トマト缶の黒い真実 ヒストリカル・スタディーズ [Kindle]

  • 太田出版 (2018年3月2日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 資本主義とグローバル経済のゴールはここなんだろうな、と改めて思う。中国産の濃縮トマトとイタリアの手摘みトマトの区別がつかない消費者にとっては、価格と効率だけが目に見える品質だ。原料がどこでどのように収穫され、保存されているかはスーパーの買い物客には知りようがない。イタリアで作られたトマト缶であれば、中国産濃縮トマト100%だろうとトリコロールの旗をつけて売ってよいらしい。
    トマト缶に限った話ではない。日本メーカー製の電子ガジェットの部品のうち、どの程度が中国製か。Amazonの配送センターでひとがどんな働き方をしているか。それは消費者には見えないし、関心も薄い。

    著者は中国産の濃縮トマトを非難するために本書を書いたのではないだろう。「安い」「早い」「便利」の裏側に何があるか、読者に想像してほしかったのだろうと思う。どうすればいいのか、こういう世界をいつまで続けていくべきなのか、答えは書いてない。

  • アフリカで流通する中国製トマトペースト缶の原材料表記は「トマト、塩」。実態はトマトは半分も入っておらず、究極はトマト31%、添加物69%のレシピが存在する。ブラックインクと呼ばれる濃縮トマト。驚愕の事実を暴露したドキュメンタリー作品です。こんな衝撃的内容なのに、書籍化の範囲で留まっているのは、実際の企業名や人物名が出ているからでしょうか?
    我々が如何に食に神経を使っても、知ることができない部分は多いように思います。BSE問題以降、牛肉に関しては、個体識別番号が小売店の売場に表示されるなど、トレーサビリティーが著しく進歩しました。野菜に関しても、生産者が分かる野菜が陳列されるなど、小売店の安心安全への取組は、消費者に支持されるポイントになっています。
    しかし、加工食品は、表示ラベルの情報しか判断材料がありません。そこに嘘があっても気づくことができません。実際、本書に出ている企業では、ISO22000もISO9001も取得しています。確かに、ISO以前の問題なのでISOの認定基準がどうこうということではありません。ただ、こういう情報にイメージが影響されているということが問題なんでしょう。
    消費者自身が知る努力をすることが、こういう企業を排除するのに必要不可欠だと感じました。もっと認知されるべき書籍だと思います。

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