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感想・レビュー・書評
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魔法使いの弟子が呪文を学ぶ、という形でコンピュータの概念を語るシリーズの続編的作品。
ある王国のわがままな王子。魔法使いの策略で、家臣団が「なんでも言うことを聞いてくれる」人形に置き換えられてしまう。ということで、「自然言語による命令を受け、それを実行する機械を実現しようとするならば、多かれ少なかれ、避けては通れない問題」(P268)に直面することになる。
「おなかがすいたんだけど」と言えばすべてしつらえてもらえていた勉強嫌いの王子が、「食べ物を作れ」という命令の伝わらなさにさんざん苦労する。過去にプログラミングで遊んだ人ならわかる「あるある」的失敗談が結構笑える。そして城の混乱を知った謀反の動き。衛兵たちに「敵」を定義して「守らせる」こと。こうしたプログラミング技術的な話から始まって、「勉強」とは何か、人はいかにお互いの知識や信頼関係を前提に言葉をはぶいているかなどを説明していく。
キッチンからテーブルにスープを運ばせるときに「この皿をテーブルへ」というだけでは、こぼさないようにそっと動かすことをしないのが機械。「あとでこのスープをおいしく食べるため」という目的・本質への理解なくしては、指示は狙い通りの効果を生まない。こうしたことから王子がいつしか、「共感」「感謝」、さらには「自己と他者」の関係を知っていくプロセスは感動的。
過去の著作に比べると断トツの読みやすさ。
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