日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • 講談社 (2018年4月19日発売)
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  • 経済力では中国に抜かれ、人口も減少モードになってしまった、日本。
    20世紀後半のような「右肩上がり」の未来図を描けなくなって、ずいぶん年月が経ちました。
    では今後の日本は、どうなるのか?
    人生設計を考える上でも必要なことなので、関連する本を読むようにしています。

    この本は題名からして、「暗い未来」が書かれているのかなと思いつつ、日本とくに財政や経済面での見通しについてヒントが得られることを期待して、読んでみることにしました。

    第1章ではまず、現在の世界経済の状況と直近の懸念について、著者の見立てが書かれています。
    第2章以降は、長期的スパンで見た、日本の課題について論じています。
    少子高齢化が、日本の社会にどのような影響を与えるのか。
    生産性の向上、ロボットやAIの活用は、人々の暮らしを豊かにするのか。
    日本を代表する、自動車産業はどうなるのか。
    日本人の所得はどうなっていくのか。
    東京への一極集中にはどのような問題があるのか、地方自治体は何をすべきなのか。

    前半の部分では、国家、個人の債務と景気の関係について、はじめて本質を理解できたように感じました。
    一見好調に見える世界経済(特に米国)は実は、砂上の楼閣のようなものであると、受け取りました。
    そして日本については、少子高齢化が最重要課題のひとつであることは間違いないこと、この分野についても、“課題の先送り”という、バブル期に犯してしまった間違いを、繰り返してしまっていること。
    生産性の向上は企業の収益は高めても、人々の暮らしを豊かにする見込みは低いこと。
    給与の上昇率が低いだけでなく、社会保障のための支出が増えて、可処分所得は減る見込みが高いこと。

    本書に書かれていることを列挙していくと、題名の通り日本は「困難な状況」にあるのだなあと、頷かざるを得ませんでした。
    本書には解決策も提示されているのですが、課題の一部に対するものだと思います。
    問題は根深いですね。

    とはいえ何もしなければ、悪化していくのを座して待つばかり。
    社会として、個人として何をすべきか。
    今後も関連する本を読んで、考えていきたいと思います。

    『The Economist 世界統計年鑑2018』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B0772R59NY
     
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著者プロフィール

1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、金融機関や官公庁を経て、現在は経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。大手企業・金融機関、地方公共団体等への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に務めている。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。実質賃金、実質成長率など、名目数値よりも実体経済に近い数値推移で市場を把握する。著書に『AI×人口減少』(東洋経済新報社)、『日本の国難』(講談社現代新書)など。

「2021年 『マンガでわかる その後の日本の国難 稼ぐ力の高め方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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