その悩み、哲学者がすでに答えを出しています [Kindle]

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  • 文響社 (2018年4月27日発売)
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Amazon.co.jp ・電子書籍 (297ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 何はともあれ、何かに打ち込んでいたら、悩みもなくなる、という結論に至った。

    それが出来ないから悩むんだと思うけどね。みんな悩みを持っているということを想像できればいいんだけどね。

    読書している余白の時間だから、悩みを持たないまま、読み進めたけど、実生活をリアルに生きているときには、絶対、悩むんだろうな。その時、役立てられるかが、この本の価値だろうと思う。

  • 素晴らしい!
    本書は悩める現代人にブッダからクラプトンまで持ち出して理を解き、時に解決しない良書である。
    ポイントは3点。
    ○悩みは解く必要がない。
    ○その悩みは過去に連綿と人類が直面してきたありがちな悩みであり、既に悩みぬいてある。
    ○哲学者からアーティストまで幅広い層に解を求めており、単純な哲学書入門書にはなっていない。

    上記の中でも悩みとは普遍的であり、既に悩み抜いているという点が大人になってから気づいた点ではあるがもっと早く本書に出会っていればと思わされる。思春期には必要な悩みだったのかもしれないが、、、。

  • 仕事、お金、人間関係、病や死など、誰しもが一度と言わず何度でもぶつかる壁についての解決法を、沢山の哲学者の言葉を借りて解決に導く本となっております。

    現代では、せわしなく生きているビジネスパーソンが多く、
    自分の悩みに関して無頓着な方が多い気がします。

    見て見ぬふりをするごとに、また新たな問題が鎖のように連鎖していく...
    こうなるとその悩みの解決はどんどん難しくなってきます。
    本書はそういった悩みを一つ一つ具体的に分解して、お答えしています。
    結構掘り下がった題も多いので、全く当てはまらないのも出てくるでしょうが、
    「お悩みhow to本」(家庭の医学ならぬ心の医学ともいうべきか)として活用すれば、いつか出くわす悩みにも対処できるでしょう。

    悩みの該当箇所を読んでもあと一押し解釈が足りないようであれば、
    本書には出典から各哲学者の原典にあたる事もできます。、

  • 哲学科で、卒論に何を取り組もうか迷っていた私に贈りたい1冊。哲学を学んでみたい人の入門書。身近な悩みを取っ掛かりにしているので、
    哲学のとっつきにくい難解なイメージを感じずに読める。
    サルトルは外見コンプレックスを持ちながら、モテたくて仕方なかったなど、人間味あふれるエピソードが面白かった。 

    それぞれの哲学者の思考を、さらっと説明してくれるのも良い。さらに興味を持った人物の推薦図書も読んでみたい。

  • 表紙と前書きで一目惚れ、内容もとても面白かった。
    この本を読むまでは哲学など自分の人生には無縁で、よく分からんオッサンがよく分からんことを議論しまくる謎の学問という認識でした。しかし、人間の悩みの解決のための道具として哲学を利用することで、哲学という学問がとても身近なものに感じられました。このことだけでもとても得るものが大きかったと思います。
    この本はいろんな人の思想をざっくりピックアップして悩みの解決や教訓に繋げているっぽいので、本書だけで哲学を完全にマスターするのはたぶん無理だと思います。それでも僕はこの本をきっかけに「どうやら哲学というヤツは相当難解で面白いらしいぞ」と思い、今では色々な哲学入門書に手が伸びるようになりました。哲学入門の前にまずは哲学界にどんな人がいて、どういうことを言ってるのか知りたいという人にもオススメかも?

  • 哲学初心者でも、楽しく読めました。
    多分これから哲学にはまると思う。

  • 私は今なにかにすごく悩んでいるわけではないので、友人から悩みを相談された時どんな声かけができるかな?という視点て読んでみた。

    万人に納得いく答えを出しているわけではなく、問題に対するひとつの解釈の仕方を教えてくれる本だった。

    コンプレックスへの向き合い方はすごく刺さった。
    社会のあり方について、"である"つまり、状態(ステータス)に重きを置く文化と、どれだけのパフォーマンスを”する”かに重きを置く文化がある。
    日本では前者の価値観が根強いが、大事なのは後者。
    ”する”ことに全力投球し、力を出し切る。それによって没頭(フロー体験)ができるようになる。すると、自分の内部が満たされて他人と比較することもなくなる。

    私は趣味でミュージカルに出たことがあるのだが、なかなか最初は劣等感がついてまわった。
    でも、ある時からあんまり気にならなくなった。
    自分の強みがわかったから、そこを伸ばせばいいんだと気づいたからかな?と分析したが、とにかく練習して没頭できた、という体験もあったなと振り返ってみて思う。
    ついでに、ミュージカル以外の分野でもあまり他人との比較をしなくなった時期でもある。
    なのでチクセントミハイの答えはかなり説得力あると感じた。

    知らない哲学者もいて知識が広がった。
    ラカンの小文字の他者、大文字の他者という考えは面白かった。
    サピエンス全史でいう、認知革命、虚構の弊害ですね。
    人間ってそういうものなんだって理解することから始めればいい。

    ジョン・スチュアート・ミルの「満足な豚より〜」の解釈も、快の質ってそういうことだったんだと改めて学んだ。
    ミルの哲学は今まで何回か読んできたのにちゃんとわかってなかったことに気が付きました。

    あとがきにもあるように、「つらいときに自分を救う哲学をもっておくことは心強い」
    私も自分の哲学をもっと深いものにしたいなと思った。

    あと、仏陀がいたのが嬉しかった。
    (彼は宗教家ではなく哲学者だと私も思っているからです)

    ただ、哲学の基礎的な知識が全くなかったら、わかりにくいだろうなと思う箇所は結構あった気がする。
    抽象度は高いかも。

  • いい意味で、自分の悩みってあるあるなんだなーと思えた笑 思考のプロである先人たちが考え尽くしての答えだろうから、ある意味悩んでも仕方ない部分もあるんだと気持ちが少し軽くなった!
    ・つらいことも目の前のことを頑張ることで辛さが和らぐ。
    ・人生の選択に迫られてる→損失についてはギャンブル的に考える傾向があるもの。どこかで割り切るしかないし、どうしても決められないのなら材料を増やすためにも先延ばしするのもあり。
    ・やりたいことがない→日常の些細な行動にこそ気付きがあり、思想に集中できる。
    ・死を意識することで残りの時間を貴重に過ごせる。

  • めちゃくちゃ読みやすい。かつ、筆者の各哲学者に対する理解の深さからか、非常に簡潔に書かれており、理解しやすい。抽象的な事柄なのに、ここまでわかりやすく書くのは相当な才能。
    哲学などの難解なことをわかりやすく、ということでは飲茶か、小林昌平かといった感じ。

    紹介されているすべての哲学者の論が非常に魅力的に書かれており、ひとつひとつ深く理解したいと思わせる名著。

  • 【感想】
    様々な哲学者の考えを,現代の悩みと当てはめ,解説している一冊。
    筆者によって,分かりづらい概念を現代の言葉に書き換えられ,非常に読みやすかった。
    哲学は時代背景や境遇によって,生み出され,何に共感するかはすべて自分自身であると私は思う。絶対的な正義がない中で,過去の哲学者の言葉を借りて,現代を生きる。その中に,「自分」という一本の軸があれば,それだけで人生は豊かなのではないか。
    多くの哲学のおかげで,様々な思考が生まれ,またそれも未来につながる。ニーチェの言葉を借りて「永劫回帰」の世界で,多くの人を愛していこう。
    【アクションプランというより,胸に刻んでおきたい言葉】
    ・「困難を分割せよ」デカルト
    ・「生活すべてが禅である」道元
    ・「知を愛し求める(phirosophos)」ソクラテス

  • 「自分のやりたいことを明確にして、やりたい事を今すぐ一生懸命コツコツと実践し続けること、それ自体が人生の楽しみ」ということですかな。
    やりたいことがなくても、目の前のことを一生懸命自主的に取り組むことで、楽しくなりまっせ。

  • 悩みに対して単発で書かれているから、哲学って難しい感じがあまりなく、読みやすい。
    参考図書を読んでいきたい。

  • ・「時間は誰にとっても1日24時間で平等」と言うけど、実際には時間には濃淡があって(楽しい時間は濃く短く、苦しい時間は平板で長い)、時間は使い方次第で価値を変えられる

    ・瞑想することとは、「悩む人」から「悩みを観察する人」になること(客観視してしまえば悩みは受け入れられる)

    ・道徳教育では「人に迷惑をかけてはならない」「嘘をついてはならない」と教えるが、そこには「(人に恨まれたくなければ)人に迷惑をかけてはならない」「(人から信頼されたければ)嘘をついてはならない」という利己的な動機が隠されている

    ・大切なものを失った悲しみから立ち直るプロセスを、フロイトは「喪の仕事」と呼んでおり、これは長い時間をかけて一歩ずつ実現されるものと説いている(結局、フロイトほどの人でも「時間が解決する」という答えしか持ち合わせていなかったということ)

    ・「100%の確率で3000ドルもらえる or 80%の確率で4000ドルもらえる」という実験ではほとんどの人が前者を選び、「100%の確率で3000ドル損する or 80%の確率で4000ドル損する」という実験ではほとんどの人が後者を選ぶそう。つまり人間は合理的には行動しておらず(ここでは期待値を無視している)、「利益についてはより確実な選択肢を選び、損失についてはリスクをとってギャンブル的な選択肢を選ぶ傾向がある」とのこと(カーネマン)

    ・自分で物事を決めてしまうと、その決断を引きずってしまい、その決断にその後の人生がとらわれてしまう傾向がある。重い脳障害を持って生まれ、生命を維持できても高確率で植物状態になってしまう新生児に対し、延命治療を続けるか中止するかの選択を迫られるケースにおいて、アメリカでは親が治療中止の決定を下さなければならないのに対し、フランスでは親が異議を申し立てない限り医師が決定を下すことになっている。その後を追跡すると、フランスの親は「こうするしかなかった」と確信を口にするのに対し、アメリカの親は自分で決定したがために、時を経ても後悔や罪悪感に執拗に悩まされる傾向にあるそう

    • corpusさん
      人はみな1日24時間で平等だとか言ってる人もいますが、ベルグソン的には必ずしも当てはまりませんよね。でも、他人と比較可能かというと、そうでも...
      人はみな1日24時間で平等だとか言ってる人もいますが、ベルグソン的には必ずしも当てはまりませんよね。でも、他人と比較可能かというと、そうでもないですよね。
      2020/05/03
  • 人類不変の各種悩みに対して、過去の哲学者たちがどのように答えているか、について書いてある本。哲学書入門としての側面もあるし、単純に今、自分が抱えている悩みに対する回答が書いてあって、読むことで頭や気持ちがすっきりする、といった構成の本。
    何のために哲学という学問があるのか、が体系的に分かって面白いし、ある哲学者が出した回答が実は後世においてひっくり返されている、という事も分かったりして、哲学という学問の不安定さと奥深さが分かって非常に興味深い本だな、と感じた。 

  • この本を読んでもう一度山川の倫理政経の教科書を読もうと思いました(笑)
    哲学というか倫理学を高校の時もう少し勉強ちゃんとしとけばと思います。

    「動かなくても、動くことはできる」
    「資本主義からの逃走」(ドゥルーズ)で会社を辞めなくてもやりたいことはできると説かれています。
    「居場所はどこだっていい」辞められないなら辞めずに会社の中で穴を見つけて好きなことをする。
    その中で同志を集めてプロジェクトを立ち上げる。
    これは役所でも言えることやと思います。
    僕の大望を成就するために今は頑張る時です。

  • 嫌いな上司がいる。上司とうまくいっていない
    のところで出てきた下記が印象に残った。

    >起こることすべては必然であり 、最初から決まってしまっている 。ふたたび 、あの上司は嫌なことを言うだろう 。言わなくてもいいことを言うだろう 〔 ※ 2 〕 。でもそう考えると実は 、楽になれる 。安らぎと幸福が与えられる 、とスピノザはいいます 。
    >「理解 」することによって 、彼のことをあきらめて 、ゆるす気持ちがわいてくるのです 。

    あとはまあ読む人によるかな。昔読んだニーチェのなんとかを思い出した。

  • いつの時代も結局人の悩みは一緒ってことなんだよね。
    でもそれが今でも悩んでる人がいるってことは、
    その哲学者の回答じゃ悩みが無くならないってことよね?(笑)
    ただ、今度から生徒が緊張するタイプなんですって言ってきたら、
    それ、ブッタがもう解決してるから!って言ってやろうかと。
    え?ってなるわな、きっと。

  • 面白そうだな、と思ってチョイスしたのだけど、なかなか悪くなかった。

    「それって回答としてどうなの?」「答えになってなくね?」ってのもあるにはあったのだけど、全体としては面白い、興味深い内容が多かった。そして、昔も今も本質は変わらんのだなぁ、というね。

    例えば、百人一首って恋の歌ばっかりなんだけど、よく聴かれるJPOPも恋愛の歌がほとんどだしね。そういうのと似てる気がする。

    背中を押してくれるような言葉も結構あった。
    個人的には、ミハイ・チクセントミハイの「最良の瞬間は、困難ではあるが価値ある何かを達成しようとする過程で、心身を限界にまで働かせ切っているときに生じる」が好き。
    アドラーの「自分の課題と他者の課題を分離せよ」ってのは、自分ができることにだけ集中する、ってことにつながってるだろうし。

    カーネマンの「まちがった直感の声は大きくてよく通り、理性の声は小さくて聞き取りにくい」とかもいいなぁ。忘れがちになる。天啓のようにひらめいた「これだ!」という直感は大概間違ってるからね。それが「自分にとって都合がいい」と尚更。そういうところを思い出させてくれる。

    これだけあったら、好きな言葉がいくつか出てくると思う。そういうのを座右の銘とまで言わなくても、思い出せる好きな言葉として持っておいたらいいんじゃないかと。

  • Kindle Unlimited なるほど、そんな悩みと哲学者の言葉を紐つけるのかと。会社を辞めたいが辞められないという悩みには「忙しい中でも業務の前後にスキマ時間を見つけて、自分の好きなこと、自分にとって重要だと思える仕事をやってしまえるかどうか。」など、ほかにも「どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのかを冷静に見極め、線引きする。その上で「他者の課題には立ち入らず、自分の課題には誰にも立ち入らせない」。この「課題の分離」ができるだけで、対人関係の悩みは改善する」など参考になった。

  • オーディオブックで聴取。哲学用語は音声で聴いてもどういう漢字を当てるのかピンとこないものが多く、耳で聴くのに向かない本だと感じたので、一通り聴いた後、Kindle Unlimitedで流し読み。

    学生時代の倫理の教科書や参考書はじめ、古代から近代までの哲学者の思想を紹介する類の入門書は何度も読んだが、どうしても暗記科目のようになってしまい、ほとんど頭に入ってこなかった。この本は日常によくある「悩み」を入り口に、哲学者の思想を紹介しており、幾分か入ってきやすかった。

    アリストテレスの言う「エネルゲイア的な行為」と、チクセントミハイの言う「フロー体験」は通じるものがあるし、親鸞の言う「絶対他力」と、スピノザの世界の理解の仕方も何だか似ている気がする。時代や生きた場所が違っても、どこか似たような思想が生まれているのが面白い。

    本書自体はたいへん理解しやすく、それでいて専門性もありとても良い本だと思うのだが、紙幅の関係上、一人一人の哲学者の解説については物足りなさが残り、この哲学者についてもっと知りたい!となったときに読むべき本の道標が欲しくなる。当然そのことは著者も心得ており、各章末に推薦図書が挙げられているのだが、いきなり各哲学者本人の著作が紹介されており、かなり敷居が高いと感じてしまった。できればその間のステップで読むべき平易な解説書などを紹介してくれればもっと良かったように思う。

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著者プロフィール

株式会社電通シニア・コンサルティングディレクター
1976年生まれ。専攻は哲学、美学。電通トランスフォーメーション・プロデュース局・シニアコンサルティングディレクター、ビジネスデザイナー、エヴァンジェリストとして活躍する傍ら、2019年まで事業構想大学院大学の客員フェローとして事業創造人材の育成に従事。テーマは哲学・人類学など人文科学の知見と戦略思考を統合し、包括的で越境的なアイデアを実行すること。大手食品メーカー、大手衣料メーカー、大手実用出版社、大手通信企業などでサービスや商品をヒットに導いてきた。ビジネス思想家として活動し、2018年に出版した著書『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』はわかりやすく深い哲学入門書として各界称賛のロングセラー(4万部)に。共著に『ウケる技術』『電通B チームのニューコンセプト大全』など。累計25万部以上。ヒットコンテンツ、アイデア発想、職場の人間関係といった身近なテーマを、哲学や認知科学、ビジネス思想も交えて文理産学を融合して考える「知の変態」。2019年より社会人向けオンライン学習動画サービス「Schoo」で哲学講義を担当。

「2801年 『したたかな知的生産術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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