芸術新潮 2018年 05 月号

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  • / ISBN・EAN: 4910033050582

感想・レビュー・書評

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  • 日本絵画特集100!古代~中世前期、中世後期~近世、近代から現代までを網羅。ただちょっと気になったのは、現代芸術が少なかったこと。まだ開拓分野ってこと?近世絵画は国宝が少ないってのも同感。

  • 個性があり魅力的な未知の作品がいくつもありました。膨大な鑑賞量と鋭い鑑識眼を持って、あまたある日本絵画から日本絵画百選をセレクトする山下さんたちの対談を羨ましく拝読。いくつかの作品は美術館での展示が予定されています。合わせて実物も拝見します。

  • ◆特集◆
    これだけは見ておきたい
    最強の日本絵画100
    美術史家の山下裕二氏をチーフに、泉武夫氏、狩野博幸氏、野地耕一郎氏ら各時代のスペシャリストを迎え、日本の絵画史1500年から必見の100点を厳選。(アマゾン紹介文)

    これは良い。
    日本絵画(一点もの限定なので浮世絵除く)を幅広く駆け足で特集されています。興味のきっかけとして、とても魅かれました。
    また、『怖い絵』の中野京子さんが連載されているので、今後はこちらもしっかりチェックしていきます。

  • 「最強の日本絵画100」という永久保存版の特集が組まれている。選ばれた100枚の日本絵画から、その歴史を概観でき、満足度が高い。選者の一人、山下裕二さんの趣味が多分に反映されている。最近になって評価されてきた画家、たとえば不染鉄や木島櫻谷の絵が入っていたり、狩野探幽や東山魁夷が選出から漏れたり。ある意味、時代によって絵の評価というのも変わってきているのかもしれない。

    狩野永徳 vs. 長谷川等伯の桃山障壁画の戦い。江戸狩野より京狩野、それもはみ出し者が面白いということで狩野山雪や久住守景が取り上げられ、何と探幽を挙げていない。俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一という琳派の代表はもちろん、鈴木其一を取り上げている。18世紀の京都画壇からは円山応挙、長沢芦雪、そして奇想の画家として曽我蕭白、伊藤若冲。南画からは与謝蕪村、池大雅、浦上玉堂、林十江。秋田蘭画からは小田野直武。

    肉筆画から選んだので、浮世絵は番外で8作選ばれている。

    西洋絵画の写実性・立体感に当時の日本人はどれほど驚いたか。洋画が輸入された結果、これまでの日本の絵画は相対化されて見つめられ、「日本画」という概念がここで初めて生まれた。黒田清輝を認めていない、というのは何となく頷ける(画家というより政治家)が、それでも「智・感・情」を選出している。

    近代日本画の始祖として、菊池容斎、小林永濯、狩野芳崖。そして河鍋暁斎、渡辺省亭、竹内栖鳳(「ベニスの月」)。菱田春草(「落葉」)、そして夏目漱石が酷評した木島櫻谷の「寒月」。この絵は個人的にも大好きな絵だ。速水御舟は「炎舞」ではなく「京の舞妓」が選ばれている。横山大観は40メートルの「生々流転」。小村雪岱の「青柳」。そして何と不染鉄「山海図絵」を選んでいる。岡本太郎、福田平八郎「雨」、熊谷守一は「若い時の陽の死んだ日」ではなく「猫」を選出。田中一村「アダンの海辺」を入れ、同級生の東山魁夷「道」は惜しくも選から漏れた。

    100点以外に現役の作家としては、会田誠、山口晃、村上隆、池田学が取り上げられており、これもある意味納得!という感じである。

  • 時々読んでいる芸術新潮。この号は「最強の日本絵画100」のコピーに惹かれて。
    「最強」ってどんなの?

    チーフナビゲーターは美術史家の山下裕二さん。
    日本美術史を、古代~中世前期、中世後期~近世、近代~現代の3期に分けて、それぞれの時代のゲストナビゲーターと共に、代表的な作品を選んでいこうというもの。
    選考に当たっては「日本絵画史をアップデートする」というのがモットー。
    従来の教科書的な作品にとどまらず、意外な視点で加えられる絵もある。特に、明治以降の絵画は、これまで日本絵画ベスト100的なものにはなかなか採られていなかったそうだが、この時代のものも加えたところが大きな特徴である。

    山下さんと各時代の専門家であるゲストがざっと「推し」を選び、最終的には対談形式で取捨選択していく。選んだ作品と併せて、その対談の模様も収録されている。これがアツくておもしろい。
    最終的には、絵画の優劣を絶対的な基準を元に判断することは不可能であるわけだが、専門家たちがそれぞれの主観に立ち、その背景も解説した上で「これで行きましょう」と決めていく。もちろん、両者異論のない名画が大半なのだが、中にはちょっと標準から外れているものの、選者の思い入れが強くて、どうしてもと押し込まれるものもある。「だって好きなんだもん」というわけだ。このあたりは多少の役得というところだろう。

    古代の壁画から始まり、仏画や絵巻、肖像画、禅画。雪舟や狩野派、文人画。そして洋画が入ってきた近代。
    どこかで見たものもあり、まったく知らなかったものもあり、だが、やはり鮮烈でおもしろいのは近代編だろうか。日本画と一口に言ってもいろいろあるんだな、という感じである。高橋由一も黒田清輝も青木繁も入っているが、いずれもいわゆる教科書に一般的に採られる作品とはちょっと違うのもおもしろいところ。夏目漱石が酷評したとして話題になった木島櫻谷もある。
    そして戦争画を経て現代へ。番外編として、現役アーティストの作品もいくつか紹介されている。

    美術雑誌らしく、大判の版型だが、それでも中にはもうちょっとズームアップしてみたいなぁと思う絵がいくつも。とはいえ、やはり機会があれば実物を見てみたいところである。

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