君主論 新版 (中公文庫) [Kindle]

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  • 中央公論新社 (2018年2月25日発売)
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みんなの感想まとめ

権謀術数に満ちた君主の世界を描いた本書は、現代の感覚とは異なる価値観が新鮮で、意外にも読みやすい内容が魅力です。特に、君主が持つべき二つの方策、すなわち法律と力を巧みに使い分ける重要性が、野獣と人間の...

感想・レビュー・書評

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  • 以前、原稿に1ヶ所引用する必要があって買ったもの。通読したのは今回が初めて。デジタル積ん読解消である。

    意外に読みやすかった。現代の感覚とはまったく違う(「君主は領土拡張欲を持って当然」という感覚とか)のだが、そこがむしろ面白く読める。

    権謀術数渦巻くドロドロした世界が描かれているが、それでも文章は優雅でカッコイイ。たとえば――。

    《戦いに勝つには、二種の方策があることを心得なくてはならない。その一つは法律により、他は力による。前者は、人間ほんらいのものであり、後者は獣のものである。だが多くのばあい、前者だけでは不十分であって、後者の助けを借りなくてはならない。したがって君主は、野獣と人間をたくみに使いわけることが肝心である。
    (中略)
     そこで君主は、野獣の気性を適切に学ぶ必要があるのだが、このばあい、野獣のなかでも、 狐とライオンに学ぶようにしなければならない。理由は、ライオンは策略の罠から身を守れないからである。罠を見抜くという意味では、狐でなくてはならないし、狼どものどぎもを抜くという面では、ライオンでなければならない。》

    マキャベリはチェーザレ・ボルジアを、本書で《民衆をどのようにすれば、手なずけられるか滅ぼせるかを知りつくしていた》理想的な君主と讃え、彼の悲劇的な死を深く哀惜している。
    なので、惣領冬実の名作マンガ『チェーザレ 破壊の創造者』の愛読者は、『君主論』も一度読んでみるとよい。

    この新版の巻末に、訳者の池田廉による長文の解説が載っている。マキャベリの評伝としても『君主論』の研究史としても読め、シロウトの私が読んでも優れた内容だとわかる見事なものだ。

    池田廉って、私は知らなかったけど高名なイタリア文学者なのだね。今年4月に97歳で亡くなっている。

  • 経済学や思想はその時代背景を元に考慮しなければならない 。セットで使わないと意味がない。これを前提にレビューを書きます。

    時代背景としては、マキャベリの時代は戦乱や汚職、詐称、王様国家の時代です。


    ①武力を持たない他国の軍事力を頼りにしている国は必ず滅ぶということです 。
    なんのかんの武力がないとなめられます。 現在の核保有国の発言力を見れば分かるでしょう。 武力のあるものが進んで武力のない者に従うことはありえないのです。自然界を見れば分かるでしょう。 自然の法則に逆らうことはできません。 宇宙物理学の法則に従って宇宙は動いています。 いくら人間が理想的な国際法や道徳や経済理論を作っても宇宙物理学の法則からは逃れられません。

    ②他国同士が戦争している時に中立の立場にいることも国が滅びます。決断力のない国はどこの国からも信用されません。戦勝国に味方していたならば、戦勝国からはあなたの国のおかげで勝利できたと思われます。敗戦国に味方した場合も、負けたけれど助けてくれてありがとうと感謝され、次回は助けてもらえます。中立の立場だとどちらからも結局助けてもらえません。

    現在に当てはめてこれらのことを考えてみると、 戦乱の時代じゃないけど、武力による発言力は健在です。力=武力の方程式が変わっていけば世の中変わっていくと思います。
    国際ルールや国内の法律 、ネットなどで個人間で売買する時のルールを破る人が世界中からほぼいなくなれば、非武装の平和主義が成り立つかもしれない。 でも日常生活から実際に感じられるように、まだその段階ではないだろう。 日本はその観点から言えば世界で一番発展しているかもしれない。しかし他国はまだ未熟である。 よって方向性としては世界中の非武装の方向に向かっていいかもしれないが徐々に向かうべきです。いきなり理想である非武装を実行してもやられるだけだと思う。

  • かの有名な「君主論」をようやく読破した。
    想像していた何倍も面白かった。

    塩野七生の「わが友マキアヴェッリ」を読んでいなければここまで面白いとは感じなかったかもしれない。

    途中までは「わが友マキアヴェッリ」で十分か?と思うほどだったが、マキアヴェッリ独自の視点の面白さを堪能することができた。

    君主を経営者と読み替えながら読み進めたが、参考になるところばかり。

    君主は軍事に専念しろ、というのは、経営者であれば営業やマーケティングに注力しろ、といったところか。

    「英邁な君主は、けちだという評判など、少しも気にかけてはならない」
    といった表現は、コストをおさえなさい、ということだと思う。

    日本語訳が平易だったのも良かった。
    読みにくさは全くなかった。

    得るものの多い読書だった。

    • フシ鳥さん
      こんにちは。同じように塩野七生から入り、同じような感想を持ちました。
      こんにちは。同じように塩野七生から入り、同じような感想を持ちました。
      2024/11/05
    • masahiko34さん
      ありがとうございます!
      ありがとうございます!
      2024/11/05
  • 中央公論社の世界の名著の1冊である。しかし、このブクログの検索ではヒットしなかった。
     君主論の池田簾の翻訳はわかりやすいと定評がある。しかし、この話を読む限りはピンとこない。責任編集が会田雄次で解説を書いているが内容に踏み込まずにわかりやすい。

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著者プロフィール

一四六九年生まれ。フィレンツェの政治思想家。少年時代より独学で古典教養を身につける。外交・内政・軍事の官僚政治家となり国内外で活躍、様々な型の君主と身近に接する機会を持つ。政変にともなって追放処分を受け、失意の日々に『君主論』を執筆、没後出版された。危機的状況を踏まえた激しい内容から権謀術数に長けた非道な思想家と呼ばれたが、一九世紀になって、同時代のレオナルド・ダ・ヴィンチ同様人間を冷徹な目で観察し科学的に認識した人物として高く評価される。一五二七年没。 一九二八年(昭和三)、東京都生まれ。京都大学文学部卒。京都大学大学院修了。大阪外国語大学教授を経て同大学名誉教授。主な著書に『伊和中辞典』(共編)、訳書にデッラ・カーサ『ガラテオ』、ペトラルカ『カンツォニエーレ(俗事詩片)』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『解剖手稿』(共訳)などがある。

「2018年 『君主論 新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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