- 文藝春秋 (2018年3月9日発売)
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みんなの感想まとめ
古代中国の商王朝の滅亡を描いたこの作品は、歴史の悲劇を通じて人間の運命や選択の重さを考えさせる内容です。主人公である王とその周囲の能臣や義臣たちの複雑な関係が、国が崩壊していく様子を生々しく映し出して...
感想・レビュー・書評
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新しい国が興る話ではなく、古い国が滅びる物語であるため、読んでいて心がざわつく。
能臣の箕子と義臣の干子という二人の叔父がいて、商という国を受け継いだ受(紂王)。活発で頭の回転も速く、弁舌が立つ王がなぜ国を滅ぼしてしまうのか?少しずつ歯車がずれていく様子が描かれる。
これだけ面白い話が最初は500部しか印刷されなかったとは驚き。出版して司馬遼太郎から著者に手紙があったとのことだが、筆者の経験談をちりばめ、漢字の語源について語るために物語から脱線したり、人物の顛末を先に述べるなどは、司馬の作風に似ている気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
●周に独り残された季勝についてだが、かれが小邑を有すことになったかどうかはさだかではなく、歴史にはっきりあらわれたのは、かれの曾孫の代で 趙 に封ぜられたということである。 廉──季勝──、とつづくこの系統はそのため趙氏ともいう。趙氏はのち戦国七雄にかぞえられる趙国のあるじとなった。また廉の 嗣子 は 革 といい若死にしたがかれには 防 という 女 がいたことはさきに書いた。この 廉──革──防──、という系統が 秦 の直系であり、野にかくれすんでいた防の子孫はや
がて同姓の趙氏をたより、西方の羌族との死闘をへて秦国を隆盛させ、ついに始皇帝 政 の代で中国
を統一することになった。かれらにとって 廉は神格的存在になった。
●商王朝の崩壊は、民意と神意との ずれ を、 周 につけこまれたためであるともいえよう。
●干子の死亡、微子の亡命、箕子の 幽囚 といったうちつづく商の不幸ほど、周を喜ばせたことはない。
●そのとき召公の弟のひとりが建てた国が──いまの北京を中心とする── 燕 国である。
●商の遺民も 商 丘(河南省・商 邱県)への移住を命じられ、そこでかれらはあらたに微子を君主にむかえて国を建てさせてもらった。その国が、 「宋」 である。商は宋と国号をかえて戦国時代まで存続したが、紀元前二八六年ついに 斉 に滅ぼされた。商の祭祀が絶えたのはそのときである。 -
【作家の誕生を高らかに告げた記念碑的作品】滅亡に傾いてゆこうとする商王朝を支え続けた箕子の姿を通し、名君・暴君・忠臣・佞臣入り乱れる古代中国を雄渾に描いたデビュー作。
著者プロフィール
宮城谷昌光の作品
