまして、『狼よさらば』『ダークナイト』『キックアス』などが有名かなと思う。この映画にも自警団は出てくるけど、そこがメインではなくもっと広い意味になっていると思う。
大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太の三兄弟が主役。桐谷健太はアウトレイジ2、大森南朋はアウトレイジ3というアウトレイジ兄弟。
やはり埼玉の深谷市あたりが舞台で、地方の閉塞感ノワールもの。『さよなら歌舞伎町』を観ても思ったけど、こういう『ドキュメント72時間』みたいな映画を観るとシリアスに感じられてかなりキツい(そしてそこが良い)。
そういう表現の部分はとても好きだけど、ストーリーの面では普通の映画ではなかったから、評価が難しい。賛否両論じゃないかなあと。私は、一周回って意味を喪失してしまって表現のみになってる映画がけっこう好きで、この映画もそんな風に捉えました。
韓国ノワールに近いという意見があって、私も納得。韓国映画の場合全体的に味付けが濃いけど、こちらはエンタメ寄りではなく抑えたシリアスなドラマ映画寄り……という感じ。
バイオレンス描写は少々もの足りなかったです。ラッパーの般若さんはとても良い。このあたりの入江監督のセンス!大森南朋さんは物足りなかった。南朋さん良い俳優さんなんだから、もっとガンガンにやって欲しいのに……因みにアウトレイジ3も物足りなくて、あれよりもこのビジランテの方が全然好きです。
篠田麻里子はけっこう良かった。AV女優の浅田結梨ちゃんが出てたらしいけど、気づきませんでした。確認のためにもう一度流して観ようかな。しかし、『静かなる叫び』と立て続けに観たので、重い映画が二連続になってしまった……。 -
映画館にて。
うらぶれた閉鎖的な地方都市にある、
名士と呼ばれるような人物が最も腐っているために、
家族も政治も環境も、
とにかく連鎖的に腐っていく構図は、
似たように閉鎖的な地方都市に生まれ育つと、
映像から漂う空気感からやけに納得ができるというか。
何一つ救いがない世界に、
三郎という光があり、
その光が消えていく過程で、
たくさんの事柄が詰め込まれていて、
吐き気を覚える。
そしてお腹いっぱい感。
卑屈な精神が生みだす、
排他的で破壊的な集団性。
そしてそれが維持される構図。
*
とりあえず、
ぎゃーー!!
手ーーー!!!
って感じw
桐谷健太がこんな演技達者とはっ
大森南朋さまは、
『捨てがたき人々』と同様に、
切ないモンスターに仕上がっている。
あとは意外と良かった篠田麻里子。 -
性欲や政治的腐敗、暴力など3兄弟いずれもが憎んでいたはずの父親の性格の一部を引き継いでいる。
土地を頑として譲らない長男も、心のどこかでは弟らを想っているシーンもいくつか見られる。
3兄弟それぞれの性格の違いを、演者が見事に区別できていた。 -
横暴な地方の有力者の三人の息子。次男は地盤を引き継ぎ市議会議員に、三男はデリヘルの店長として暮らしていた。父が亡くなった時に遺言状を持って行方知れずだった長男が表れ、土地の相続を主張し出して。。。
地方の闇というものか。どす黒い世界が描かれる。おじキュン大森南朋のやさぐれぶりが光る。あと、何気に篠田麻里子のダメ夫をのし上げる為に手段を選ばない妻も良かった。
雰囲気や部分部分はいいものの全体として破滅っぷりが少し足りない気がするのとストーリー的に描き足りない感じがした。
色々ともったいない。 -
北関東が舞台というので新聞に映画評が出た時から見ようと思っていた。映画が始まると画面には、遠くに山があり手前に平地が広がる、三兄弟は河を渡っている、むむ、山の高さからいって佐野市あたりか?と思ったら、ロケ地は監督の故郷埼玉県深谷市だった。映画では架空の渡市としている。
2018.2.24劇場で -
軽く思うとそんなには軽くなかった。重いのかと思うとそれほど重くはない。解説的な事も書こうと思えば書けるけど、それが深読みにもなるし、また、読みが浅いなともなってしまう。そんな映画でした。主演の3兄弟の人物を描き切れてなかった。それが、そう思う原因なのかも。
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ビジランテは「自警団」という意味。
映画を観終わるとなんとなく意味が分かってきます。
親子、兄弟の争い、そしてそこにある利権に群がる悪いやつら
演技力抜群の俳優さんたちのぶつかり合いに引き込まれます。
これぞ本物のバイオアレンス映画ですね。
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