- 幻冬舎 (2018年3月28日発売)
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感想・レビュー・書評
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濃密な上下巻だった。Kindleで読んだのだが、紙だとかなりのページ数だろう。15歳の夏の経験でこれだけのことを書けてしまう。そのことだけ見ても、その後の人生も濃いものになるということが予想できる。
著者の文章はドライなのでスルスルと読めてしまう。自伝ではあるが小説ではない。エンタメの書き方はしていない。なのに惹きつけられて何冊も読んでしまうのは、文章の奥から感じる熱量だ。文体よりも著者の見たことに対してどう思ったのかを知りたくなる。
この本を読んで、旅行気分を味わうのもいいだろうが、それはまやかしだ。やはり実際にその地に行かなければ何も分かりはしないんだろうなと思う。だけど今26歳になる私が外国に行ったとして、ここまでしっかりと旅が出来るのだろうか。著者の発言はかなり大人びていて間違いがない。距離を保った人格者の話し方だ。
下巻はソ連ゆえか大人しくて閉鎖的だ。佐藤少年はソ連に対して、日本での書物のイメージとは違って良いと思う。この事から一番学んだのは、やはり偏見を持って見てはいけないという事だ。旅の中では、実際に見ても偏見から駄目に見えてしまう老教授もいた。フラットな視線を持ち続けたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東欧~ソ連を巡る壮大な旅の後編。
ソ連と一口にいっても本当に広大で、モスクワと中央アジアではまるで文化が違う。
上下刊通じて訴えかけてくるのは「本当のことは自分の目で確かめなければわからない」ということ。
そして下巻になり度々顔を出すテーマは「その人の価値観により同じ事象でも受け取りかたがまるで違う」ということ。
異なる表現でいうと「偏見」の存在である。
佐藤氏の経験や考え方自体、いわゆる平均的な日本人のものからは距離をおいたものであるが
であるがゆえに当たり前だと思っている価値観への疑問を抱くきっかけを与えてくれる。
ペンフレンドや現地の若者と交流がありエモーショナルだった上巻と比べ淡々と進むため(ソ連の閉鎖性ゆえしかたのないことと思う)、単純に読み物としての面白さは上下ほどではない。
が、十五歳の少年の実体験を通して往時の社会主義国家をみつめるーということは読書だからこそなしえる経験であり、多くの人がこの上下巻を手に取り、そしてなにかをかんじてほしい。 -
「先生と私」で浦和高校に合格した佐藤優さん、高校1年生の夏休みに、東欧〜ソ連ひとり旅に!冷戦の70年代に15歳でだもんねぇ。送り出した両親もまたすばらしい。深夜特急のような感覚でグイグイ引き込まれて、久々に読み終えちゃうのがもったいないなぁと感じられた1冊。
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