「頭がよい」って何だろう――名作パズル、ひらめきクイズで探る (集英社新書) [Kindle]

  • 集英社 (2003年9月22日発売)
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  • 本書は「天才のひらめきはどこから来るのか?」という内容であり、著者は宗教人類学者である。
    天才を育てることはできない。育てることができるのは秀才である。しかし、天才の発想はどこから来るのだろうか。育てるとこができないとしても天才に共通の性質はあるのだろうか。
    一点目は、学校教育に馴染めない性質を持っていることである。次にあげる天才は学校教育に馴染めなかった。
    ・エジソン(1847-1931)
    ・アインシュタイン(1879-1955)
    ・マクスウェル(1831-1879)
    ・ファラデー(1791-1867)
    ・ジュール(1818-1889)
    ・ポアンカレ(1854-1912)
    二点目は、視覚的な情報処理に長けていることである。学校教育は言語的な要素が大きい。例えば、教科書は文字が並び、教師は言葉で説明し、黒板に文字を書く。
    三点目は、好奇心が強いことである。学校教育では「好奇心を引き出せば成功する」と考えられているが、実際は逆である。成功を体験したから好奇心が増したのだ。

  • 凡人にも勇気と希望を与える本。
    偉大な賢者もかつては落ちこぼれや苦労人だった。
    エジソンは、注意欠陥多動性障害、アインシュタインやマクスウェルは発話障害で落ちこぼれ、ファラデーは数学が苦手、学習障害はレオナルドダヴィンチ、アンデルセン、フロベール、ロダン、イエイツ、シュバイツァーなど・・
    となると、学習障害にもかかわらず成功したのか、学習障害だったからこそ成功できたのか。学校教育そのものに違った視点が必要になってきます。
    最後の、子供の好奇心を育てるエピソードは素晴らしい。(P170)
    そして、成功は強い動機付けの結果であるという真実は、現在の学校教育(勉強できる子とできない子をひたすら選別する)とは真逆なのではという疑問につながる。
    本書には25問のパズルと天才たちの知能指数一覧(信ぴょう性は?)もあって楽しめます。

  • すぐに結論を求めないことや、間違えることが人間らしいという考えに目から鱗が落ちました。また、過去の偉人たちが特段IQが高かったわけでもないことも、何だか自分の自信につながるように思いました。天才というのは当たり前のことを別の角度で見たり、好奇心に動かされているというのも興味深かったです。
    後半は機械と人間に関して書かれていますが、こういった機械の進歩を見ると、そのうち人間と機械の判断が難しくなってくるという恐怖に駆られます。単純なルーティンや複雑な計算は機械で出来ますが、人間が如何にして人間らしく生きていくかという大切さを教えてくれる本でした。

  • 再読。本文中のパズルは最後の二つ以外はなんとか解けた…
    近年のクイズ番組ブームで、パズルを解く能力は国民レベルで底上げされてる感じがするけども、これは思考の死角がなくなってきたということか、それとも思考の自由が逆に狭くなってきてる…?

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著者プロフィール

1947年東京都生まれ。宗教人類学者。京都造形芸術大学教授。東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科(宗教学)博士課程修了後、シカゴ大学大学院に留学、M・エリアーデらのもとで研究を続ける。NYのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ(人類学)客員教授、関西大学教授、人間総合科学大学教授などを歴任。四十年以上、世界各地で宗教人類学調査を続けている。主な著書に『生きるチカラ』『偶然のチカラ』(共に集英社新書)、『官能教育』 (幻冬舎新書)、『賭ける魂』(講談社現代新書)ほか。

「2017年 『運は実力を超える 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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