- ホビージャパン (2018年5月1日発売)
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感想・レビュー・書評
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本作は、戦乱の続く世界を舞台に、陰謀に満ちた戦乱の世界で破格の生き様を見せるダーカスと、その姿に惹かれていくティナや姫将軍シャルナら魅力的なキャラクター達が織り成す一大叙事詩である。
ダーカスは、これまでに数々の戦いに敗れてきたが、その戦いの中で多くの人々を救ってきた。彼は、戦争を終わらせるために、あえて敗北するという奇策を駆使する。ある日、ダーカスは、世界最強の騎士団「ヴァサームントの騎士団」の当主であるティナと出会う。ティナは、ダーカスの生き方に魅了され、彼の下で戦うことを決意したのだった。
本書の主要なテーマは、「勝利と敗北」である。ダーカスは、戦場で何度も敵に敗れながらも、決して屈せずに生き抜く英雄である。彼は自分の信念や理想を貫き、自分の力で世界を変えようとする。しかし、そのためには時に自分や仲間を犠牲にしなければならないこともある。ダーカスは、勝利と敗北の間で揺れ動く人間的な葛藤を抱えている。一方、ティナやシャルナは、ダーカスに影響されて自分たちの立場や価値観を見直すことになる。彼女たちは、ダーカスの敗北をどう受け止めるのか、そして彼女たち自身は何のために戦うのか、という問いに向き合うことになる。
私が思う本作のおススメポイントを2つ紹介したい。
1つ目は、緻密に描かれた戦闘シーンだ。本書では、騎士団や傭兵団が参加する大規模な戦闘から、ダーカスやティナが個人的な決闘を行う小規模な戦闘まで、さまざまな戦闘シーンが緻密に描かれている。作者は、武器や防具、馬や兵器などの細部までこだわっており、読者はまるで現場にいるかのような臨場感を味わえる。また、戦闘シーンでは、登場人物たちの思惑や感情が交錯し、ドラマチックな展開が繰り広げられる。特にダーカスは、常に劣勢に立たされながらも巧みな戦術や奇策で敵を翻弄し、読者を驚かせる。
2つ目は、個性豊かなキャラクターたちである。本書では、ダーカスやティナを始めとする個性豊かなキャラクターたちが登場する。ダーカスは、常敗将軍と呼ばれながらも不屈の精神を持つ異端の英雄であり、ティナは彼に惹かれていく世界最強の騎士団当主の娘である。他にも、ダーカスと対立する騎士団長や姫将軍シャルク、を始め魅力的なキャラクターが多数登場する。彼・彼女たちはそれぞれに背景や動機を持ち、物語に深みを与えてくれる。
総じて、北条新九郎の『常敗将軍、また敗れる』は、単なる戦国物語ではなく、深いメッセージを持った作品である。敗北の中にも学びや成長があることを、読者に強く感じさせてくれる一冊だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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