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感想・レビュー・書評
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日本が消滅してしまったらしい未来が舞台で、元日本人?(っていっていいかわからないけど)の主人公が日本語を話す人をさがしてヨーロッパを旅するって話。
初多和田葉子。多和田葉子って奇妙な話で読みにくそうっていう勝手なイメージがあって読んでなかったんだけど、これは読みやすかった。ちょっと池澤夏樹みたいな感じもある。イヌイットがルーツの青年とか、言語を研究しているドイツ人とか、インド系で性を変えようとしている青年とか、さまざまな人々が出会って会話して仲間になっていく過程が、わたしには単純になんだか楽しかった。
でも、やっぱりちょっと奇妙な、幻想的な部分もあってそこはちょっと苦手だったかも。(個人的に、なぜか民話とか神話とか伝説みたいな話も苦手で。。。)
あと、なんだか短く感じた。はじまったばっかりなのにもう終わり?っていう感じ。旅はこれからでしょ?っていうか。もっと長く読みたかった。よく思うんだけど、日本の小説ってなんか短い気がする。着想がおもしろいからもっともっと長く書けばいいのにって思うんだけど。(やっぱ欧米人に比べて体力ないとか? いや、「俳句」とかの国だから短さがよし、ってことか?とかあれこれ考えるけど)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現在のある層・・・ホワイトカラー都市労働者に思えますが・・・が抱いているであろう社会課題認識をあまねく掬い取って昇華させたような。
素晴らしい小説です。 -
「それなら、みんなで行こう」
と僕は言った。
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"蜃気楼のよう"
一言で言うなら、これがしっくり来そうな気がする。
現実と物語の境界が揺らぐような。
断言出来ないのは、蜃気楼を見たことがないから。言葉のイメージだけで綴ってしまうが、感想なので許して欲しい。
主人公のHirukoはおそらく日本人なのだが、作中では明言されない。
明言されないどころか、『日本』という言葉がおそらく一度も登場しなかった。(…おそらく)
日本語で書かれた、日本人が主人公の物語を、日本人のわたしが、日本で読んでいる。
だからこそ。
『日本』という固有名詞が "ない" 事に、ひどく驚いてしまった。
Hirukoが日本出身であろう、描写が日本を指しているであろう、とこんなにも容易に理解してしまったのに。
二文字ないだけで、自分が突然、風前の灯火になったようで、ヒヤリとした。
けれど、逆説をとれば、『日本』を想起させる表現が、こんなにもたくさんある事が新鮮でもあり。(清濁含みのある間接的なものから、"鮨の国"のように直感的な表現まで!)
ヒートアップしたHirukoが、どんどん、パンスカ<日本語に傾いていく様に、彼女と母語を同じくしている事実に嬉しさを覚えたりもした。
所々、辞書が欲しくなるような厚みと、リズミカルで跳ねるような軽さが、代わる代わる顔を出して、素直に楽しかった。
特に最後の章は、繰り出される言葉がポップコーンさながらの様相!
そんな言葉の遊び心が其処彼処に散りばめられた物語だからこそ、旅の続きについて行かねばならないな、と至極当たり前のように、心弾ませてしまったのである。 -
「地球にちりばめられて」(多和田葉子)を読んだ。
二年ぶりの再読。
あらためて思う、やはり多和田葉子さんは言葉の魔術師であると。
ずっと以前に『オラ・犬ちゃん』さんに「かかとを失くして」をお勧めいただいて以来ずっと多和田葉子ファンなのである。
さあ「星に仄めかされて」読もうっと。
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