タイタニア(全) [Kindle]

  • らいとすたっふ (2018年3月16日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 二転三転する状況の中で、右往左往する登場人物たちの姿がリアリティがあった。

    田中芳樹先生の作品だと「銀河英雄伝説」が有名だが、銀英伝はヤン・ウェンリーとラインハルトによるダブル主役がそれぞれの陣営で織り成す物語。
    一方タイタニアには主役がいないのかもしれない。短編集のように同じ世界でそれぞれの人物がそれぞれの思惑で行動する、目まぐるしさがあった。
    登場人物の多さ、活躍の華やかさは銀英伝が勝るかもしれないが、タイタニアは「タイタニアが如何に滅びを迎えるのか」最後まで手に汗握る作品で面白かった。

  •  全5巻、一気に読んだ。そういう意味では、この作者の他の作品同様、とてもおもしろくぐいぐい引っ張る物語の力がある。

     前半は「銀河英雄伝説」の不自由な変奏曲という感じがした。全体として小粒というか、濁った色をしている印象。まあ、その分猥雑でわるくはなかったが、「銀英伝」のようなすかっとしたものは感じられなかった。

     後半になると、あれよあれよという間にものすごい展開になっていき、追いかけていくのが精一杯になってしまった。「ああ、そういうことか」という最後の展開ではあるのだけど、「いったい何だったんだ」という後味の悪さが残る。こんなことのために随分殺したな、と。

     読み終わるとそんな印象を持たざると得ないんだけど、読んでいる間は、まるでレールの壊れたコースターに乗っているようで夢中になってしまった。よしとしよう。

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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