ラメルノエリキサ (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 小峰りなちゃんの性格が好き
    自分の機嫌は自分で取ることを徹底していて、大人びた雰囲気を持っているのにもかかわらず、自分が害されたことに腹が立って復讐しないと気が済まないというギャップがとても良かった。綿密に犯人への手がかりを掴んで追い詰めていくのに、最後は年下の男の子の妄想じみた夢とその理由に謝られただけで許してしまうところが子供っぽくて笑ってしまった。主人公の気持ちが読者にも投影されるような言葉の運びで、犯行の理由が母親のためだったという事実を聞いた時の、どうしようもなく哀れで復讐心がなくなってしまった気持ちがとても伝わってきた。

  • 主人公が個性的で面白かった。

    実の姉に殺人を犯すと思われる程復讐心が強い彼女であっても、八つ当たりしたり、不安になったり10代の少女らしさが描かれていたところがまた良い。

    ラストの「私は私を愛してる」っていう言葉がお気に入り。彼女だけではなく、皆がそう言える様になれれば良い。

  • 帰り道に刃物で刺された女子高生の主人公が、仕返しのために犯人探しをするというストーリー。
    気が強いのだけど強くはなり切れなくて、でも自分の気が強いところが好きという、何か半端な感じがする主人公が好きになれなかった。
    彼女が復讐好きなことは家族にも友人にも知れ渡っていて(何度も前科がある)、かつクラスの勝ち組クラスタという設定なのだけど、ちょっと無理があるのではと思う。

    池上冬樹の解説によれば、すばる新人賞受賞作で、宮部みゆきが絶賛したとのことで、正統派の人からみれば斬新なのかなと思ったりする。

    ハードボイルドな青春ミステリといえば宮部本人とか、貴志祐介とか高村薫とか色々いるけれども、
    軽めで毒があって若い女性主人公で…という枠は確かにあまり読んだことがない。探せば最近はそういうものもあるのかな。

  • 主人公や姉のキャラは凄く良いが…それだけ。
    特に驚くような展開もなく終わってしまった

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著者プロフィール

1981年静岡県生まれ。天理大学人間学部宗教学科講師。東京大学文学部卒業,東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了,博士(文学)。2011-2013年,フランス政府給費留学生としてパリ・イエズス会神学部(Centre Sèvres),社会科学高等研究院(EHESS)に留学。2014年4月より現職。専門は宗教学,とくに近世西欧神秘主義研究,現代神学・教学研究。訳書に,『キリスト教の歴史 ―― 現代をよりよく理解するために』(共訳,藤原書店,2010年),論文に「もうひとつのエクスタシー ―― 「神秘主義」再考のために」(『ロザリウム・ミュスティクム:女性神秘思想研究』第1号,2013年),「教祖の身体 ―― 中山みき考」(『共生学』第10号,2015年)など。

「2016年 『ジャン=ジョゼフ・スュラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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