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感想・レビュー・書評
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第1回大藪春彦新人賞
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初読み作家さん。
震災と原発と避難民とお金…こうも生々しく描かれた作品は初めてだった。
たしかに読み手の立場によって変わる、眉をひそめたくなる箇所がある。
動く大金、お金に囚われた避難民、実際はどうなのだろうか…。
報道の裏側を見せられたようなこの物語は短編ながらも心に強烈な爪痕を残す。
高橋老人との出会いによっての主人公の心の動き、高橋老人の数々の言葉が心に響いた。
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読んだら続きが気になって止まらないタイプの本。こうであってほしくない現実が詰め込まれていたけど、目が離せない展開だった。
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軽い気持ちで読み始めた。
赤松利市という名前をなんで知ったのだろう。
誰に勧められたわけでもないのは憶えている。
新聞広告だろうか。
多分、「62歳の新人で元ホームレス」というような惹句が琴線に触れたように思う。
色々な作品の紹介を見ていると、西村賢太や車谷長吉のような無頼なイメージを感じた。
かなり好物だ。
最も、赤松先生はTwitterをしておられ、フォローをしたらすぐにリプライ付きでフォロー返しをしてくださった。
単純なので、それだけでファンになってしまう。
最初に「純子」を読み始めた。
敢えて理由は書かないが、最初の方で挫折して少し寝かせておこうということになり、デビュー作でもあり、第一回大藪春彦新人賞を受賞した本作を手に取ることになった。
手頃な長さでもあり、又、文章のリズムが良く(少なくとも自分には)どんどんと読み進められる。
が。
読後にはずっしりと腹に鉛を感じることになる。
もちろん内容は書かない。
読み終えてすぐにKindleで次の作品を選び、ダウンロードすることになった。
現在、かなり精力的に創作をされているようなので、楽しみである。 -
福島の原発事故利権に群がる人間模様を描いた短編。実際、お金的に色々とあるんだろうなー。人はすぐ横で他人がお金を手にしていると心が健康ではいられなくなるんだろう、それは実感としてとてもよくわかる。
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夜中に読む話じゃない。人間の心の闇。
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東日本大地震での原発避難民や、事故処理に携わった人々に対して、「え、いいの?」っていうブラックな視点で書かれている。
原発避難民は完全な被害者で(国と東京電力が加害者で)、最大限の配慮をすべき存在であるのは間違いのないことなのだろうが、この本に書かれているようなことが現実だとすると(補償を受け続け、それが事故前よりも金回りのいい生活をもたらし、仕事もろくにする必要がなくなっているとしたら)、もう補償ではなく慰謝料だ。そう考えた方がスムーズなんだと思った。
この話の著者は、ホームレスも経験して原発作業員も経験した人だといういことだ。そうでなければ、この本は書けないんだろうと思う。普通の人には触れることのできない話だ。世の中には、いろんな視点で発信する人がいた方がいい。いいか悪いか、好きか嫌いかは受け取った人が判断すればいい。
全面的に嫌な話だが、最後のさっぱり感はとても良かった。 -
金だ…と狂っていく…そこにある結末は。。。
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短編として面白かったが、最後がいまいち。
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201811
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火事の焼け太りのようなもので、福島原発近隣住民は過剰な補償を受けているのではないかという、おおっぴにはしにくい話題を扱った小説。
ちらちらと垣間見える避難住民のぜいたくな生活ぶりや一次請けから孫請け(元請けから入った1.7万円が作業員のところにいくと8千円になる)のシステムなど、現地のなまなましい描写はよいが小説としては短すぎ -
原発事故の関係者になったような感覚になるリアリティさがある。続きが早く読みたい。
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阪神・淡路大震災。僕は被災地のど真ん中にいた。
通電した電飾だけが灯った商店街。人通りがないだけに真ん中しか歩けなかった。
警官は3人一組で巡回し、一人歩きの僕に声をかけてくる。「はい、気をつけます」
信じられないような風聞がまことしやかに流れていた。いや真だったのかもしれないが信じたくはなかった。
「藻屑蟹」の描く世界も同じだ。震災はある意味戦争なんだ。生き残るためには鬼畜になる必要もあったのだ。信じたくはないが、これも現実だった。多くの読者が読み進めながら不快に思い、目をそらしたくなるかもしれない現実。しかしそれは書き手も同じだ。
「たとえ将来、路上に帰らざるを得ないほど困窮しても」書き続けると達観した赤松利市氏だからこそ、震災被害を美化することも現実から目を背けることもなく書き切ったのだと思う。短い作品だがこれ以上書く必要もないし、むしろ書けなかったのではないか。
読後1.17希望の灯りの碑文『震災が残してくれたもの やさしさ 思いやり 絆 仲間』がふっと心をよぎった。 -
新しく設けられた大藪春彦新人賞受賞作である中編。
福島原発を題材に、人間の浅ましさ、絶望観、醜さなどをなかなかの筆力で読ませてくれる作品。特にミステリーやサスペンスというテイストでもなく、限りなく純文学の作品だ。
筆力のある文章も、どうやらですでに活躍している作家のペンネームらしいとのこと。 -
自分の人生に諦めを感じている主人公が、東日本大震災の発生に「ザマアミロ」と呟くところから物語は始まる。主人公、高橋のオヤジさん、純也の三人の関係を中心に物語が展開していき、ラストの印象的で意外性のある出来事まで、一気に読ませる筆力はすばらしい。
原発事故で莫大な補償金をもらい、その地位に胡坐をかいている原発避難民のひどい実態や、原発作業員の給料を中間搾取する派遣会社のあくどい実情といった、表立っては言えないような闇の部分に、大胆に切り込んでいるところが面白い。
主人公、高橋のオヤジさん、純也の三人の人物造形も優れている。特に、高橋のオヤジさんの一見ダメ老人のように見えて、深みのある人柄がすばらしい。主人公は、高橋のオヤジさんのことを最初は馬鹿にしていたが、段々と共感を持つように変わっていき、とにかく金が欲しいと思っていた気持ちにも変化が生じ、それがラストにつながっている。
「汚染されたヤマメ」と「それを食べる藻屑蟹」のたとえも、ぴたりとはまっていると感じた。 -
貧困層に喘ぐ日本の人々と慰謝料、保証金で裕福な原発避難民。原発避難民に対する誹謗中傷の文章は胸が痛むが実際に誹謗されるような行動をとっていた人たちも少なからずいたのだろう。当時、よく聞かれた除染作業員がすごい給料をもらうという話。その除染作業員になり大金を手につかもうとするがそれは除染作業で掴むものではなく、ある計画に利用されたものだった… 住所不定の路上生活をしていた作者が掴んだ第1回大藪春彦新人賞受賞作品。津波と原発被害は違うものと言われるが津波で友人を亡くした私にとってはこれは結構重い作品だった。
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第1回大藪春彦新人賞受賞。中編。
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東日本大震災・原発事故、主人公は彼は金のため除染作業員として働くはずだったが・・。
原発避難民たちの実態、金の匂いに敏感な人たち、人間のあさましい欲がよく描かれていた。
(電子書籍 kindle)
著者プロフィール
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