藻屑蟹 1(第1回大藪春彦新人賞受賞作) [Kindle]

著者 :
  • 徳間書店
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レビュー : 18
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感想・レビュー・書評

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  • 初読み作家さん。

    震災と原発と避難民とお金…こうも生々しく描かれた作品は初めてだった。
    たしかに読み手の立場によって変わる、眉をひそめたくなる箇所がある。
    動く大金、お金に囚われた避難民、実際はどうなのだろうか…。
    報道の裏側を見せられたようなこの物語は短編ながらも心に強烈な爪痕を残す。

    高橋老人との出会いによっての主人公の心の動き、高橋老人の数々の言葉が心に響いた。



  • 軽い気持ちで読み始めた。

    赤松利市という名前をなんで知ったのだろう。
    誰に勧められたわけでもないのは憶えている。
    新聞広告だろうか。
    多分、「62歳の新人で元ホームレス」というような惹句が琴線に触れたように思う。

    色々な作品の紹介を見ていると、西村賢太や車谷長吉のような無頼なイメージを感じた。
    かなり好物だ。

    最も、赤松先生はTwitterをしておられ、フォローをしたらすぐにリプライ付きでフォロー返しをしてくださった。
    単純なので、それだけでファンになってしまう。

    最初に「純子」を読み始めた。
    敢えて理由は書かないが、最初の方で挫折して少し寝かせておこうということになり、デビュー作でもあり、第一回大藪春彦新人賞を受賞した本作を手に取ることになった。
    手頃な長さでもあり、又、文章のリズムが良く(少なくとも自分には)どんどんと読み進められる。

    が。

    読後にはずっしりと腹に鉛を感じることになる。

    もちろん内容は書かない。

    読み終えてすぐにKindleで次の作品を選び、ダウンロードすることになった。
    現在、かなり精力的に創作をされているようなので、楽しみである。

  • 福島の原発事故利権に群がる人間模様を描いた短編。実際、お金的に色々とあるんだろうなー。人はすぐ横で他人がお金を手にしていると心が健康ではいられなくなるんだろう、それは実感としてとてもよくわかる。

  • 夜中に読む話じゃない。人間の心の闇。

  • 東日本大地震での原発避難民や、事故処理に携わった人々に対して、「え、いいの?」っていうブラックな視点で書かれている。
    原発避難民は完全な被害者で(国と東京電力が加害者で)、最大限の配慮をすべき存在であるのは間違いのないことなのだろうが、この本に書かれているようなことが現実だとすると(補償を受け続け、それが事故前よりも金回りのいい生活をもたらし、仕事もろくにする必要がなくなっているとしたら)、もう補償ではなく慰謝料だ。そう考えた方がスムーズなんだと思った。
    この話の著者は、ホームレスも経験して原発作業員も経験した人だといういことだ。そうでなければ、この本は書けないんだろうと思う。普通の人には触れることのできない話だ。世の中には、いろんな視点で発信する人がいた方がいい。いいか悪いか、好きか嫌いかは受け取った人が判断すればいい。
    全面的に嫌な話だが、最後のさっぱり感はとても良かった。

  • 金だ…と狂っていく…そこにある結末は。。。

  • 短編として面白かったが、最後がいまいち。

  • 201811

  • 火事の焼け太りのようなもので、福島原発近隣住民は過剰な補償を受けているのではないかという、おおっぴにはしにくい話題を扱った小説。
    ちらちらと垣間見える避難住民のぜいたくな生活ぶりや一次請けから孫請け(元請けから入った1.7万円が作業員のところにいくと8千円になる)のシステムなど、現地のなまなましい描写はよいが小説としては短すぎ

  • 原発事故の関係者になったような感覚になるリアリティさがある。続きが早く読みたい。

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著者プロフィール

赤松利市(あかまつ りいち)
1956年、香川県生まれ。大学卒業後、金融系の会社で経験を積み、35歳でゴルフ場関係の会社経営者に。しかし会社が倒産、様々な職を転転とする。そのなかで書いた短編小説「藻屑蟹」にて第一回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー。「62歳 住所不定 無職 平成最後の大型新人」というキャッチコピーが話題になる。初長編『鯖』を刊行。

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