- 白泉社 (2018年3月20日発売)
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感想 : 4件
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感想・レビュー・書評
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マダム・プティ完結❗️
バラットさんの -
ミステリのようなスタートダッシュから、少女漫画の王道・シンデレラストーリーへと繋がっていく。
山あり谷ありの愛の冒険活劇。
私は恋愛漫画においてプロセスを重視するタイプなので、大満足を超えて神満足。
2人の絆を強めるエピソードが多すぎるよ!なんだったら供給過多!
《ストーリー面について》
冒頭のオリエント急行からインスパイアされた展開から、あまりにも主人公が不憫な展開へと繋がっていく。耐えられないんですけど…辛いんですけど…と感じていたが、主人公の強さに助けられた。おかげで読み進められた。
読みだすとやめられない。
はやく次を読みたいと、手が止まらない。
舞台がどんどん変わっていくので、飽きさせない。ハイスピードな展開なのに、雑さは無い。
物語上の「景色」に関する話題が、回収された瞬間が、気持ち良かった。
立ち上がり拍手したくなるラスト。
《キャラクター面について》
主人公・万里子。
素直さ、素直すぎて器用ではいられない様子が愛らしい。
真っ直ぐな人物の行いが全て良い結果を生むと、正直腹が立つのだが、万里子はちがう。感情で動いたとき、失敗してしまうこともある。ああ、この子愛しい。
このキャラクターが大好きなんだなとわかったのが、オリエント急行でお別れした元旦那への感情面。本来であれば「こいつ滅びろ」くらいに思っていたはずなのに、万里子が優しく許しているから、「万里子がそうなら私もそれで良い…」と思った。主人公に右へ倣えだ。
常に動き回るのではなく、怖くて動けないときもあるし、でもここぞってときに勇気ある行動をする万里子、人に優しいレディ万里子。好き。
ニーラム
正直、初登場の時点で「あんた王子でしょ」って一瞬でわかったけど、物語上での公表を焦らしてくれるのが嬉しかった。いつかな?いつ主人公はビックリするのかな?と楽しみで仕方なかった。褐色男前が大好物なのでヤバい独り占めしたい〜と思っていたが読んでいくうちに「こいつには万里子しかいない」と判断した。
万里子との出会い方から、意識してゆき、愛する女性になるまでの流れが素晴らしすぎる。わかる、わかるぞニーラム、あんなことこんなことあったもんな!っていう。
第1話から読み返せば、この会話もなにもかも、2人にとっての想い出…!ってたまらなく幸せになる。2人がフラフラせずにお互いを意識し続けてるのが良かった。ノーストレスで読めた。
万里子を愛しく思いながらも国を背負う者としてあり続けたニーラム。かっこいいぞ!
エドワード
やったことは許されないとしっかり助けてくれる。好き。良い奴。最後のほうまで出てくるのでこちらも思わず微笑む。責任とりまくり!
兄貴
不憫すぎて不憫。不憫の中の王様。
褐色眼鏡でどことなく薄幸で弱々しくて知的で…。
介護してくれた英国美女とはくっつかないんだね。
それもよかろう…。
第1夫人
お前こそ悪者。ベストオブ悪者。
物語の途中から出てくるがしっかり悪者しててお前は偉い。逆に偉い。やってることクズなのにこの人の人物像はいまいち薄いんだけど、知ってしまうとお涙頂戴になってしまう恐れがあるからちょうど良い。
二ディ
ニーラムの秘書。好き。抱かれたい。
後半にちょろっとでてきただけなのにすごい好き。
主人に従順ながらも、主を愛するあまり万里子に冷たくあたる人間くささ。良いぞ。あと顔も好き。
タラ様
ニーラムの婚約者。言及していきたい。
ちょろっとしか出なかったけど、「この女性…好き」となった。温かくも冷たくもない。物語になにかを与える存在。必要。幸せになって欲しい。フォーリンラブしてたし。
《私の求めてたやつ》
私はコマ割りやページ構成にうるさい。
作者は常に、私の好みの見開き、コマ割りをいちいち超えてくる。
「これこそ出会いたかった作風、画面構成!」と唸る。
少女漫画は基本的に画面を大胆に使ってくれるので気持ちいいのだが、ここぞという見せ場でドーンとくるのでまさに「欲しかったよ今その見開き…ありがとう…」と感謝さえしてしまう。
特に印象的なのが五話のヒキ。
一ページ使ったオリエント急行のカット。
後戻りできない、目的地に向かって走っていく。
ヒキでこれだけ、人物も写さずに。
震えたのだった。
何度でも読みたいなとこのとき思った。
絵柄に関してはなにも言うまい。
この繊細で上品で可愛らしいタッチ。
物語にマッチ。
完璧や。
高尾滋の作品
